新米のお父さん、お母さんの中には、赤ちゃんの首が座るというのが何か、いつ頃の話なのかについて、ご存じない方もいるでしょう。
赤ちゃんの首が座るのは成長における重要な段階で、発達のバロメーターでもあります。
この記事では赤ちゃんの首が座ることについて、どのような状態でいつ頃におとずれるのか、首が座ったかどうかの見極め方などについて解説します。
また、首が座るまでにしてはならないことや、首の座りを促す練習方法についても紹介しますので、参考にしてくださいね。
目次
首が座るとは?
赤ちゃんの首がグラグラせずに頭を支えられることを「定頸」と言い、一般的には「首が座る」と表現されます。
なお、本来は「据わる」が正しい漢字ですが、混乱を避けるためこの記事では「座る」の表記で統一しています。
出生後すぐの赤ちゃんは体の発達が不十分であり、自力で重い頭を支えられません。生まれてからまず発達するのが首の筋肉で、それに伴って、頭をグラグラさせずに支えられるようになります。
首が座ることは、赤ちゃんにとって非常に重要な運動発達です。これができないと、その後にくる「お座り」や「ハイハイ」などへ進めません。
赤ちゃんが自力で頭を支えられるようになる時期の目安
大人が頭を手で支えなくてもグラグラせず、安定して赤ちゃんが頭を動かせるようになる状態は、一般的に生後3〜4カ月ごろに訪れます。
しかし他の発達と同じく、この発達段階の時期にも個人差があると知っておいてください。早い子は2カ月で頭を支えられるようになりますが、遅い子は5か月頃ということもあります。
赤ちゃんの首が座ったか確認する方法
最近は何となく頭がグラグラしなくなったけれど、これで首が座ったと考えても良いのかがわからないと悩む親御さまもいるようです。
首が座ったかどうかを判断するには、次の項目にチェックがつくかどうかを確認してみましょう。
□うつ伏せ寝にさせたときに自力で頭を持ち上げられる
□大人に頭を支えられずとも自力で首を動かして頭の向きを変えられる
□縦抱きとした際に頭がグラグラしない
□仰向けに寝た状態から両手を持って上半身を引き起こすと頭が後ろに倒れずについてくる
□前傾姿勢になっても首が前へ倒れない
3歳児検診でもチェックされますが、首の座るのが遅くとも不安になる必要はありません。
この確認をご自宅で行う場合、少しでも赤ちゃんがしんどそうに思えたらすぐにストップするようにしましょう。
特に仰向けの赤ちゃんの両手を引っ張って上半身を起こす際には、強い力で引っ張ると肩が脱臼してしまうことがあります。
優しくそっと、ゆっくり引っ張るようにしてください。
首が座る前にしてはならないコトと注意事項
赤ちゃんの首が座るまでは「してはならないこと」があります。
いずれも健康を損なうリスクをはらむ行動ですので、配偶者や家族にも知らせ、共有するようにしてくださいね。
- たかいたかい
- 縦抱き
- うつ伏せ寝
- 激しく揺さぶる
- ベビー用ソファーや椅子の使用
たかいたかい
赤ちゃんの脇に手を入れ、大人の頭上まで引き上げることを「たかいたかい」と言いますが、首が座る前の赤ちゃんにはしないようにしましょう。
首が座っていない状態で上下に大きく動かす行為は、首に強く負担がかかります。
子どもにたかいたかいをすると喜ぶというイメージがあることで、生後間もない乳児にしてしまう方もいるため、注意して見ておくことが大切です。
縦抱き
発達に合っていない姿勢を長時間とらせることは、子どもの体に相当な負担をかけます。
横抱きを続けることによって腱鞘炎や腕の痛みに苦しむお母さんも多いのですが、首がしっかり座るまでは長時間の縦抱きはやめてください。
ちなみに縦抱きの授乳を推奨している産院もありますが、授乳中はあまり長い時間ではないうえに母親が頭を支えるため、赤ちゃんの首にはさほど負担がかかっていません。
縦抱きにする際には、首や頭を手で支えるようにしましょう。母乳やミルクを飲んだあとのゲップをさせるときは、赤ちゃんの頭を大人の肩に預けるようにし、力を込めずに優しく背中を叩きます。
うつ伏せ寝
首がすわる前は頭を持ち上げる力が少ないため、うつ伏せに寝かせると鼻や口を床から離せずに呼吸をしにくくなることもあります。
赤ちゃんの首が座るまでは基本的に仰向けに寝かせ、うつ伏せ寝をさせるときは短時間にし、必ず大人が見守るようにしてくださいね。
激しく揺さぶる
赤ちゃんが長時間揺さぶられることで、まだ柔らかい脳の神経が傷つく恐れがあります。
「揺さぶられっ子症候群」というもので、頭の中で出血し、最悪の場合は死にいたることも。体を掴んで激しく揺さぶる行為は危険です。
夜泣きなどで精神的余裕がないときは、誰でも疲れてイライラしてしまうものです。揺さぶりは、そのようなときに発生することが多いと言われています。イライラしてきたらまず、赤ちゃんを安全な布団の上などに寝かせ、少し離れて深呼吸をするようにしましょう。
ワンオペ育児でイライラするときの対処法については、こちらの記事を参考にしてください。
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ベビー用ソファーや椅子の使用
柔らかいゴムでできているベビー用のソファーや椅子は、赤ちゃんの体をしっかり包み込むことによって「お座り」を可能にする商品です。
手遊びや食事の際に便利なため、大変人気がありますよね。しかし、首が座るまでは使わないようにしましょう。
補助がなくても赤ちゃんが自分で座れるようになるのは、生後半年以上経ってからのこと。
中には首がぐらつかなくなる4カ月ごろからベビー用ソファーや椅子に座らせている方もいるのですが、実際には体の発達が追いついていないため、本来は使用不可です。
腹筋や背中を支える靭帯、骨、関節を支える構造物が育っていない時期にお座りさせると、背中へかなりの負担がかかることを知っておいてください。
大人の肩こりなどと同じように、赤ちゃんも背中の筋肉疲労を起こし、痛みが出ることがあります。
首の座りを促す方法と注意事項
首が座るようになるには、前述したように首の筋肉の発達が必要です。そのため首の座りを促す方法とは、首や背中の筋肉を刺激する方法になります。
ただし、本来発達は促す必要がなく、その子の成長に伴って自然に訪れるものです。そのため以下の方法はあくまでも遊びの一環として行い、赤ちゃんに負担がかからないように注意しましょう。
- うつ伏せ寝遊び
- 前向きの縦抱き
うつ伏せ寝遊び
首の筋肉の発達を促すために、うつ伏せ寝から頭を持ち上げる遊びを取り入れてみましょう。
お気に入りのおもちゃや音が鳴るおもちゃで視線を誘導すると、首を持ち上げて頭を動かす練習になります。
ただし首が座っていない状態で頭を動かすと首に負担がかかるため、素早くおもちゃを動かしたり、うつ伏せ寝にさせたままで目を離したりしないように十分に注意してくださいね。
前向きの縦抱き
縦抱きにすると首の筋肉に刺激を送れます。その際、前向きにだっこすると見え方がいつもと異なるため、脳の刺激にもなり赤ちゃんも楽しめるでしょう。
このとき大切なのは、首が突然ぐらつくことがないように、赤ちゃんの頭や首を保護者の手や体で支えることです。
前向きの縦抱きは赤ちゃんも喜ぶことが多いと考えられますが、長時間の縦抱きはしないようにしましょう。
首の座りは発達の重要なサイン! 遅れても焦らず見守ろう
赤ちゃんの首が座ることは、赤ちゃん本人にも親御さまにも大きな発達のサインです。
赤ちゃんは自分で好きな方向に頭を動かせるようになりますし、大人はお世話がしやすくなります。
しかし、発達は個人差が大きく、首の座りも子どもによって時期は大きく異なります。いずれは追いつくため、首の座りが遅いと感じても焦らずに見守るようにしてくださいね。
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