ヨガの世界にはベジタリアンが多い? その理由とベジタリアンの種類を解説 - NEIGHBORFIT | 運動で心と身体を整える

ヨガの世界にはベジタリアンが多い? その理由とベジタリアンの種類を解説

ヨガ

ヨガを始めると、レッスンの講師や有名なヨギー(ヨガをする人)の中にベジタリアンが多いと感じる方がたくさんいるようです。実際に、ヨガの世界にはベジタリアンやヴィーガンと呼ばれる、菜食主義を貫く方が多いと言われています。

その理由は、ヨガの発祥地であるインドの宗教や、ヨガ特有の事情などが絡んでいるからです。

そこでこの記事では、ヨガの実践者にはなぜベジタリアンが多いのか、その理由や、ベジタリアンの分類・種類について解説します。

生きることは食と切り離せません。自分に合った食生活を選択できるよう、ベジタリアンについて学んでいきましょう。

 

ヨガの実践者にはベジタリアンが多い? その理由とは

ヨガの講師にはベジタリアンであるという方が多数います。しかし、ヨガをするに当たって、菜食主義者にならなくてはならないというルールはありません。当たり前のことですが、どのような食事をするかは人によります。

ヨギー(ヨガをする人)には菜食主義が多いというのは事実ですが、それには以下2つの理由が考えられます。

  • 不殺生の教え
  • 消化にかかる時間

 

不殺生の教え

古代インドで発生したヨガは、元はヒンドゥー教の修行法のひとつとして行われていました。そしてヒンドゥー教では「全生き物に魂がある」との教えや「輪廻転生」の教えなどから殺生を禁じており、基本的には動物のお肉を食べません。

紀元前の昔から、菜食主義を文化としていた国がインドです。そこで生まれたヨガを実践する人には、宗教だけでなく、さまざまな理由でベジタリアンになる方が多いのですね。

ヨガでは「肉を食べるな」という直接的な教えはありませんが、多くの人がヨガをするうえでその哲学を学び、菜食主義を選択しています。

 

消化にかかる時間

ヨギーがベジタリアンになる理由には、消化にかかる時間を減らしたいというものがあります。

肉類は野菜に比べて消化器系への負担が多く、消化のために胃腸はより多くの血液(エネルギー)を必要とする食べ物です。また、野菜に比べると消化にかかる時間も長いという特徴があります。

ヨガの最終目的は瞑想と精神の統一ですが、そのためにはアーサナ(ポーズ)や坐法、呼吸法が大切です。しかし、肉類を食べて消化に時間がかかっている際にはできないアーサナがあります。さらに、ヨガで重視される呼吸法にも「空腹時に行う」というルールを持つものが多く、肉類を食べることによって、単純に修行の効率が悪くなってしまうのです。

ヨガ発祥の地であるインドの伝統医学「アーユルヴェーダ医学」の思想では、消化不良によって蓄積した未消化物が心身のエネルギーバランスを崩し、悪影響を及ぼすと考えられています。これらのことにより、比較的消化をしやすい菜食が、修行者の食べ物として選ばれやすいのです。

 

ベジタリアンの7つの主な種類

一言でベジタリアンと呼んでいますが、実際には複数の種類があります。ここで代表的な以下7つのベジタリアンを紹介しましょう。

  • ヴィーガン
  • オリエンタル・ベジタリアン
  • ラクト・ベジタリアン
  • オボ・ベジタリアン
  • ラクト・オボ・ベジタリアン
  • フルータリアン
  • スードベジタリアン

 

ヴィーガン

ヴィーガンはベジタリアンの一種で、完全菜食主義者のことを指します。別名はピュアベジタリアン。食生活では肉や魚以外にも、卵、はちみつ、乳製品といった動物に関係する食物も口にはしません。

また、彼らは娯楽用の動物使用も拒否します。たとえば、皮革製品を使用せず、動物によってできるシルクやウールなども使用しません。

ただし、ヴィーガンの中には食べるもののみ完全菜食主義者になり、皮製品などの使用は受け入れる「ダイエタリー・ヴィーガン」と呼ばれる人もいます。

 

オリエンタル・ベジタリアン

仏教系の菜食主義者で、ダイエタリーヴィーガンの一種です。動物性食品のほかに、にんにく・らっきょう・にら・ねぎ(もしくはたまねぎ、あるいは浅葱)を食べません。

食用以外の動物利用は避けたり避けなかったりします。

 

ラクト・ベジタリアン

乳菜食主義者のことです。肉や魚、卵は食べませんが、牛乳や牛乳から作られるバターやチーズ、アイスクリームといった乳製品は食べます。

 

オボ・ベジタリアン

卵菜食主義者のことです。野菜や果物と卵を食べますが、卵は無精卵に限るという条件の方々もいます。

 

ラクト・オボ・ベジタリアン

上の2つを掛け合わせた存在で、乳卵菜食主義者のことです。肉や魚は食べませんが、卵や乳製品は口にします。

日本ではベジタリアン文化がさほど進んでいないため、日本人で菜食主義者になるには、このラクト・オボ・ベジタリアンが一番始めやすい形と言われています。

 

フルータリアン

果食主義者のことです。果物常食者で、ダイエタリー・ヴィーガンの一種です。

基本的には果物やトマト、ナッツなど、木に実もので植物の命に関わらない食品のみしか食べません。より厳格な、熟して木から落ちた実しか食べない人もいます。

中には果実に含まれる水分で補い、水も飲まない方もいるようです。

 

スードベジタリアン

動物性の食物の摂取を減らし、限りなく菜食主義に近い人たちのことです。スードベジタリアンはさらに以下に分類できます。

  • ポロタリアン:獣肉は避け鶏肉や魚介類は食べる。
  • ぺスキタリアン:牛・豚・鶏などを避け魚介類・卵・乳製品は食べる。
  • ポロ・ぺスキタリアン:鶏や魚介類のみ食べる。
  • セミ・ベジタリアン(フレキシタリアン):一般人より少ない量の肉を食べる。
  • マクロビオティック:欧米の菜食主義とは異なる思想を持つ(基本的には動物肉・卵・牛乳を不可とするが、陰陽調和の思想によって許容することもある、など)。

 

それぞれに線引きがあり、自分の食生活を決定しています。

 

ヨガ=ベジタリアンではない:食の選択はその人の生き方

ベジタリアンである理由は人によってさまざまであり、万人に共通の正解や不正解はありません。ヨガをしているからといって、ヒンドゥー教の教えに従わなければならないこともありません。お互いの食べ方を尊重し、自分の考えに従うことが大切です。

たとえば、ヨガにはたくさんの流派があります。中でもビクラムヨガやアシュタンガヨガは筋力とスタミナが必要とされるため、ヴィーガン(完全菜食主義者)では体力がもたない可能性もあるでしょう。自分が属するヨガの流派を極めるため、肉食を選ぶ人もいるのです。

どのような食生活を送るかは、自分で決めてかまいません。ヨガの哲学を学ぶうちにベジタリアンになる方はたくさんいますが、ならなくても問題はないと考えましょう。

 

ヨガをする人にベジタリアンが多いのには理由がある

世界ではもともと肉を口にしない地域や文化があるため、移民が多い国ではベジタリアンの考えは浸透しており、食を選ぶ自由もあります。しかし日本では宗教によって肉食が禁じられていませんし、島国であるため、魚介類を伝統的に食べてきた国です。そもそも出汁は魚介類で取ることが多いため、日本で菜食主義を貫くのはハードルが高く、困難なことが多いでしょう。

ヨギーにはベジタリアンが多くいますが、ヨガとベジタリアンは必須の関係ではありません。無理はせず、食事を感謝して食べ、自分の体に合ったものを取り入れるようにしてくださいね。

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