春の訪れは嬉しいものですが、花粉症をお持ちの方にとっては大変な時期でもあります。
花粉症は花粉という異物に体が反応し、それを追い出そうとする動きに伴い現れる、さまざまの不快な症状のこと。自律神経の乱れや疲れによる免疫力の低下などが、さらに花粉症の症状を悪化させてしまいます。
薬を飲むとよく効きますが、同時に体へもアプローチをして、少しでも花粉症の症状が軽減するようにしてみるのはいかがでしょうか。
おすすめなのはヨガです。この記事ではヨガが花粉症に効果的である理由や、花粉症に効果的なヨガポーズなどを解説します。花粉症のつらい症状に悩んでいらっしゃる方は、ぜひ参考にしてやってみてくださいね。
ヨガが花粉症に効果的な3つの理由
ヨガが花粉症に効果的であると言われている理由は、以下の3つがあります。
- 自律神経を整える
- 免疫力を高める
- 鼻呼吸をする
自律神経を整える
花粉症のつらい症状の多くは、自律神経と関係しています。
緊張し、興奮するときに働く交感神経と、リラックスしているときに働く副交感神経のバランスが取れているときは健康によい影響がありますが、崩れると心身の不調となって現れます。
ヨガのポーズは緊張と弛緩を繰り返し、呼吸と合わせて動くため、交感神経と副交感神経を何度も切り替えています。
ヨガの間、交感神経と副交感神経のスイッチを何度も入れ替えることで切り替えがスムーズになり、その結果「自律神経が整う」のです。
花粉症の症状のひとつにある「鼻詰まり」は、リラックス状態の副交感神経が優位になることで発生しますが、ヨガで交感神経との切り替えを頻繁に行うことにより、副交感神経が優位である状態を少なくできます。
つまり、ヨガで自律神経のバランスを整えることが、鼻詰まりの解消につながるのですね。
免疫力を高める
ヨガのポーズや呼吸に集中して取り組むうちに、自然に呼吸が深くなります。呼吸が深くなることで横隔膜が大きく上下に動き、内臓がほぐされ、血行も促進されます。
その結果、全身の細胞が活性化して免疫力向上につながります。
鼻呼吸をする
多くのヨガで使われる呼吸法は、鼻から吸って鼻から出す鼻呼吸です。鼻から空気を吸うと鼻毛がフィルターの役割を果たすため、空気中から雑菌やウィルス、花粉などが体内に入るのを阻止してくれます。
また、しっかり鼻呼吸を繰り返すことで鼻の血流も刺激されるため、鼻詰まりを解消しやすくなると考えられます。
ヨガを継続することで花粉症の症状緩和が期待できる
自律神経は自力でコントロールできませんが、呼吸に限っては人間が少しだけ関われます。
ヨガは呼吸を重視する運動であるため、呼吸を通して自律神経のバランスにアプローチできるのですね。
また、適度な運動は、体力や免疫力を高められます。
ただし、ヨガをしたあとに花粉症の症状が軽くなるのは、あくまで一時的なこと。そのため継続的にヨガに取り組むことが大切です。
症状が緩和された状態を長く維持できるようにしましょう。
花粉症のつらい症状に効果的な5つのヨガポーズ
花粉症の症状緩和に効果的な、ヨガのポーズを5つ紹介します。
- 前屈のポーズ(プラサリータ・パードッターナ・アーサナ)
- 魚のポーズ(マツヤ・アーサナ)
- うさぎのポーズ(シャシャンカ・アーサナ)
- コブラのポーズ(ブジャンガ・アーサナ)
- ねじった三角のポーズ(パリヴルッタトリコナーサナ)
前屈のポーズ(プラサリータ・パードッターナ・アーサナ)
体を反り返したり、ひねったり、前に屈んだりするポーズによって交感神経を活性化させると、鼻の中の粘膜を広げることに繋がります。
鼻詰まりがひどい方におすすめのポーズです。
【前屈のポーズのやり方】
- ヨガマットを横向きに敷いて、その中央に立つ。
- 両手を肩の高さで真横へ広げ、両手首の下に両足首がくるように調節し、足は真っ直ぐに前へ向ける。
- 腰に両手を沿え、息を吐きながら背筋を伸ばして上体を前へ倒していく。
- 再度息を吸いながら、肩の下にくるように両手を床につける。
- 3回ほど呼吸をしながらキープする。
両膝を真っ直ぐにすると膝に負担がかかるため、少し緩めて行いましょう。眼圧がかかるポーズであるため、緑内障や網膜剥離の方はNGです。
魚のポーズ(マツヤ・アーサナ)
胸を大きく開くため、肋骨が広がって呼吸を深めやすくなります。
【魚のポーズのやり方】
- ヨガマットの上に仰向けで寝転び、両足は揃え、両手は手のひらを下へむけてお尻の下へ差し込む。
- ゆっくり息を吸い、吐く息で両手と肘を使って床を押し、胸を広げる。
- 顎を上げて後頭部を床へつけ、3〜5回ほど呼吸を続けながらキープする。
首を反らすのではなく、胸の中心を持ち上げることで首が反るようにしましょう。
うさぎのポーズ(シャシャンカ・アーサナ)
眼精疲労や頭痛、肩こりなどに有効なポーズです。背骨全体を丸めることで背骨周辺にある自律神経を刺激するため、鼻詰まりに効果が期待できます。
【うさぎのポーズのやり方】
- ヨガマットの上に正座をし、上体を前へ倒して額を床へつける。
- 両腕をお尻の方へのばし、お尻を天井方向へ持ち上げつつ額からずらして頭頂部が床につくようにする。
- 腰から肩、首までが伸びていくのを感じながら、両手をお尻の上で組み合わせる。
- 組んだ両手を天井へと持ち上げる。
- 5回ほど呼吸を繰り返しながらキープする。
怪我を防ぐため、ポーズ中に首や頭を動かさないようにしましょう。また、ポーズをやめる際に頭をいきなり上げることも禁止です。ゆっくりと、徐々にポーズを解体してくださいね。
コブラのポーズ(ブジャンガ・アーサナ)
簡単に見えるコブラのポーズですが、さまざまな効果が期待できます。ストレス解消や疲労回復、背骨の強化、内臓への刺激などに効果的なため、じっくりと取り組んでください。
【コブラのポーズのやり方】
- ヨガマットの上にうつぶせ寝をし、額を床へつける。
- 両足は腰幅に開いて伸ばし、すね、かかと、足の甲を真っ直ぐに伸ばす。
- 息を吸いながら肩と肘を後ろへ引き、手のひらで床を押す。
- 恥骨と太ももが床から離れない程度に胸を持ち上げ、背中が縮むのを感じる。
- 5回ほど深い呼吸をしながらキープする。
脇に体温計を挟むイメージで脇を閉めましょう。胸を持ち上げたときに腰に痛みや違和感がある場合には、無理に胸を上げずに元の体勢に戻ってください。
ねじった三角のポーズ(パリヴルッタトリコナーサナ)
自律神経を整え、股関節を柔軟にし、腰痛を和らげるポーズです。
【ねじった三角のポーズのやり方】
- ヨガマットの上に足裏全体を床につけて立ち、両足を揃え、両手は体の横に添える。
- 胸と肩を開き、片足を後ろへ引いてつま先をやや外側へ向ける。
- 両手を左右へ開き、股関節から上体を前傾してねじる。
- 右足の外側に左手を置き、目は右手の先を見る。
- 5回ほど呼吸を繰り返したら元の体勢に戻り、左右を変えて同様に行う。
顎は上げすぎないようにしましょう。手を足の外側へ置くことが難しい場合は、内側に置いても構いません。
ヨガで花粉症のつらい症状を軽減しよう
花粉症は日本人の半分近くが罹患しているアレルギー症で、さまざまなつらい症状があります。
ヨガは自律神経を整え血行を促進し、深い呼吸で気持ちを落ち着けてくれますが、花粉症にも効果的です。ただし症状の緩和は一時的なものであるため、ヨガを継続することがおすすめ。ヨガのポーズに取り組み、少しでもつらさを軽減してくださいね。
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