さまざまな理由で筋トレを始める人が増えている現代では、筋トレのお供としてたくさんのサプリメント商品が販売されています。
効率的に体を鍛えていきたいけれど、サプリメント商品が多くてどれを選べばよいかわからないという方もいらっしゃるでしょう。
そこでこの記事では、EAAを取り上げます。EAAとは何か、BCAAやプロテインとの違いや、EAAが筋トレに必要とされる理由などについて解説します。
筋トレ効果を上げるためにサプリ摂取を考えている方の、手助けとなれば幸いです。
目次
EAAとは?
EAAはEssential Amino Acidsの略語で、日本語の意味は「必須アミノ酸」です。体内で合成できないため、食事から摂取しなければならない9種類のアミノ酸を指します。
通常、単にEAAと言うときは、必須アミノ酸がすべて含まれたサプリメントを指すことが多いでしょう。
必須アミノ酸の9種類は、以下の通りです。
【必須アミノ酸の種類】
- バリン
- ロイシン
- イソロイシン
- リジン
- メチオニン
- フェニルアラニン
- トレオニン
- トリプトファン
- ヒスチジン
必須アミノ酸は、人の体の筋肉や爪、髪、内臓組織などさまざまなものを構成するタンパク質の合成に不可欠な成分です。その役割には、筋肉の成長や修復、免疫機能の維持、ホルモンの生成など、重要なものばかりがあります。
EAAを摂取することで、筋肉合成の促進だけでなく、持久力の向上や認知機能の向上、睡眠の質の改善などさまざまな効果が期待できます。
参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「アミノ酸」
BCAAとEAAの違い
スポーツやトレーニングをする人の中では、BCAAと呼ばれるサプリメントも人気があります。このBCAAとは、EAA(必須アミノ酸)の中に含まれる「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」の3種類のことを指します。
この3つのアミノ酸は筋肉中のアミノ酸の35割ほどを占めると言われており、主な働きは筋肉の合成を促すことです。筋トレによって損傷を起こした筋肉の修復を促進し、疲労回復を早めるなどの効果が期待できます。
EAAの中にBCAAが含まれていることから、EAAを摂取している場合は別途BCAAの摂取は必要ありません。過剰摂取にならないよう、サプリメント摂取時には含まれている成分に注意を払うようにしてください。
プロテインとEAAの違い
プロテインとはタンパク質のことです。タンパク質はアミノ酸の集合体で、非必須アミノ酸11種類と必須アミノ酸9種類を足した、20種類のアミノ酸で構成されています。
つまり、プロテインを摂取しているのであれば、EAAやBCAAの摂取は不要ということですね。プロテインは、バランスよく、総合的な栄養補給ができるという特徴があります。
ただし、プロテインは胃腸で分解されて初めてアミノ酸になるため、最初からアミノ酸状態で摂取するEAAやBCAAと比べると、吸収速度は緩やかです。
EAAの選び方と商品種類
EAAサプリは、商品によって必須アミノ酸の含有量や種類が異なります。必須アミノ酸9種類はすべてをバランスよく摂ることがよいと言われているため、商品の成分表を確認し、前述した9種類がすべて含まれているものを選ぶことをおすすめします。
タイプは粉末とタブレットの2種類です。
粉末タイプは水に溶かして飲むため摂取量を調節しやすいですが、シェイカーで溶かす手間がかかります。そしてタブレットタイプは持ち運びに便利ですが、粉末タイプと比べて高価なものが多いとされています。
EAAが筋トレに必要な3つの理由
筋トレをする方にEAAが必要な理由、以下の3つについてみていきましょう。
- 筋肉の肥大を促進する
- 筋肉の分解を抑制する
- 筋肉の疲労を軽減する
筋肉の肥大を促進する
EAAには、筋トレで損傷した筋肉を修復し、強く太くするための「合成を促すシグナルを出すアミノ酸」と「筋肉の材料となるアミノ酸」の両方が含まれています。
摂取しないよりも摂取した方が、筋肉の修復・合成が早まると考えられています。
筋肉の分解を抑制する
激しい運動をしたり長時間の運動をしたりすると、エネルギー不足となり筋タンパク質の分解が始まります。
EAAは、その分解を抑制する作用があるため、筋肉量の維持に貢献します。
筋肉の疲労を軽減する
トレーニングすることでエネルギーを消費するため、体内ではタンパク質が分解されると同時に多くのアミノ酸が消費されます。
しかし、EAAを摂取することによって消費されたアミノ酸を補給できるため、疲労感を軽減できると言われています。
EAAの副作用や摂取の注意点
EAA摂取による副作用には、下痢や吐き気が報告されています。
さらに、ここで摂取に際しての注意点5つを確認していきましょう。
- 摂取量を守る
- 少量ずつ複数回に分けて摂取する
- 他の薬剤との相互作用に気を付ける
- 妊娠中や授乳中は控える
- 体に異変があったときはすぐにやめる
摂取量を守る
EAAの1日の摂取量目安は、10〜15gです。
アミノ酸は過剰に摂取しても不要な分は老廃物として尿となり、体外へ出されてしまいます。不必要に多く摂取しても腎臓に負担がかかるだけで、摂取メリットが高まるわけではありません。
また、EAA商品によってもアミノ酸含有量が異なります。商品に書かれている1日の摂取量を守るようにしましょう。
少量ずつ複数回に分けて摂取する
前述したように、EAAの副作用には下痢や吐き気がありますが、これは一度に大量のEAA摂取をした場合に起こりがちです。大量摂取によって腸内の栄養濃度が急激に高くなり、それを薄めようと腸内の水分量が増えた結果、下痢になってしまうのです。
EAAは消化吸収が早いため、大量に摂ると肝臓や腎臓に負担もかかってしまい、最悪の場合は腎機能低下を引き起こすこともあります。
そこで、EAAは1日の摂取目安分を少量ずつに分け、複数回で摂ることが推奨されています。
他の薬剤との相互作用に気を付ける
抗凝固薬や糖尿病の薬など、特定の薬剤を服用している場合は相互作用が起こるリスクがあります。
持病をお持ちの方は摂取前に必ず主治医に相談し、許可が出てから使用するようにしてください。
妊娠中や授乳中は控える
妊娠中や授乳中は、母親が口にするものすべてが胎児や赤ちゃんに大きな影響を与えます。
EAAにかかわらず、サプリメントを利用する前に必ず主治医に相談しましょう。
体に異変があったときはすぐにやめる
特定のアミノ酸にアレルギー反応を示す方が、まれに存在します。
また、摂取によって胃に不快感が出る人もいるため、最初は様子を見るために少量から試すようにしましょう。体に異常がないことを確認してから、目安量の摂取がおすすめです。
万が一体に異変が出た場合は、即刻利用中止し、医師の診察を受けてください。
EAAは筋トレと好相性! ただし注意を守って摂取のこと
毎日バランスのよい食事を心がけていても、食事から万遍なく栄養素を摂取するのは簡単ではありません。そのため、多くの方に利用されているのがサプリメントです。
EAAは人が体内で作れない必須アミノ酸のことで、体の栄養バランスの維持だけでなく、トレーニングパフォーマンスを向上させられると期待できます。
健康的な体作りのため、必須アミノ酸をサプリメントで摂取する方法を検討してみましょう。またその際には、用法用量をきちんと守ることも忘れないようにしてくださいね。