一日中疲れが抜けず疲労感を感じていると、気分もやる気も下がってしまい、うんざりしてしまいますよね。疲労は定期的に解消しなければどんどん体に蓄積し、夜頃には疲労困憊になってしまうこともあるでしょう。
せめて1日の終わりに今日の疲れを解消したいところですが、お風呂に浸かっても、家でだらっと過ごしてもなかなか疲労が抜けない時もありますよね。
そのような時の疲労回復に効果的なのはストレッチです。疲労を感じたときには軽目でも構いませんのでストレッチを行い、できるだけ疲労を溜め込まないように解消するように意識してみましょう。
この記事では、疲労の種類から各種疲労の効果的な解消方法、疲労回復に効果的なストレッチメニューを紹介します。
いつも頑張っている自分の心身を、ストレッチでしっかり労ってくださいね。
目次
ストレッチで疲労回復できる!まずは疲労の種類を知ろう
疲れには種類があるとご存じでしょうか? ストレッチは疲労回復に効果的ですが、疲れの種類によってそれぞれに適した動きがあります。
【疲れの種類】
- 抹消性疲労・・・肉体の疲れ
- 中枢性疲労・・・精神や神経の疲れ
人が疲労を感じるメカニズムには自律神経が深くかかわっています。「体をいつでも動かせる」モードにすると交感神経系が活発化することで、心身に疲労がたまりやすくなってしまいます。
つまり自律神経を含む交感神経を落ち着かせることで、心身をリラックスさせることができ疲労感を溜めさせない状態にすることができます。
以下では、「抹消性疲労」「中枢性疲労」について詳しく解説します。
抹消性疲労とは
抹消疲労とは、肉体的疲れのことです。激しいスポーツやハードな筋トレ、長距離の歩行などを行ったときなどに抹消性疲労が起こります。
肉体的は疲労感を感じていますが、精神的な疲れではないため、頭脳はさほど疲労を感じていないことが多く、そのため中には頭が冴えてしまって夜に眠れないこともあります。
抹消性疲労に効果的な疲労回復方法は、体を安静にして休息する、血圧が高い方は血行不良体が考えられますので、ストレッチなどで軽く運動をすることで血行が促進され疲労回復が期待できます。
また、抹消性疲労が強い場合は、筋肉などが負傷して発生する筋肉痛を引き起こしている可能性があるため、栄養値の高い十分な食事でエネルギー摂取をすることでさらに効率の良い
疲労回復が期待できます。
中枢性疲労とは
中枢性疲労は精神的な疲れのことを指します。主に仕事や勉強など、頭脳や神経を使うときに中枢性疲労が起こりますが、長時間の緊張状態やストレスが続く場合は特に中枢性疲労が強く起こりやすくなります。
中枢性疲労の疲労回復に効果的な方法は、栄養バランスの良い食事を摂る、軽く汗ばむ程度の運動をする、しっかりと体を休めることで中枢性疲労を回復することができます。
また、深呼吸などの呼吸法も重要で深呼吸を行うことで体内に十分に酸素が行き渡ることで、副交感神経が優位になりリラックス効果が高まり、心身の疲労回復が期待できます。
その他には、趣味に没頭したり気分転換に外出するなどが効果的で、ストレスや緊張状態を解放、発散することでも効果が見込めます。
参考サイト:心リハnow Vol.39 『“休養不足”に陥っていませんか?心臓を長持ちさせるための休養とは』|名古屋ハートセンター
積極的休養(アクティブレスト)と消極的休養(パッシブレスト)
疲労回復の方法は「積極的休養」と「消極的休養」の2つがあり、アクティブレスト(積極的休養)とパッシブレスト(消極的休養)とも呼ばれています。
以下ではそれぞれについて解説していきます。
積極的休養(アクティブレスト)とは
アクティブレストは、積極的休養のことです。疲れている体を、敢えて動かし血流を改善して老廃物の排出を促す疲労回復方法です。アクティブレストでおすすな方法は、
- 息の上がらない程度のジョギング
- 軽めのストレッチ
- お散歩
- マッサージ
などがおすすめです。
アクティブレストはあくまで疲労回復が目的ですので、疲労が残ると想定されるような運動は避けましょう。スポーツでよく言われる「流す」程度で取り組むようにしましょう。
消極的休養(パッシブブレスト)とは
パッシブレストはできるだけ運動は避け、体を休めることに専念する休養を指します。いわゆる「何もしない」というのがパッシブレストですが、おすすめな方法としては、
- 睡眠
- 入浴
- ヨガなどの瞑想
- 映画や音楽鑑賞
- 読書
- アロマセラピー
などです。
基本的にはパッシブレストだけでも回復はするため、本当に疲れて何もしたくないときはパッシブレストだけでもかまいません。
しかしパッシブレストとアクティブレストをうまく組み合わせることで、疲労回復スピードが速まります。特に普段から運動不足である人は、アクティブレストを取り入れることがおすすめです。
パッシブレスト(消極的休養)とアクティブレスト(積極的休養)を組み合わせた休養方法
パッシブレストとアクティブレストを組み合わせることで、心身ともに高い疲労回復効果が見込めます。
以下は例になりますが、
- 十分な睡眠時間を確保する(6〜8時間程度):パッシブレスト
- 朝起きたら軽めのウォーキング(20~30分程度):アクティブレスト
- 十分な食事を取り読書や映画鑑賞などで休息:パッシブレスト
- 疲労感の高い部位を軽めにストレッチ(20~30分程度):アクティブレスト
- お昼寝(1時間程度):パッシブレスト
- 息が上らない程度のジョギング(30分程度):アクティブレスト
- 夜22時前の就寝:パッシブレスト
上記のようにアクティブレストとパッシブレストを交互に行うことで、より高い疲労回復効果が見込めます。
またアクティブレストとパッシブレストを交互に行うことで、抹消性疲労や中枢性疲労の両方にも効果があり、パッシブレストにより肉体的疲労を回復し、アクティブレストにより精神的な疲労回復が見込めます。
心身ともに疲労が蓄積している方は積極的にアクティブレストとパッシブレストを行うことを推奨します。
最後に注意点としては疲労感がたまらない程度に止めることです。疲労感がある中で普段通りに運動をしてしまうと更に疲労感を蓄積してしまいますので、疲れない程度を意識して取り組みましょう。
疲労回復におすすめ!ストレッチメニュー3選
大きな筋肉が集まる背中・お腹・下半身(脚)をしっかりストレッチすると、疲労回復に効果的です。ここでは部位別におすすめの疲労回復ストレッチメニューを紹介します。
- 背中のストレッチ
- お腹のストレッチ
- 脚(太もも)のストレッチ
首や肩、骨盤周辺のストレッチメニューについてはこちらの記事をどうぞ。
「ストレッチにはどんな効果がある?注意点やおすすめメニューを紹介」
背中のストレッチ
背中の筋肉と、肩甲骨周りの筋肉をしっかり伸ばせるストレッチです。やり方は簡単で、体が硬い方でも苦しく感じることはないでしょう。
【背中伸ばし】
- 床にあぐらをかいて座る。
- 体の前に両腕を伸ばして両肘を軽く曲げ、肩と同じ高さに保つ。
- 頭を両腕の中に下げる形でみぞおちを覗く。
- 背中をゆっくりと丸めながら、両腕を前へと突き出すようにする。
- 肩甲骨周辺から腰までが伸びていることを感じながら、深呼吸をしつつ30秒キープする。
- ゆっくりと背中を伸ばし、腕を下ろして終了。
注意点は、腕が肩の位置より下がらないようにすることです。反動をつけないようにしましょう。
お腹のストレッチ
猫背気味の方やデスクワークをしている方は、腹部の筋肉が縮こまりがちです。毎日ストレッチで伸ばすことによって姿勢改善も目指しましょう。
【お腹伸ばし】
- マットの上にうつ伏せになり、両足を肩幅よりも広く開く。
- 両手を床につき、肘が床から離れないようにして上体を上げる
- 顎を上げて顔は天井へ向ける
- そのままお腹が伸びているのを感じながら30秒キープする。
- ゆっくりと上半身を倒し、うつ伏せの状態に戻って終了。
深呼吸を続けながら伸ばしましょう。お腹を伸ばしているときは呼吸が止まりやすくなるため、意識することが大切です。
脚(太もも)のストレッチ
寝ながら手軽にできる太もも前(大腿四頭筋)のストレッチです。特にサッカーやランニングなど、足を使うスポーツをしている方におすすめします。
【太もも伸ばし】
- マットの上に右を下にして横向きに寝転ぶ。
- 右腕を頭の上へ伸ばして右耳を載せ、右膝を90度曲げて前へ出す。
- 左足を後ろへ曲げ、左足の甲を左手でつかむ。
- お腹から左膝までが一直線になるように保ち、左足のかかとをお尻へぐーっと近づける。
- 左の前太ももが伸びていることを感じながら、呼吸をしつつ30秒キープする。
- 左手を離し、今度は左側を下にして右で同様に行う。
腰が反らないように注意しましょう。どこかに痛みがあれば、無理しない程度に伸ばしてください。
同じく毎日伸ばしてほしい股関節ストレッチについては、こちらで紹介しています。
「股関節の硬さは全身に影響! 効果的なストレッチでスムーズな動きを手に入れよう」
ストレッチがもたらす直接的効果と間接的効果
ストレッチの直接的な効果には「虚血からのリバウンドによる血流促進」があります。
虚血(きょけつ)とは、一時的に血液の流れが悪くなる状態を言います。これは血管を細いゴムチューブだと考えるとイメージしやすいでしょう。
細いゴムチューブの両端を持ち、ぎゅっと伸ばしてみます。するとチューブは細くなり、中の空洞は小さくなりますよね。これはストレッチをして筋肉と筋肉の内部にある血管を伸ばしているときと同じ状況です。つまり、ストレッチをしているときの血管は伸びて細くなり、血が流れにくくなるのです。
その後、伸ばしていた箇所を戻すと細くなっていた血管の直径が元に戻り、押さえつけられていた血の流れが勢いを増して戻ります。これがリバウンドですね。ストレッチで伸ばす前よりも血流が勢いを増すため、「ストレッチをすると血流促進できる」ということになります。
そしてさらに、ストレッチには間接的効果があります。虚血からのリバウンドによって血流促進することにより、以下のような疲労回復効果が得られます。
- 心拍数低下
- 血圧低下
- 呼吸安定
- 筋肉弛緩
- 睡眠の質向上
ストレッチによって、深い呼吸ができ、全身に血が巡るようにできます。その結果、心が落ち着き筋肉のコリが解せるのです。
ストレッチで疲労回復!習慣化して健康的な毎日を過ごそう
長時間同じ姿勢でいると筋肉が凝り固まって痛みや重さを感じますが、ストレッチなどで体をゆっくり動かすことによってつらい症状を緩和できます。これは筋肉を伸ばすことでその中を走る血管に影響し、血流を促進できるからです。
本当に疲れてへとへとなときには何もせずに横たわるだけでも疲労回復はできます。しかし少しだけでもストレッチで体を伸ばすと、より疲労回復が早くなることを覚えておいてくださいね。
▼こちらの記事も読まれています