この記事でわかること
- 赤ちゃん返りについて
- 赤ちゃん返りが起こりやすい状況と原因
- 赤ちゃん返りした子どもへの対応方法
成長していた子どもが、あるときから赤ちゃんのような態度・行動をとりだすようになったら、それは「赤ちゃん返り」です。
わがままが増えて手がかかるようになるため、親にとっては大変なもの。
しかし、赤ちゃん返りはまだ未熟な幼児ができる、精一杯の表現方法なのです。
この記事では赤ちゃん返りとは何か、どのようなときに起こりやすく、親はどのように対応する方がよいかについて解説します。
できるだけストレスなくこの難しい時期を乗り越えられるよう、参考にしてくださいね。
目次
赤ちゃん返りとは?
赤ちゃん返りとは、子どもが赤ちゃんのような行動をとることです。
2歳や3歳ころの幼児に見られることが多いのですが、個人差があるため、環境によってはもう少し遅いときもあります。
今まで一人でできていたことをしなくなったり、言葉遣いが幼児的になったり、甘えん坊になったり、わがままになったりします。
大人にとっては不安を感じる赤ちゃん返りですが、これは発達の過程のひとつですので、多くの子どもが通る道です。
また赤ちゃん返りは一時的なことでもあるため、過度に心配したり不安に感じたりしないようにしましょう。
赤ちゃん返りが起こりやすい状況
以下は、赤ちゃん返りが起こりやすい状況です。
赤ちゃん返りが起こりやすい状況
- お母さんが妊娠したとき
- きょうだいが生まれたとき
- 生活環境が変化したとき
いずれも家庭や自分を取り巻く周囲の環境が変化したときに赤ちゃん返りをしやすくなります。
お母さんが妊娠して悪阻があり、子どものお世話に手が回らなくなったり抱っこができなくなったりすると、子どもは突き放されたように感じます。
また、きょうだいが生まれたときなどは親の愛情が下の子に向いたと感じることで、ほとんどの子どもが赤ちゃん返りを起こします。
一人っ子の場合でも、親が仕事に復帰したり、引っ越しをしたときなどに不安を感じやすくなるでしょう。
赤ちゃん返りした子どもに対して親がとってはいけない対応とは
子どもが赤ちゃん返りを起こした際、親がとってはいけない対応は「感情的に怒る」と「突き放す」ことです。
わがままに疲れて「いい加減にしなさい!」と感情的に怒ってしまうと、子どもは自分のことが嫌いなのだと感じ、本能的な生命危機感からより赤ちゃん返りをエスカレートさせます。
また、赤ちゃん返りは何もできないころに戻ることによって保護者の愛を確かめる行為です。
そのため、親が突き放したり拒否したりすると、子どもの心を深く傷つけます。
子どもの自己肯定感を下げる原因にもなりますので、注意するようにしましょう。
赤ちゃん返りに悩む親へおすすめする心構え
子どもの赤ちゃん返りに振り回されて疲れ切ってしまう方は、赤ちゃん返りは子どもの成長の過程のひとつだと考えるようにしてみましょう。
そういう時期なのだと割り切ることで接し方が少しでも変わるかもしれません。赤ちゃん返りは、子どもにとって「自分は愛されている」という自己肯定感を得るための方法です。
基本的に赤ちゃん返りは子どもの寂しい気持ちから発生するものであり、大人を困らせようと思ってやっているわけではありません。
抱っこして! などの甘えも、もう大きくて重いのにと考えるとイライラしてしまいますが「抱っこができる、抱っこさせてもらえるのは今このときだけ」と考えるようにしてみてください。
子どもが小学生になり体が大きくなってしまえば、親が抱っこをしたいと願っても二度とできないことなのです。また、親も気分転換の時間を持ち、心身を癒すことが大切です。
好きなテレビをみる、本を読むといった家にいてできることをしたり、家族や行政の子育てサポートなど、周りを頼り、一人の時間も作るようにしてみましょう。
ストレスを発散し、心に余裕を持つことで、赤ちゃん返りの時期を乗り切ってくださいね。
赤ちゃん返りへの対応法:①行動を促す声掛け
子どもが赤ちゃん返りをしているとき、親が心がけるべき対応をみていきましょう。
まずは行動を促す声掛けについてです。
何でも「嫌!」への声掛け
赤ちゃん返りを起こすと、子どもは何に対しても「嫌!」とだだをこねます。
そんなときは、敢えて優しく認めてみてください。
「ご飯食べない!」なら「食べなくていいよー」
「お着換えしない!」なら「お着換えしなくていいよー」
「靴を履かない!」なら「靴は履かなくてもいいよー」
といった感じで、子どもの「嫌」を肯定します。
突き放したり呆れたといった感じではなく、あくまでも優しく「うんうん、そうかそうか」という雰囲気でいうことがポイントです。
嫌が認められてしまうと、多くの場合、子どもは「やっぱりやる!」になるというのは、多数の保育士さんが述べています。
何でも「やって!」への声掛け
子どもが甘えて、自分でできることも「やって」と言ってくる場合は、
「ママも自分の靴下はくから、〇〇ちゃんもやってみない?〇〇ちゃんが靴下をはいているところが見たいなー」や、
「こっちはママがするからこっちは〇〇くんがしてみてね」などの声掛けがおすすめです。
子どもがやる気を出して何かをできたときは、オーバー気味に褒めるようにしましょう。
「お母さん助かる〜」と嬉しそうに言うことで、子どもの肯定感も上がります。
赤ちゃん返りへの対応法:②わがままへの対応
子どものわがままが度が過ぎるといったときの対処法では、
「子どもが満足するまでとことんやらせる」と「できる限りスキンシップを増やす」ことがおすすめです。
子どもが満足するまでとことんやらせる
気持ちに余裕があるときは、徹底的にやらせてみてください。
たとえば子どもがコップではなく哺乳瓶で牛乳を飲むと言い出したら、本人が満足するまで哺乳瓶で飲ませましょう。
季節の違う服を着たいといったら、満足するまで着させます。オムツをはきたいといったら、はかせてください。
多くの場合、認められたことに満足してやらないか、しばらく続けると自分で自分の行動が恥ずかしくなってやめてしまいます。
できる限りスキンシップを増やす
寂しい気持ちを解消させるため、子どもとのスキンシップを積極的に増やしてみましょう。
抱っこ!とせがまれたら、できるだけ抱っこをするようにします。
しかし、下の子を抱っこしている、両手に荷物を持っているなど、物理的に困難、または気持ちが疲れてイライラしているときもあるでしょう。
そのようなときは、座って膝の上に子どもをのせたり、子どもと目線の高さを合わせて頭をなでたりといったスキンシップも効果的です。
また、今はどうしても難しいというときに子どもにそう話した場合、子どもが我慢できたら感謝の気持ちを伝えるようにしてくださいね。
助かった、嬉しかった、ありがとうと子どもへの気持ちを伝えることで、子どもも親と同じように満たされやすくなります。
赤ちゃん返りの期間は? 子どもによってはないこともある?
赤ちゃん返りは2歳から3歳程度の子どもによく見られ、個人差はありますが、数週間から数カ月で落ち着いてきます。
4歳ごろになると精神的に独立して社会生活が身に付きだすことから、段々と赤ちゃん返りは見られなくなってくるでしょう。
ただし、子どもによっては小学校入学まで続くこともあります。
また「うちの子は赤ちゃん返りがなかった」というケースもよく聞きますが、本当にないこともありますが、実際は赤ちゃん返りをしていたけど気づいていなかったという場合もあります。
子どもの様子をしっかり見て、対応していくことが大切です。
赤ちゃん返りは成長の証! 優しく見守り寄り添ってあげよう
心と体が著しい成長をする幼少期には、さまざまな原因から寂しさや不安を覚えた子どもが赤ちゃん返りを起こすことがあります。振り回される親は大変ですが、これは単なるわがままではなく、心の成長に応じた必要な期間です。
子どもによっては長期間続くこともあるとは言え、いつか必ず終わりがきます。親はイライラを上手に発散し、優しく見守って対応していきましょう。
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