育児の悩みは尽きないものですが、中でも我が子がすぐにキレてしまうという悩みを抱える親御さまもいるでしょう。
特に近年は「モンスターチルドレン」と呼ばれる小学生の存在まで発生し、昔に比べて切れやすい子が多くなっているそうです。では、なぜ子供はすぐにキレてしまうのでしょうか?
自分の感情のコントロールができず、すぐにイライラして攻撃的になる子供へは、周囲の大人の接し方がとても重要です。この記事では、子供がキレやすい理由やそのような子への対処法、大人がすべきキレやすい子供の感情を緩和する方法などを解説します。
目次
子供がキレやすくなる理由とは?
子供の感情が爆発しやすくなる理由には、以下のようなものがあると考えられています。
- 食事が十分ではない
- ジャンクフードや甘いものをよく食べる
- 生活習慣の乱れ
- 親の過剰な期待
反抗期は子供がイライラしやすい時期ではありますが、これは正常な発達過程のひとつであるため、ここでは省きます。
食事が十分ではない
お腹が空くと人は攻撃的になります。特に子供は大人に比べて未熟であるため、感情が揺さぶられたときに理性を失うことが多くなりがちです。
朝食を食べない、食事時間が決まっていないといったことから子供が空腹であることが多くなると、授業に集中できなかったり些細なことでキレたりするようになります。
また、子供の心身の成長には十分な栄養が必要です。たとえばカルシウムは神経の興奮を抑える作用があるほか、骨や歯を作る栄養素であるため、食事でしっかり栄養を摂らなくてはなりません。
ジャンクフードや甘いものをよく食べる
ポテトチップスやドーナツ、ピザなど「ジャンクフード」と呼ばれる高カロリー低栄養の食品を日常的に食べていると、イライラしやすくなると言われています。
それは、ジャンクフードにはリン酸が多く含まれており、それがカルシウムの吸収を抑えてしまうからです。
菓子類や肉加工品、インスタント食品などの加工食品やファーストフードにもリン酸が多く含まれるため、食べる機会が多くならないように注意が必要です。
甘いものは体や脳を動かすエネルギー源ではありますが、過剰に摂取すると低血糖を招いて精神的に不安定になります。
特に白く精製された砂糖などはあまりとらせないようにし、甘味にはハチミツやオリゴ糖などを使用すると良いでしょう。
生活習慣の乱れ
生活リズムが崩れると精神的に不安定になりやすいもの。
まだ小学生のうちから夜遅くまで起きていてスマホを触るなど、睡眠時間が少ないうえに睡眠の質も悪い場合には、脳が興奮して休まらず、常にイライラするようになります。
親の過剰な期待
「もっとできる」「もっと頑張れ」と親が子供に過剰に期待することで、子供を緊張させた結果、子供が過剰なストレスを抱え込ませることになります。
期待に応えたいのにうまくいかないと、感情のコントロールができなくなってストレスのはけ口を求めるようになり、キレやすくなるのです。
キレやすい子供への対処法【子供がキレているとき】
子供がキレているとき、おすすめするその場の大人の対応としては、以下の3つがあります。
- 子供の感情を否定しない
- 同じようにキレ返さない
- あとで話を聞く
子供がキレた理由が理不尽なものである場合、また親が疲れている場合などは特に、親もイライラしてしまいますよね。
キレる子を見て楽しいと感じる人はいませんし、面倒に感じてしまうこともあるでしょう。しかしまずは、子供の感情を否定しないことが大切です。
同じように怒りで返したり、手を出したりしないようにしてください。大人が子供と同じくキレてしまっては、その場は収まりません。
大人が感情的になりそうな場合は、しばらくその場から離れることも必要です。子供がキレたとき、大人に最も必要なことは「落ち着くこと」と覚えてくださいね。
キレやすい子供への対処法【日常生活】
子供がキレやすくなっているなと思ったら、できるだけ早く改善していきましょう。
日常生活において以下の項目の見直しをおすすめします。
- 食事でバランスよく栄養を摂らせる
- 子供の睡眠時間を確保する
- インターネットやゲームをする時間は制限する
感情をコントロールするには脳が正常に働くことが必要であるため、成長に十分な量の食事を摂らせることが大切です。
攻撃的な衝動を防ぐため、脳神経の興奮を正しく抑えるカルシウムやマグネシウム、ビタミンなどの栄養素を摂取させましょう。
また、塾などの習い事で現代の子供は忙しいのですが、できるだけ孤食は避け、親やきょうだいと一緒に食事を摂るようにしてください。
子供には、十分な睡眠時間を確保させましょう。就寝時間を決め、守らせることから始めてください。子供が使うスマートフォンやタブレットなどは使用時間を決め、夜は電源を切って親が管理するようにします。
ちなみに、米国睡眠医学会によると、子供の理想的な睡眠時間は以下の通りです。
- ~12カ月:16時間(1日合計)
- 1~2歳:11~14時間(1日合計)
- 3~5歳:10~13時間(1日合計)
- 6~12歳:9~12時間
- 13~18歳:8~10時間
大人がすべきキレやすい子供の感情を緩和する方法
キレやすい子供の感情を緩和する方法は、以下の4つが考えられます。
- 子供を一人の人間として扱いそのままの子供を受け入れる
- 子供の希望を尊重してある程度の自由は認める
- 根気よく子供の話を聞く
- 小さな爆発は許す
子供を一人の人間として扱いそのままの子供を受け入れる
子供は未熟ですが、立派な人間です。
子供を自分のものだと考えるとあれこれ指図したくなってしまうため、子供は「自分とは違う一人の人間だ」と考え、扱うように心がけましょう。
また、子供は自分を否定されると自信をなくし、劣等感から孤独に追い込まれてキレてしまいやすくなります。
親の思った通りにできなくても、その子にはその子の素晴らしさがあるという事実を受け入れましょう。
そのままの子供本人を受け入れるようにし、親の理想を押し付けすぎていないかを見直してみてください。
子供の希望を尊重してある程度の自由は認める
親が子供を心配するあまりに、子供を監視したりコントロールしたりしてしまうことがあります。
しかし、子供は自分のやりたいことを制限されているという事実から、自分を否定されたと感じやすいもの。
自我が抑圧され親へ拒否感を持つようになるとキレやすくなるため、譲歩できるところは譲歩し、子供の希望を尊重することが大切です。
根気よく子供の話を聞く
コミュニケーション能力が未発達な子供は自分の心の内をうまく話せません。
話すことが下手で説明もわかりにくいのですが、親から話を聞いてもらえないと自尊心が低くなり、キレることでしか感情を表現できなくなってしまうこともあります。
大変でも、根気よく子供の話を聞きましょう。話を聞いてもらえると子供が安心することで、キレずに自分の考えを周囲に話せるようになっていきます。
小さな爆発は許す
理性のコントロールがうまくいかず「かんしゃく」を起こしてしまうようなときは、すぐさまやめさせようと怒鳴ったり、無視して突き放したりするのではなく、子供の気持ちを理解しようとしてみてください。
適度にガス抜きをさせ、怒りを溜めこまないようにする必要があります。
子供がキレるには理由がある! キレやすい子は親の対応で十分に変わる
子供がキレるのにも、理由があります。
とは言えその理由はいくつかの事柄が複雑に絡み合っていることが多いため、解きほぐすには時間がかかると思ってください。
しかし、腰を据えて親が対応すると、子供は必ず変わってきます。話を聞く、食事に気を配る、睡眠時間を確保するなど、できることから始めていきましょう。
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