ダイエットを始めて順調に体重が減ってきたと喜んでいたら、あるときから何をしても体重が減らなくなってしまうときが来ます。これが、ダイエットの停滞期です。
停滞期はリバウンドとは異なり、体重が増減しなくなる時期。
ダイエット方法が間違っていたのかと不安になりがちですが、体重が減ったからこそ停滞期が訪れるため、ガッカリする必要はありません。
この記事ではダイエット中の停滞期について、その原因4つや停滞期の開始と終了の見極め方、停滞期を脱出する方法などを解説します。
原因を理解し、自分がすべきことをしっかり行っていきましょう。
目次
ダイエットの停滞期には4つの原因がある
ダイエットの停滞期は、以下4つの原因があると考えられています。
- ホメオスタシス機能の活発化
- 筋肉量の減少による基礎代謝の低下
- ホルモンバランスの変化
- 腸内環境の悪化
ホメオスタシス機能の活発化
ホメオスタシス機能とは、体に異常や変化が起きたときに体を元の状態に戻そうとする働きで、体のバランスを保つ仕組みのことです。
たとえば、人は-10℃の気温のところにいても35℃の気温のところにいても、体温はほとんど変わりませんよね。それはホメオスタシス機能が働いているためです。
常に一定の状態を保とうとするホメオスタシス機能があるため、ダイエットを続けていて順調に体重が減ると、脳はそれを異常と判断します。
そして「飢餓状態から命を守る」ために反応を開始し、消費カロリーを抑えて脂肪や筋肉の減少が最小化するように働き出します。
その結果、小カロリーでも生命活動ができるようにコントロールするため、体重が減らなくなるのです。
筋肉量の減少による基礎代謝の低下
食事制限だけで体重を減らしている場合、摂取カロリーが足りないと脳が判断すると脂肪はキープして筋肉を分解し、エネルギー源へと変え始めます。すると筋肉量が減ったために基礎代謝が低下します。
基礎代謝とは人が生命維持をするために必要な最低限のカロリーのことです。基礎代謝が低下した体は、徐々に痩せにくい体になります。
基礎代謝についてはこちらの記事をどうぞ。
ホルモンバランスの変化
女性はホルモンバランスの影響で、生理の2週間前は妊娠に備えて脂肪や水分を溜めようとするため、体重が増える時期があります。
これは生理の出血による栄養不足を補うためで、人はコントロールできません。
また、ストレスを感じると分泌されるコルチゾールというホルモンは、体に脂肪を溜め込む作用があります。
ダイエットそのものがストレスになっていたり他に強いストレスを感じる原因がある場合、それが原因で痩せにくくなっていると考えられます。
腸内環境の悪化
ダイエットでは食事を制限したり食事内容が偏ったりしがちです。
その結果、腸内環境が乱れ、腸の活動が抑えられて脂肪や糖を燃焼する機能が低下します。
生活習慣によって腸内環境はすぐに変わりますが、腸内環境が乱れていると痩せにくい体になってしまうと覚えておいてくださいね。
ダイエット停滞期の開始と停止
ダイエット停滞期の始まりと終わりは、以下のように考えられます。
開始:体重が落ちなくなったとき
停止:体重が再び減り始めたとき
体重が止まったり落ち始めたりするサインは明確ではないため、日々の体重や体脂肪の変化を記録し、傾向をつかむ必要があります。
停滞期に入るスイッチ
ダイエット中、ホメオスタシス機能にスイッチが入るときは、1カ月に体重が5%以上減ったときと言われています。
たとえば50㎏の方であれば、1カ月に2.5㎏以上の体重減少が目安です。1カ月に3㎏減ると嬉しいですが、そのとき頭は「飢餓状態」と認識し、飢餓に備えて体はエネルギーを節約するようになります。
ただし、この数値はあくまでも目安です。ホメオスタシス機能は個人差があるため、人によってはそこまで急に体重を減らしていないのに停滞期に入るという場合があります。
停滞期は何度も発生する
停滞期の平均は1カ月前後と言われています。
そして、一度抜けたらそれで終わりではなく、何度でも発生します。ダイエットは減量期と停滞期の繰り返しですので、前述したように体重の変化グラフを作りチェックすることがおすすめです。
体重が下がっては1カ月前後減りが止まり、また少し下がってまた止まり、となるグラフを見ると、結果に焦ったりダイエットのモチベーションが低下したりせず「こういうものだ」と思えるようになるでしょう。
ダイエットの停滞期を脱出する4つの方法
停滞期は繰り返すものですが、やはりできるだけ早く脱出したいと願う方は多いでしょう。
停滞期を少しでも早く脱出するためには、以下4つの方法があります。
- 停滞前と同じダイエットを継続する
- 体重だけでなく体脂肪の動きもチェックする
- 筋トレと有酸素運動を行う
- チートデイを取り入れる
停滞前と同じダイエットを継続する
体重が減らないことに焦って筋トレや有酸素運動を減らしたり、食事制限をかけてしまったりすると、返ってホメオスタシス機能を活発化させてしまいます。
淡々と、今までと同じダイエットメニューを繰り返しましょう。体重が減ったということはダイエットが成功していると考えられますので、焦る必要はありません。
「体重が減った今の状態がデフォルトである」と脳に認識させるためには、今まで通りの運動や食事管理を続けることが大切です。
体重だけでなく体脂肪の動きもチェックする
筋肉の方が脂肪と比べて重いため、脂肪が減っていても筋肉が増えていると体重は減りません。しかし筋肉量が増えることで基礎代謝が上がり「痩せやすい体」にはなっています。
そのため、体重ばかりではなく体脂肪率も同時にチェックして変化グラフを作ることがおすすめです。体重は減っていなくても筋肉量が増えているのであれば、ダイエットは成功ですし、グラフがあれば減量期と停滞期のペースもわかるようになります。
筋トレと有酸素運動を行う
ダイエットでは「食事制限」ではなく「食事管理」を行い、必要な栄養はしっかり摂りましょう。
また、運動は筋肉を作るための筋トレと脂肪を燃やすための有酸素運動をバランスよく取り入れることが重要です。
ダイエットによって筋肉が減ってしまえば、基礎代謝が下がります。基礎代謝が下がった状態で食事の量を戻すと、エネルギーが消費しきれないためリバウンドする可能性が高くなってしまいます。
筋トレと有酸素運動についてはこちらの記事をどうぞ。
チートデイを取り入れる
チートデイはダイエット中に敢えて必要以上のカロリーを摂取する日のこと。ホメオスタシス機能が過剰に働くのを防止できます。
ただし、チートデイは暴飲暴食ができる日というわけではありません。違いは普段より炭水化物をしっかり食べられるという程度であり、栄養バランスが取れている食事を3食取ることが大事です。
チートデイについてはこちらの記事をどうぞ。
ダイエット停滞期は恐れるものでなし! チャンスととらえ焦らずにダイエットを続けよう
ダイエットに励んでいるのにいきなり体重の減りがストップしてしまえば、誰でも不安になりうんざりもしますよね。しかし、停滞期が来たということは、それまでにしっかり体重が減少しているということです。つまり、それまでのダイエット方法は成功していると考えられます。
ダイエットでは食事管理と運動による筋肉量の維持、体脂肪の燃焼が大切です。焦らず、じっくりダイエットに取り組んでくださいね。