睡眠の質を上げる食べ物とは?寝る前に食べていいものとダメなものを解説 - NEIGHBORFIT | 運動で心と身体を整える

睡眠の質を上げる食べ物とは?寝る前に食べていいものとダメなものを解説

フィットネス

睡眠の質を上げる食べ物とは?寝る前に食べていいものとダメなものを解説

夜、布団に入ってもなかなか寝付けない。途中で目が覚めてしまう。

朝起きても疲れが取れていない――そんな悩みを抱える人は多く、慢性的な睡眠不足は心身の健康にさまざまな悪影響を及ぼします。

良質な睡眠を得るためには、生活習慣の見直しとともに「食事の工夫」も重要なポイントです。

実は眠りを誘う成分は私たちの身近な食材にも多く含まれています。逆に、寝る前に食べると睡眠を妨げてしまう食べ物もあります。

この記事では、初心者でも理解しやすいように睡眠と食事の関係を解説し、具体的な食材・飲み物・避けたい習慣を紹介していきます。

睡眠の質を左右する栄養と食事

睡眠の質は、特定の栄養素や体内のリズムに深く関係しています。

ここでは、眠りを支える栄養成分とその働き、食事が睡眠リズムに与える影響を基礎から整理します。

睡眠に関わる栄養素とは

睡眠の質を高めるには、まず「トリプトファン」「ビタミンB6」「マグネシウム」などの栄養素が欠かせません。

これらは、睡眠ホルモンと呼ばれる「メラトニン」の合成に関与しています。

たとえばトリプトファンは体内でセロトニンという神経伝達物質に変換され、さらにメラトニンへと変わります。

ビタミンB6はその変換を助け、マグネシウムは神経の興奮を抑える作用を持ちます。

これらの栄養素を含む食品を意識してとることで、自然と睡眠の質が高まりやすくなります。

メラトニンとセロトニンの役割

メラトニンは「眠気を促すホルモン」として知られており、夜になると分泌が増加します。

このホルモンは、昼間に光を浴び、一定の生活リズムを保つことで正常に分泌されます。

一方、メラトニンの材料となるセロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、日中の精神状態を安定させる役割を担います。

セロトニンの分泌が不足するとメラトニンの合成も滞り、結果として眠りにくくなるという悪循環に陥りやすくなります。

つまり、睡眠とメンタルは同じ栄養素とホルモンでつながっており、昼間の過ごし方や食事内容が夜の眠りにも直結するのです。

食事と体内時計の関係

体内時計(概日リズム)は、体温・ホルモン分泌・代謝・睡眠など私たちの生理活動全体をコントロールしています。

このリズムは、朝食の摂取や日中の活動によってリセットされる仕組みになっています。

朝食を抜く、夜遅くに食べるといった不規則な食生活は、体内時計を狂わせ、睡眠にも悪影響を及ぼします。

特に就寝前に消化の負担が大きい食事をすると胃腸が活発に働き続け、脳と体が休まらなくなってしまいます。

そのため、食事のタイミングにも気を配り、「眠る2〜3時間前までには夕食を終える」「朝食をしっかり摂る」といった習慣が質の良い睡眠を育む基盤となります。

睡眠の質を上げる食べ物と飲み物

睡眠の質を高めるためには、眠りに役立つ栄養素を含む食材や飲み物を意識して選ぶことが大切です。

ここでは日常の食事に取り入れやすいおすすめの食材や飲み物を具体的に紹介し、それぞれがどのように睡眠をサポートするのかを解説します。

睡眠を促す栄養が豊富な食材

良質な眠りに貢献する食材には、前述のトリプトファン・ビタミンB6・マグネシウム・カルシウムなどが豊富に含まれています。

たとえば、バナナにはトリプトファンとビタミンB6が多く含まれており、メラトニンの生成を助けるうえに消化にも優しく寝る前の軽食にも向いています。

さらに、納豆や味噌などの大豆製品は植物性たんぱく質に加えマグネシウムも含み神経の安定に効果があります。

加えて、アーモンドやカシューナッツといったナッツ類にはマグネシウムとともに体を温める脂質も含まれており、リラックス効果が期待できます。

魚類ではサケやマグロがトリプトファンとビタミンB6を多く含み、夕食メニューに適しています。

よく眠れる飲み物の種類と飲み方

飲み物にも、睡眠をサポートする働きをもつものがあります。代表的なのがホットミルクです。

牛乳にはトリプトファンとカルシウムが含まれており、温めて飲むことで副交感神経が優位になり、体も心も落ち着いて眠りに入りやすくなります。

また、カモミールティーやラベンダーティーといったハーブティーは香りと温かさが心身の緊張をやわらげ、不安やストレスを軽減する効果があります。

ノンカフェインであることも就寝前には安心できるポイントです。

飲み方としては熱すぎずぬるめの温度で、就寝の30分〜1時間前にゆっくり飲むのが理想的です。

寝る直前に大量の水分をとると夜間頻尿の原因にもなるため、コップ1杯程度にとどめましょう。

寝付きやすさを高める組み合わせ

眠りをサポートする栄養素は、単体よりも「組み合わせることで相乗効果」が期待できます。

たとえば、バナナ(トリプトファン)+アーモンド(マグネシウム)+ホットミルク(カルシウム)のように、それぞれの働きを補完し合う食品同士を組み合わせると、よりスムーズに眠りに入りやすくなります。

また、夕食では「サーモンの味噌焼き+納豆ご飯+野菜のスープ」といった和食スタイルも栄養バランスが良く、消化にも優れています。

ポイントは、胃に負担をかけず、神経の安定に関わる栄養素を自然に摂れるような食事構成にすることです。

このように、食材単体ではなく「食べ合わせ」や「タイミング」も意識することで、眠りの質をより高めることができます。

寝る前に食べない方が良い食べ物・飲み物

良質な睡眠のためには、寝る前に何を“食べるか”だけでなく、“食べないか”も重要なポイントです。

ここでは睡眠の妨げになる食べ物や飲み物を具体的に紹介し、就寝前の食事における注意点について整理します。

睡眠の質を下げる食べ物

寝る直前に高脂肪・高糖質の食べ物を摂取すると、体は消化や血糖値の調整にエネルギーを割くため脳や内臓が休まりにくくなります。

とくに、揚げ物・スナック菓子・ラーメン・ピザなど脂っこい料理は、胃腸に大きな負担をかけてしまい眠りが浅くなる原因になります。

また、チョコレートやケーキなどのスイーツも注意が必要です。

砂糖は血糖値を急激に上昇させるため、寝付きが悪くなったり夜中に目が覚めやすくなることがあります。

さらにチョコレートには微量のカフェインが含まれている場合もあり、神経が興奮してしまうリスクも見逃せません。

このような食品はできれば夕食時までにとどめ、就寝前の数時間はなるべく避けることが望ましいです。

睡眠の質を下げる飲み物

カフェインやアルコールを含む飲み物は、睡眠の妨げになる代表格です。

カフェインには覚醒作用があり、コーヒーや緑茶、紅茶、エナジードリンクなどを夜に飲むと入眠が遅くなったり、眠りが浅くなったりする恐れがあります。

カフェインの影響は人によって異なりますが、一般的には摂取後4〜6時間は効果が持続するとされているため、午後以降は控えるのが安心です。

また、アルコールは「眠くなるから寝酒に良い」と思われがちですが、実際には深い睡眠(ノンレム睡眠)を妨げ、中途覚醒や早朝覚醒の原因になります。

寝つきは一時的によくても、結果的に睡眠の質は下がってしまいます。

寝る前の水分補給には、ノンカフェインで温かい飲み物(たとえばハーブティーや白湯など)を選ぶのが無難です。

就寝前の食事で注意すべきポイント

どんなに良い食材を選んでも、就寝直前に食事をとると睡眠を妨げてしまう可能性があります。

理由は食べたものを消化吸収するために胃腸が活発に働き、身体が「休むモード」に入れないからです。

就寝の2~3時間前までには食事を済ませるのが理想です。それが難しい場合は消化の良いバナナやヨーグルト、豆腐などを軽くとる程度にとどめましょう。

また、冷たい飲み物やアイスクリームなども体を冷やしてしまうため、体温が下がる就寝時には不向きです。

体を内側から温めるような食材や飲み物を選び、リラックスした状態で眠りにつけるよう心がけましょう。

よくある質問

バナナやナッツは本当に効果がある?

結論として、バナナやナッツは睡眠の質を高めるうえで有効です。

バナナにはトリプトファン・マグネシウム・ビタミンB6が含まれており睡眠ホルモン「メラトニン」の材料になります。

アーモンドやカシューナッツなどのナッツ類も、神経の安定に役立つマグネシウムを豊富に含みます。

少量を寝る1時間前に食べることで、体がリラックス状態に入りやすくなります。

寝る直前の水分摂取は控えるべき?

結論として、大量の水分摂取は避けたほうがよいです。

寝る前に水分を摂りすぎると、夜中にトイレに行きたくなり、中途覚醒の原因になります。

ただし、軽く水分補給をすること自体は悪くありません。喉が渇いて眠れない場合などは、白湯やハーブティーをコップ1杯程度飲むのが適量です。

睡眠の質に最も悪い食べ物は何?

脂質や糖分を多く含む高カロリーな食品が、睡眠に悪影響を与える傾向にあります。

とくに寝る前のラーメン・スナック菓子・ピザ・チョコレートなどは消化が遅く、胃腸に負担をかけるため眠りが浅くなりやすいです。

これらは夕食時までにとどめ、夜遅い時間には避けるのが賢明です。

甘いものを食べると眠くなるのはなぜ?

糖分を多く摂ると血糖値が急上昇し、その後急降下することで「眠気」のような感覚が現れることがあります。

ただしこれは一時的な反応であり、睡眠の質を高めているわけではありません。

むしろ糖分はメラトニンの分泌を妨げたり、体を冷やしたりする作用があるため、就寝前には控えるべきです。

眠れないときに効果的な飲み物は?

温かい牛乳やハーブティー(カモミール、ラベンダーなど)が定番です。

どちらもノンカフェインで、体を内側から温めつつ、神経の緊張をほぐす作用があります。

中でもカモミールティーは抗不安作用があることで知られ、入眠を助ける自然な手段として人気があります。

まとめ

睡眠の質を高めるには、食べ物の選び方と食事のタイミングが大きな鍵を握っています。

トリプトファンやビタミンB6など、眠りに必要な栄養素を含む食材を日常的に取り入れつつ、就寝前には消化に優しい軽食やノンカフェインの飲み物を選ぶことが効果的です。

また、カフェインやアルコール、脂っこい食事はなるべく夕方までにとどめ、夜は体と心を休める食生活を意識しましょう。

さらに、朝日を浴びて体内時計を整える、ブルーライトを控えるなどの習慣も睡眠の質を大きく左右します。

すぐにできることから少しずつ試し、自分にとって最適な「眠る準備」を整えることが、快眠への第一歩となります。

参考文献

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