- 子どもの自主性について
- 自主性と主体性の違いについて
- 自主性を育む方法と必要性について
自主性のある子供に育ってほしいと願う親御様はたくさんいるかと思います。
ですが、実際には「どれだけ言っても勉強しない」や「ちっとも部屋を片付けない」と子どもの自主性の無さに頭を悩ませている方も多いでしょう。
しかしそれは、親の子どもへの接し方にも原因があるかもしれません。子どもにとって身近で世話をしてくれる親は大きな存在です。
その親の子どもへの接し方によって、子どもの性質や行動は大きく変化します。
この記事では、自主性とは何か、主体性とは何が異なるのか、そして子供に自主性が必要な理由と、子供の自主性を育てるために大切にしたいことなどを解説します。
目次
自主性と主体性の違い
自主性とは自分に与えられた役割や「やるべきこと」を率先して行う性質を指します。
たとえば宿題や家事のお手伝い、部屋の片づけ、クラスの係などを自ら率先して行うといったことです。
自主性を持った子供は親や教師など周囲の人に何かを言われる前に行動ができるため、お互いにストレスがない状態をキープできます。
また、子供に必要だと言われる性質は自主性とともに「主体性」もあります。
主体性とは
主体性とは自分の判断にもとづき、自分が責任を負って行動できる性質です。
たとえば、自分の夢をかなえるために、どの学校の何の学部に通うかを自分で調べ、入学に向けてどのような受験勉強が必要なのか自分で考えて計画し、行動するようなことです。
自主性と主体性の違いは、やるべきことを決めるのが第三者なのか、それとも自分自身なのかという観点が大きく異なる点です。
自主性や主体性を持って行動することは非常に良いことですが、もちろん上手くいかないこともあります。
ですが、上手くいってもいかなくても、人間性が大きく成長する可能性を秘めており、
▼目標を可視化するマンダラチャートについて以下の記事で詳しく解説しています。
なぜ自主性を育む必要があるのか
子供の自主性を育むことが大切な理由は、以下の3つがあります。
- 自己主張できるようになるため
- 自分を適切に管理できるようになるため
- 情報化社会に対応するため
自己主張できるようになるため
自主性が養われると、子供は自己主張をしやすくなります。
周囲から何かを言われてから動くことが少なくなるため、叱られたり注意されたりといった経験が少なく、むしろ褒められることが多いことから自尊心が高まる傾向があります。
そのため、自主性を持つ子どもは周囲から信頼を得られやすく、自己主張を否定されることも少なくなり、信頼され何事にも任しやすい印象を与えます。
しかし、自主性のない人は自己主張が上手くできにくくなってしまうことから、「言われたことしかしない」「ルールや決まり事を守れない」「言い訳ばかりをするといった」印象を持たれる傾向があり、周囲に不安や迷惑をかけてしまうこともあります。
自分の感情やストレスを適切に管理できるようになるため
自主性が高い子供は、自分を律してすべきことを優先できます。
ゲームなどで遊んでいても時間がくればやめて宿題ができたり、やる気がないときでもなんとか物事を終わらせようと努力したりします。
それは、強い精神力を養っていることと同じです。翌日のために早めに寝ようと考えるなど、自分を適切に管理できる能力は、子供自身をストレスから守ることにつながります。
参考サイト:自主性がない子どもは将来どうなる? 自主性を高める方法とは|こどもまなびラボ
情報化社会に対応するため
さまざまなもののデジタル化やAIの進化が目覚ましく進む情報社会の現代では、言われたことしかやらない人材や、言われるまで気づけない人材は、会社にとって不要な人物となると予想されます。
指示を待っいるだけの人材はロボットと同じと判断されてしまうかもしれません。
自分の役割を理解し、頭で考えて率先して動ける人材は、ますます重宝されるようになるかもしれません。必要とされる人材になるためには、自主性はぜひ育みたい項目と言えるかもしれません。
子供の自主性を育むために親が大切にしたい6つのこと
子供の自主性を育むため、重要だと考えられるのは以下のことです。
- 自分で考えてみるように促す
- まずは子供の考えを聴く
- 指導者でなく理解者になる
- 見守りと放任を一緒にしない
- 失敗を恐れたり怒ったりしない
- ひとつのことにこだわらない
自分で考えてみるように促す
トラブルや困難にぶつかったとき、親は「どうしたらいいかな?」「〇〇くん / ちゃんはどう思う?」などを子どもげ問いかけて自分で考えるように促しましょう。
子供が自分で状況を判断し、考えて「解決方法」を導きだすようにサポートしてください。
たとえば、絵の具を使って絵を描いていた時に来ていたTシャツと床を汚してしまった場合、「どうしようか?」と優しく聞いてみましょう。
「服を着替える」「床を掃除する」「親に助けを求める」「床を汚したことを謝る」など、子どもによって考えは異なります。
子供に一度落ち着いて考えさせ、その後で「床を一緒に片付けて、服を着替えようか」と提案し、掃除のやり方や洗濯機に持っていったり、操作を見せるようにする、といった流れです。
まずは子どもの考えを聴く
何かを始める前に「こうしたらいい」とか「あれを使おう」などといったアドバイスや答えを言わないようにしましょう。
子供が動く前に親が先に口出しをすると失敗は減りますが、その分、子供が成長する機会が失われてしまいます。
指導者でなく理解者になる
親や周囲の大人が指導ばかりすると、子供は自分で考えようとしなくなります。
そのため、大人は子供の指導者ではなく理解者になることが重要です。子供の意見を聞き、希望を聞き、否定はしないようにしましょう。
親が「それはダメ」と考えることも、一度は「君はそう考えたんだね」と受け入れ、そのうえでなぜ自分が別の方法を提案するのかを説明しましょう。
見守りと放任を一緒にしない
子供にあれこれ口出しをしないことを「見守っている」と認識している親や大人はたくさんいますが、口出ししないこと=見守っているではありません。
中には、放置や放任が見守ることと同じであると勘違いしている人もいます。
子供は年齢が低いうちは本能のままに動くことが多く、楽な方や楽しい方へと流される生き物です。
そのため、まだ小さいうちは親や周囲の大人がしっかり行動の良し悪しを教え、子供がルールに則って行動できるようにしなければなりません。
つまり、親は子供ときちんと向き合う必要があります。
のびのびと育てたいと放任や放置をすると、身につくのは自分勝手な思考だけです。
子供がやりたがることは頭ごなしに否定する必要はありませんが、まずは他人に迷惑を与えていないか、子供に危険が及ばないかの観察は必要です。
そのうえで、手出しは我慢して見守ることを意識しましょう。
失敗を恐れたり怒ったりしない
子どもの失敗=自分の評価の低下と考える人は、子供の失敗を恐れる傾向にあります。
しかし、失敗はすればするほど成功の可能性を高めるうえに、人間性を優しく強くします。
テストでの失敗や習い事の挫折など、ネガティブな面ばかりにフォーカスして怒るのではなく、次はどうすればいいかと一緒に考えてみることが大切です。
ひとつのことにこだわらない
子供は好奇心の塊です。
そのため多くの場合、子供の興味は頻繁に移り変わります。
ひとつのことを継続できる力が素晴らしいものであるのは間違いありません。
しかし、子供が既に興味を失っていることを「継続が大切だから」と無理やりさせることは、人格形成のうえでもデメリットしかないと理解しておきましょう。
子供の自主性を育もう! 親や周囲の大人ができること
子供の幸せを考えたとき、理不尽な世の中でいかに自分の感情をコントロールし、無駄な叱責をされずに自己肯定感を高く保って生きていけるか、少々のストレスではくじけない精神力を養えるかが、とても重要です。
そのために必要なのは、まずは第三者が決めたルールを率先して守り行動できる「自主性」、そして自分の頭で考えて行動し、自分で責任を負える「主体性」の2つです。
自主性を育めるかどうかは、周囲にいる親や大人の接し方が大きく影響します。日ごろから子供が自分で考えて行動する機会を設け、子供の個性を尊重するように意識してみましょう。
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