これから運動を習慣化しようとする方で『まずはストレッチからはじめよう!』や『健康のためにストレッチしよう!』 と考える方も多いのではないでしょうか。
ストレッチは多くの方がご存知の通り、筋肉などの筋繊維や筋を伸ばし、縮んで固まった関節などを伸ばすしたりほぐす行為を指します。ぐーっと体を伸ばすと引っ張られる感覚になり程よく伸ばすと気持ち良いですし、気分転換にもなります。
しかし、具体的にストレッチには筋繊維や筋を伸ばす以外にどのような効果があるか知らない方も多いのではないでしょうか。 また、どの程度の頻度でストレッチおこなったら良いのか、どのようなストレッチが自分に向いているのかなどがわからずに、とりあえずストレッチをしている方もいるでしょう。
この記事では、ストレッチの具体的な効果とおすすめのストレッチメニュー、そしてストレッチをするときの注意点を解説します。ストレッチの効果を知ってモチベーションを上げて、楽しく取り組んで運動習慣を身につけていきましょう!
目次
ストレッチは毎日やってOK! ストレッチで得られる5つの効果とは
ストレッチは準備運動としておこなわれることが多く、特別な道具は不要でスペースさえあれば気軽に取り組める運動のため多くの方が日常生活の中で取り入れています。
静かな動作で筋肉を伸ばすストレッチは筋肉への負荷が軽いため、毎日おこなっても問題ありません。
ただし、毎日取り組むには正しい方法とモチベーションの維持が必要ですね。まずはモチベーションを上げるために、ストレッチで得られる代表的な5つの効果についてみていきましょう。
- 柔軟性の向上
- 血行促進
- 重さや痛みの軽減
- 疲労回復
- ストレスの発散
柔軟性の向上
多くの方がご存知の通り、ストレッチで関節や筋肉を伸ばすと関節の可動域が広がり、体の柔軟性が高まります。
長時間同じ姿勢でいることで縮まって硬くなった筋肉がほぐれ、軽く動かせるようになります。
デスクワークをされている方の場合は腰や肩の筋肉が固まりがちになりますので、定期的に伸びをしたり椅子から立ち上がって少し体を動かしたりすることで筋肉の効力を緩和できます。
血行促進
ストレッチで筋肉を時間をかけてじっくりと伸ばすことにより、血流を促進することができます。
血行が促進される理由はストレッチで筋肉を伸ばすことにより、一時的に血管がの直径が小さくなり、その影響で血管内が圧迫され虚血状態(血流量の減少)が起きるためです。
虚血状態が起きると、体は自然と血流を加速させるリバウンド現象が起こります。このリバウンド現象によってストレッチ前より血流速度が向上し、勢いよく血が流れ始めるため血のめぐりが良くなります。
肩・腰・首・膝などの重さや痛みの軽減
筋肉がしっかり伸ばされると血流が促進されることで、肩や腰、首、膝などの重さや痛み、コリの緩和が期待できます。
重さや痛みは「筋肉のコリ」と呼ばれますが、原因は主に血行不良による筋肉の緊張です。筋肉の硬直は先述したように、長時間同じ姿勢をしていることや、運動不足による筋肉の収縮や硬直のため、コリを感じる箇所の筋肉をやさしくストレッチでしっかり伸ばしましょう。
血行が促進されることで、身体に満遍なく栄養素や酸素を供給する上に、老廃物の排出を促す効果も期待できますのでコリ以外にも美容や健康に大きな効果が見込めます。
疲労回復
私たちが『疲れたなあ』と感じるとき、筋肉には疲労物質である「乳酸」が溜まっています。
乳酸が溜まっている状態なのに血流が良くないと、乳酸は老廃物などと一緒に排出されずに体に残ってしまい、体調不調を引き起こしてしまう可能性を高めます。
先述したように、ストレッチで血流が促進されると乳酸や老廃物が流れて排出されやすくなるうえに、酸素や栄養素が隅々まで行き渡るため疲労回復が期待できます。
ストレスの発散
ストレスの発散には心身をリラックスさせつことが一番ですが、最近ではストレッチをおこなうことでリラクゼーション効果が得られると明らかになりました。
30分程度の時間をかけて、全身の筋肉をストレッチすることで副交感神経が有意に変わります。つまり、ストレッチすることで、心身が休息モードに入りストレスを開放する他に疲労回復などの効果を生み出します。
また、ストレッチ以外で負荷が軽い運動することで、脳内では幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌が促進されます。セロトニンはホルモンの一種で精神を安定させる働きがあり、ストレス軽減に効果的です。
参考サイト:e-ヘルスネット「ストレッチングの効果」
自宅で簡単! いつでも取り組めるおすすめ部位別ストレッチ
自宅でできるうえ、簡単なので取り組みやすい、部位別ストレッチ方法を紹介しましょう。それぞれの部位の筋肉を伸ばす目的は、以下の通りです。
- 首:首コリに
- 肩回り:肩コリに
- 骨盤周辺:骨盤のゆがみに
- 胸:呼吸を深くするために
- 太もも:一日の疲れをいやすために
首のストレッチ
首をストレッチして首の横をほぐし、コリを楽にしていきましょう。
【首のストレッチ方法】
- 床の上にあぐらをかくか、椅子の上に背筋を伸ばして座る。
- 右手を左のこめかみに添え、息を吐きながら顔を右へゆっくりと倒す。
- 息を吸いながら顔と手を元に戻す。
- 反対側も同様に行う。
注意点は、左右に顔を倒して首を伸ばしているとき、手と肩の力を抜くことです。右手で顔を右へ倒しているときは、左肩の力を意識して抜きましょう。
肩周りのストレッチ
肩コリに悩む方は、仕事や勉強、作業の休憩時間などにこのストレッチをやるようにしてください。肩甲骨周辺を刺激してほぐし、肩コリを軽減します。
【肩周りのストレッチ方法】
- 床の上にあぐらをかくか、椅子の上に背筋を伸ばして座る。
- 右手を上げ、頭の後ろから左肩のほうへ右肘から先を下ろす。
- 左手を上げて右の肘に添える。
- 息を吐きながら、ゆっくりと左手で右ひじを左へと引っ張るイメージで押す。
- 息を吸いながら戻り、反対側も同様に行う。
じっくりと肘を引き寄せつつ押し、肩甲骨の伸びを感じましょう。下半身はできるだけ動かさないようにしてください。
骨盤周辺のストレッチ
骨盤は普段の姿勢によって正しい位置からずれてしまいます。椅子に座ったままでできる骨盤矯正と股関節周辺のストレッチで、ゆっくり位置を正しながらほぐしましょう。
【骨盤周辺のストレッチ方法】
- 椅子に座って背筋を伸ばし、骨盤の幅に両足を開く。
- 股関節を軸にして、右足を内側から外側へと10周回す。
- 反対側も同様に行う。
呼吸は止めないように意識して、ゆっくりと足を回しましょう。
胸のストレッチ
胸の大胸筋という大きな筋肉は、肩や腕とつながっているため、ここが硬いと上半身の大部分に影響します。大胸筋をストレッチすることは姿勢改善にもつながるため、猫背を指摘されたことがある方は積極的に取り組みましょう。
【胸のストレッチ方法】
- 背筋を伸ばして立って両腕を背中の後ろに回し、手のひらを合わせて組む。
- 後ろで組んだ手を斜め下へ向かって引っ張る。
- 気持ちよく胸が伸びているのを感じた位置で、30秒ほどキープする。
手を後ろで組むときには、肩甲骨を背中の真ん中へ寄せるイメージで行います。息をしっかり吸い、胸を膨らませながら腕を引きましょう。
太もものストレッチ
太ももの前にあるのは「大腿四頭筋」です。ここをほぐすと反り腰やむくみ、冷え性の改善にも効果的。歩行や立ち上がり時にスムーズに動けるようにもなるため、毎日取り組みましょう。
【太もものストレッチ方法】
- 背筋を伸ばしてまっすぐに立つ。
- バランスを取るため、壁や台などに手をついて支える。
- 右膝から下を後ろへ上げ、右手で右足首をつかむ。
- 右足のかかとをお尻へつけるように引き寄せながら30秒キープ。
- ゆっくりと元へ戻し、反対側も同様に行う。
ストレッチ中、息を止めないように注意し、気持ちよく伸ばしてください。
ストレッチの注意点
前述した通り、ストレッチは負荷が小さいため毎日行っても大丈夫です。
しかし、より効果的にストレッチができるように、守ってほしい注意点が4つあります。
- 部位を変える
- 呼吸を止めない
- 無理をしない
- 食後は控える
まったく動かないことに比べると、ストレッチは筋肉を少々でも刺激するため、気になる方は毎日伸ばす部位を変えて取り組みましょう。
また、ストレッチ中は呼吸を止めないことが大切です。呼吸を止めると酸素が足りなくなり、筋肉が緊張して伸びにくくなります。
そして、無理は禁物です。筋肉は痛みを感じると伸張反射が働き、返って硬直する可能性があります。痛みを感じるまで頑張る必要はありません。
また、ストレッチは基本的にいつ取り組んでも良いとされていますが、食後はなるべく避けましょう。
食後は消化を優先するため、消化器官に血液を集める必要があります。しかしそのときにストレッチで血行促進をしてしまうと血液が全身をめぐってしまい、必要な血液が消化器官に集まらず、消化不良を起こす恐れがあります。
ストレッチでのびのびと! 多くの効果を手にしよう
ストレッチには多くの健康的効果があります。日常生活では体を動かすパターンが決まりがちなため、ストレッチで全身の筋肉を刺激し、血流を促進することがおすすめです。
毎日好きなタイミングでストレッチに取り組んで、コリや重さから全身を解放しましょう。
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