ダイエット中にもかかわらず、好きな食べ物をたくさん食べられるのが「チートデイ」です。
無理なく効果的にダイエットを続けるためには、ダイエットの停滞期にチートデイを設定し、うまく活用することが大切。しかし、なぜダイエットには停滞期があるのか、なぜチートデイが必要なのかをご存じない方もいるでしょう。
そのためこの記事では、チートデイとは何か、なぜ必要なのか、具体的に取り組むタイミングや食べる内容、取り組む際の注意点などについて紹介します。効果的に痩せ、美と健康を手に入れたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
チートデイはダイエット停滞期に行う戦略的糖質補充期のこと
チートデイはダイエット中に食べ物をたくさん食べる日のことを言います。チートは英語で「ずるをする」とか「だます」といった意味を持つ言葉ですね。その意味の通り、ダイエット停滞期に脳をだまして脂肪燃焼効率を上げる目的で行います。
普段は節制している食事を、お腹がいっぱいになるまで食べてもよい日です。原則として何でも食べてよいのですが、今までの努力をなかったことにするような暴飲暴食ではない、と理解しましょう。あくまでも、意識的にカロリー摂取を行う日と覚えてくださいね。
なぜチートデイが必要なのか
ダイエット停滞期とは、体重の減りがストップする期間のこと。それまで順調に下がっていた体重が、何をしても減少しなくなってくる期間です。
ダイエット停滞期になる理由は、ホメオスタシス(生体恒常性機能)効果が発動したためです。ホメオスタシス効果とは身体の状態を一定に保つ効果のことで、ダイエットの場合では、身体がカロリー制限に慣れてしまうことを指します。
ホメオスタシスの過程は以下の通りです。
カロリー制限や運動による脂肪燃焼で肝グリコーゲン(肝臓に蓄えられる脂質)が減り、脳が体は飢餓状態であると思い込む
↓
飢餓から体を守るために体重減少を抑えるようになる
↓
基礎代謝が下がり、脂肪が分解しにくくなる
↓
体重の減りが止まり、脂肪を蓄えるようになる
ところが「食べてもよい日」を作り、カロリーを摂取して一時的に肝グリコーゲンを増やすと、脳は「まだ糖質はある」と誤解します。すると基礎代謝が上がり脂肪燃焼効率も上がるため、また体重が減り始めるのです。
ちなみに、基礎代謝は生命を維持するために必要な最低限のエネルギー消費のこと。基礎代謝が大きい人ほど体内の脂肪燃焼効率が高い「痩せ体質」と言えます。
チートデイを行う3つのメリット
「お腹いっぱい食べてもよい日」を行うことによる、3つのメリットをみていきましょう。
- ダイエット中のストレス発散
- 基礎代謝の維持
- ダイエット中の栄養素補給
ダイエット中のストレス発散
ダイエット中はカロリー制限を行うため、食べたいものを好きなだけ食べられないというストレスにさらされます。ストレスは万病のもと。そしてモチベーションを低下させる理由にもなります。
しかし1日だけ我慢していたものを好きなだけ食べられる日を設けると、ダイエット中のストレスが発散できます。ダイエットは継続することが大事であるため、溜まったストレスを定期的なチートデイで発散できれば、モチベーションの回復にも役立ちます。
基礎代謝の維持
前述したように、ダイエットの停滞期には基礎代謝が低下します。チートデイは一時的に多くのカロリー摂取をすることで、その基礎代謝を戻し、維持する効果があります。
女性の基礎代謝についてはこちらの『基礎代謝を上げて健康に! 女性の年齢別平均基礎代謝は?』で詳しく解説しています。自身の年齢に合わせた基礎代謝を確認しましょう。
ダイエット中の栄養素補給
ダイエット中は食事が制限されることで、何かと栄養バランスが偏りやすくなります。
特に腸内環境を整える食物繊維やビタミン、ミネラルなどは不足しやすいもので、不足によって免疫力の低下などのリスクがあります。
不足しがちな栄養素を補充することも、チートデイの大きな目的のひとつと言えるでしょう。
チートデイのやり方
具体的なやり方や食べる内容など、詳細を紹介します。
- チートデイを取り入れるタイミング
- チートデイで食べる内容
- チートデイで摂取する糖質の目安
チートデイを取り入れるタイミング
一般的にダイエットの停滞期は開始から1カ月後、5㎏ほど下がったころに訪れます。同じことをしているのに、最近は体重が減らなくなったなと感じたら、最初のチートデイを行いましょう。
それ以降は週に1回程度、できれば休日に設定することをおすすめします。休日に設定するのは、食事時間に余裕があるからです。チートデイでは普段の節制をやめて多目に食事を摂るため、準備時間も含めてそれなりの余裕が必要です。
週に1回のチートデイにも身体が慣れてきたら、ダイエットの進み具合に合わせて2週間に1回、月に1回など、体重が減りにくくなってきたと感じたタイミングで「脳をだます日」を入れていくようにしましょう。
チートデイで食べる内容
食べるものは原則なんでもOKですが、糖質が豊富な食べ物がおすすめです。身体の中の糖質が枯渇していると、糖質や炭水化物をたくさん食べてもその補充に当てられます。脂肪にはなりにくいためその日だけで太る可能性は少ないと考え、しっかりと食事を取りましょう。
ただし、たっぷりの糖質と一緒に脂肪も大量に摂った場合は、脂肪が増えてしまいます。そのため、糖質はあるけれども脂質は少ない食べ物、たとえば飴やラムネなどの甘いもの、食パンや麺類、ご飯などの炭水化物がおすすめです。
ちなみに、甘いものを食べるのであれば、洋菓子より和菓子を食べるようにしましょう。和菓子は栄養価が高いうえに食物繊維も含む食べ物です。
チートデイで摂取する糖質の目安
体重×10〜12gの糖質摂取が目安です。
体重が55㎏なら1日に550〜660g、60㎏であれば1日に600〜720g程度の糖質摂取を目指しましょう。さきほど炭水化物がよいと述べましたが、炭水化物の糖質は全体の30〜50%程度であるため、ご飯や麺、パンだけで摂ろうとするとかなりの量を食べなければなりません。
おすすめなのは、野菜も一緒にとれるカレーライス、旬のフルーツ、ステーキや焼き肉をご飯やサラダと食べるなどです。
糖質の量については商品の袋の裏側に記載されていますが、もし情報がなかった場合は、以下の式で計算できます。
糖質=炭水化物-食物繊維
たとえば炭水化物6.3g、食物繊維0.3gの記載があっても糖質についての記述がない場合は、6.3-0.3で糖質は6gと計算できます。
チートデイに取り組む際に気を付けること
チートデイに取り組む際には「運動は控えて休む」こと、そして「アルコールは控える」ことは守るようにしましょう。
しっかり食事をしたあとで筋トレや激しい運動をすると、内臓に負担がかかります。チートデイでは普段我慢している炭水化物をお腹いっぱい食べて、休むようにしてください。
また、アルコール飲料は含まれているカロリーも高いうえに、酔うことで暴飲暴食を引き起こす恐れがあるためおすすめしません。今までの努力を無駄にしないため、アルコールは飲まないようにしましょう。
チートデイの活用でダイエットを効率的に! 美と健康を手に入れよう
ダイエット中にチートデイを設けることで、いわば身体に活を入れられます。基礎代謝を維持できるため体重が減らなくなる停滞期を脱出でき、不足しがちな栄養素を補充でき、ダイエットでたまったストレスも発散できます。
上手に「脳をだます日」を使い、ダイエットを効率的に継続していきましょう。
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