大人が悩む体の不調の代表的な症状のひとつが、肩こりです。最近ではテレワークが一般化し始めたことにより、通勤時間が短縮された代わりに運動量が減っているオフィスワーカーも増え、運動不足により肩こりなど体調が悪化したという声も散見されますよね。
今回は、肩こりに効果的なストレッチやヨガのポーズを紹介します。椅子に座ったままでもできるストレッチを紹介しますので、ぜひ会社や自宅での隙間時間に試してみてください。
▼ヨガとストレッチの違いについては以下の記事で解説しています。
目次
簡単なのに肩こりに効果的! 椅子に座ったままでできるストレッチ方法4選
ストレッチをするとなると、いちいち立ち上がったりストレッチをするスペースを確保する必要がありますので、面倒だなあという気持ちになり億劫になってしまうこともありますよね。
そこで、出先や会社でも椅子に座ったままできる、肩こりに効果的なストレッチを4つ紹介します。
- 首のストレッチ
- 肩入れのストレッチ
- タオル引きのストレッチ
- 肩甲骨はがし
首のストレッチ
首は無数の細い筋肉で頭を支えています。集中してデスクワークをしているとしばしば、前のめりの姿勢でモニターやパソコンを覗き込んでしまい、ストレートネックになりがちなのです。
ストレートネックになってしまうと首は普段よりも疲労感を感じやすくなり、血行も悪くなることで首こりになりやすくなるもの。じっくり伸ばす静的ストレッチで、首の筋肉を緩めましょう。
首のストレッチのやり方
- 椅子の真ん中に座り背もたれにもたれかかり、両足を肩幅よりも少し大きめに開く。
- 右手を頭の上から左耳の後ろに回し、後頭部を優しくつかむようにして右前へ頭を引き下げる。
- 目は右の膝あたりを見る。
- 首の左後ろ側が伸びていることを感じながら10秒キープする。
- 手を放して頭を戻し、左右を入れ替えて同様に行う。
頭を傾けるときに、背中を丸めないようにしましょう。背中は伸ばしたまま、重力に従って頭だけが落ちるようなイメージで前へ倒します。
肩入れのストレッチ
肩こりと大きく関係のある筋肉は、首から肩甲骨にかけてのびる僧帽筋のという筋肉で、その僧帽筋に問題があると痛みや倦怠感などの肩こりの症状を来します。
この僧帽筋の中部・下部をストレッチで伸ばすことで、血流を改善し肩こりの改善にアプローチすることができます。
肩入れストレッチの方法は以下となります。
肩入れストレッチのやり方
- 椅子に背筋を伸ばして座り、両太ももの上に両手をのせる。
- 息を吐きながら背中を丸め、左肩を前へ押し出しながら上半身をひねる。
- そのまま20秒キープする。
- 息を吸いながら元の姿勢に戻る。
- 左右を入れ替えて同様に行う。
肩を前へ出す際に背中を丸めることで、肩甲骨が外転して前へ出やすくなります。痛みがある場合には無理に押し出さないようにしましょう。
タオル引きのストレッチ
長めのタオルを足に引っ掛け、椅子に座ったままで背中を伸ばすストレッチです。
タオル引きのストレッチのやり方は以下です。
タオル引きのストレッチのやり方
- タオルを1枚用意して、椅子に浅めに座る。
- 両足を揃えて足裏にタオルをひっかけ、両手でタオルの端を持つ。
- 両足を伸ばして背中を丸め、タオルを引っ張りながら体重を後ろにかける。
- 肩甲骨の間を伸ばすように意識しながら20秒キープする。
- 手を緩めてタオルを離し、元に戻す。
タオルを引っ張りながら、肩甲骨を伸ばしていきます。無理に引っ張ることはせず、心地の良い伸びを感じるところまで伸ばしてキープしましょう。
キープする時間は15~20秒ほどを目安に、ストレッチの際は呼吸は止めずにゆっくり深呼吸しながら続けましょう。
肩甲骨はがし
肩こりに効果的で凝り固まった肩甲骨の柔軟性を高めることで有名な『肩甲骨はがし』の1つの方法を紹介します。このストレッチは肩甲骨周辺の筋肉だけではなく、首周辺の筋肉も和らげます。
すでに肩こりがひどい方はこの動作で痛みを感じる場合があります。その場合は無理にストレッチをせずに可動範囲内で優しくゆっくり動かしていきましょう。
肩甲骨はがしのやり方
- 椅子に背筋を伸ばして座り、両肩にそれぞれの手をのせる。
- 肘で大きな円を描くように、前から後ろへと回す。
- 30回続ける。
- 続けて逆回転で30回続けて回す。
肩甲骨を動かすように意識しながら、肘を大きく回しましょう。
ストレッチ中に骨がゴリゴリ鳴ることがありますが、痛みがなければ問題はありません。ただ動作中に骨が鳴ってしまう理由は『関節をつなぐ筋肉のバランスが悪くなっている』『筋肉が固まってしまい動作中に引っ張られて骨と筋肉が擦れている』ということが考えられます。
骨がなること自体はそれほど悪くはありませんが、気になる方は整体院などで体のバランスを見てもらうことも肩こりの改善につながります。
自宅でじっくり伸ばす! 肩こり改善のヨガポーズ2選
筋肉の柔軟性を高め呼吸も整える効果がある、ヨガの肩周辺をほぐすポーズも紹介します。自宅でじっくり筋肉を伸ばし、血行を促進して心身をケアしましょう。
- ゴムカーサナ(牛の顔のポーズ)
- パリヴリッタ・バラ・アーサナ(針の糸通しのポーズ)
ゴムカーサナ(牛の顔のポーズ)
ゴムカーサナは日本語で「牛の顔のポーズ」とも呼ばれるもの。肩を柔らかくほぐすだけでなく、二の腕の引き締めにも効果的です。
ゴムカーサナ(牛の顔のポーズ)のやり方
- 床の上で背筋を伸ばして座り、胡坐をかくように折った右膝の上に左膝の裏側がくるように両足を重ねる。
- 左足のかかとは右側のお尻に、右足のかかとは左側のお尻にできるだけ寄せるようにする。
- 右腕を上へ伸ばして耳にくっつけるようにしたら、肘から先を頭の後ろで折り曲げて垂らす。
- 左手は背中に回し、右手の指先をつかむ。
- その状態でゆっくりと呼吸を繰り返しながら30秒ほどキープする。
- 左右を反対にして同様に行う。
上の肘は天井に、下の肘は床にそれぞれ引っ張られるようなイメージで、気持ちよく伸ばします。背中で指がつかなければできる限りで構いません。
パリヴリッタ・バラ・アーサナ(針の糸通しのポーズ)
パリヴリッタ・バラ・アーサナは日本語で「針の糸通しのポーズ」と呼ばれるものです。肩の筋肉をしっかり伸ばしましょう。
パリヴリッタ・バラ・アーサナ(針の糸通しのポーズ)のやり方
- 膝を腰幅に開いて四つん這いの姿勢になる。
- 左手は手のひらを上へ向けたまま右手の下に通して右へ伸ばし、左肩を床につけ、顔も右側に向けて左のこめかみを床につける。
- 右手は手のひらを下に向けたままで真直ぐに前へ滑らせながら、上半身を倒す。
- 両肩がじっくりと伸ばされていくのを感じながら、そのままキープする。
- 姿勢を戻したら、左右の腕を入れ替えて同様に行う。
普段あまり伸ばさない方向へ両肩を伸ばすことで、背中から肩までの筋肉をほぐせます。もし首や腰が痛む肩は、無理せずにやめるようにしましょう。
さらに以下では多くのヨガのポーズを紹介しておりますので、ぜひご参考ください!
肩こりの4大原因とその予防法
酷い肩こりになると頭痛や吐き気まで伴うことがありますが、そもそも肩こりの原因には何があるでしょうか。肩こりを予防するには、その原因を作らないことが大切ですよね。
以下が、肩こりの4大原因と言われています。
- 同じ姿勢
- 眼精疲労
- ストレス
- 運動不足
「同じ姿勢」と「眼精疲労」の2つは、主に長時間のデスクワークで発生します。一度仕事を始めたら、通常、なかなか立って歩くことはありません。そのため筋肉が固まって、血流も悪くなってしまいます。その箇所が「こり」となって現れるのです。
また、ストレスと運動不足は生活習慣が関係しています。溜めたストレスを発散することも固まった体を解きほぐすことも運動が効果的ですが、疲れから体を動かす気になれないという方も多いでしょう。
いずれの原因も、肩周辺の筋肉の緊張と血行不良を引き起こすもと。つまり、そうならないようにすることで肩こりは予防できます。
肩こりを予防するのはこまめなストレッチと週に2~3回の運動
「こり」がある部分は血流が悪くなり、新鮮な酸素や栄養分が伝わりにくくなっています。それを改善するために、ストレッチや適度な運動が必要です。
仕事中は気づいたらストレッチをする、できるだけエレベーターや車などを使わずに自分の足で歩くなど、毎日の生活でできることを取り入れてみましょう。
休日や仕事が終わってからは、ウォーキングや縄跳び、筋トレなどの運動や、軽いスポーツなどをすることがおすすめです。週に2、3回のペースで運動を取り入れるようにすると、肩こりに悩まされる回数はかなり軽減するでしょう。
肩こり解消にはマメなストレッチが有効! 痛みが出るまでに肩を動かそう
こりかたまった筋肉をほぐし、血のめぐりをよくすることで肩こりは改善できます。そのために、ストレッチをしてじっくりと筋肉を伸ばすようにしましょう。
長時間同じ姿勢にならないように、仕事中でもこまめに首や肩、腕などを動かしてください。気持ちもリフレッシュできるため、仕事によるストレスも溜まりにくくなることが期待できます。
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