- ストレートネック(生理的前弯の消失)とは
- ストレートネックになる3つの原因と症状
- ストレートネックの予防と改善方法
スマートフォンやパソコンを頻繁に使用する現代では、肩こりや頭痛、手のしびれ、不眠といった、これは、ストレートネックが原因かもしれません。
この記事では、現代病のひとつとも言えるストレートネックについて解説します。
原因である姿勢の悪さを引き起こす行動や、ストレートネックによって引き起こされる症状、そして改善・予防法などについても具体的に記載しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
ストレートネックとは? 原因は姿勢の悪さ
ストレートネックとは、本来はゆるやかなS字にカーブしている首の骨が、真っ直ぐになってしまっている状態を指します。
人間の頸椎(首の骨)は7つの骨で構成されていますが、約5〜6㎏ほどもある重い頭を支えるため、軽く体の前方に向かって湾曲しています(これを生理的前弯と呼びます)。
しかし、その頸椎がまっすぐになった「ストレートネック」になると頭の重さが分散されず、首や肩などの筋肉を使って支えることになり、体にさまざまな悪影響を及ぼすようになります。
ストレートネックの原因は「姿勢の悪さ」です。それも、長時間悪い姿勢のままをキープすることにより、引き起こされます。
悪い姿勢のまま長時間キープしてしまう原因となるものは、スマートフォンやパソコン、枕などです。
姿勢が悪くなる原因①:スマートフォン
スマートフォンは顔よりも低い位置で使うため、操作の際には自然に下向きになります。
そのときの首の角度が、0度で4〜6㎏、15度で12㎏、30度で18㎏、45度で22㎏、60度では27㎏の重さが首にかかることになります。
その結果、首や肩の筋肉が緊張して血流が滞り、疲労物質や痛みが蓄積するのです。
参考:Cure Care「ストレートネック の治し方・3つの押さえるべきポイントとは?」
姿勢が悪くなる原因②:パソコン
パソコンで作業している方は、座ったままで同じ動作を繰り返すことが多く、同じ姿勢を長時間保つため、筋肉が一定の状態を保持しています。
モニター画面に集中することで頭と肩が前へ出て、首と背中の上部の筋肉が伸び、胸の筋肉が縮んでしまうのです。
ちなみに、パソコンやスマートフォンなどの使用で目や体に負担がかかり、悪化した場合には精神的にも疲弊してしまうことをVDT(ビジュアルディスプレイ)症候群と呼びます。
姿勢が悪くなる原因③:枕
自分に合っていない枕を使い続けていることも、ストレートネックの原因になります。
就寝時に枕が高すぎると下向き姿勢を維持しますし、低すぎると首が反り返って呼吸の妨げにもなってしまいます。
また、柔らかすぎると頭部を安定させようとして、常に首が緊張した状態になります。
睡眠時間は7時間以上が推奨されていますが、合わない枕を毎日長時間使用していると肩や首の緊張が取れないままになり、睡眠の質も低下する恐れがあります。
ストレートネックによる代表的な症状
以下は、首が真っ直ぐになることで引き起こされる症状の代表的なものです。
- 首や肩、背中のこりや重み、痛み
- 頭痛
- 手のしびれ
- 吐き気
- めまい
首の筋肉や人体が伸びて炎症を起こすため、首の動きが制限されるようになります。
緊張型頭痛や片頭痛の発症率も高まるうえに、首や肩の筋肉が緊張することで首の血管・神経が圧迫され、脳に十分な血液や酸素を届けにくくなります。
その結果、めまいや目の疲れなどが頻繁に起こるようになるのです。
ストレートネックの改善・予防方法
それぞれの姿勢を悪くする原因ごとに、首の状態を改善・予防する方法をみていきましょう。
スマートフォンの操作
スマートフォンを操作するときはスマホ本体を目線の高さに合わせ、できるだけ両手で持って操作しましょう。
目線より下で操作してしまうと、ストレートネックの原因につながります。
パソコンの作業
モニターが目線の高さに合った机と椅子を選び、60分ごとに10分程度の休憩をはさむようにしましょう。
10分の休憩時に肩や首などのストレッチをすることがおすすめです。
肩周辺を丁寧に動かしましょう。パソコンのモニターの位置は、目線より少し下にくるように設置してください。
枕
自分に合った硬さや高さの枕を選びましょう。
横向きに寝るか上向きに寝るかでも変わってくるため、自分がどのようにすると寝やすいかを考えてみてください。
枕が合わない場合は、タオルなどを使って微調節することもおすすめです。
ストレートネックを緩和しよう!毎日取り組む簡単ストレッチ
ストレートネックの症状に苦しんでいる方は、ストレッチをこまめにして筋肉の緊張を和らげましょう。
ここではどこでも簡単に取り組める、道具不要のストレッチを部分別に3つ紹介します。
①:胸を開くストレッチ
②:肩と背中を和らげるストレッチ
③:首の緊張を取るストレッチ
①:胸を開くストレッチ
スマートフォンやパソコンを操作するときは肩を前に出し、腕は常に体より前に出た状態になります。
そのままでいると胸の筋肉が収縮して背中が広がるため、ストレッチで肩や腕を後ろへ回して胸を伸ばし、背中を収縮させましょう。
- 腰幅に足を開き、真っ直ぐに立って両手を背中で組む。
- 胸を開きながら両肘を伸ばし、両手をできるだけ下ろす。
- 肩は上げず位置を変えないようにしながら、背中で合わせた両手を上げる。
- ゆっくり呼吸をしつつ、そのまま30秒間キープする。
②:肩と背中を和らげるストレッチ
パソコン仕事などをしていると、肩はどうしても内旋(巻き肩)になります。
背中の広背筋という筋肉が猫背の原因になるため、ストレッチで肩や背中の筋肉をほぐしていきましょう。
- 腰幅程度に足を開いて真っ直ぐに立ち、両腕を上げ、左手で右の肘を頭の後ろで抱える。
- 息を吐きながら、ゆっくりと左側の真横に上半身を倒す。
- 右側の腕、脇から腰までが伸びているのを感じながら、30秒キープする。
- 元の体勢に戻し、左右を反対にして同様に行う。
③:首の緊張を取るストレッチ
長時間下を向いた状態では、首の後ろ側と横側、背中の筋肉は伸びて緊張したままになります。
手を頭において、横と斜め下にストレッチしてほぐしましょう。
- 立ったままでも座ったままでもいいので、背中を真っ直ぐにし、左手を上げて右側頭部に当てる。
- 息を吐きながら、手の重みを感じつつ、手の重みだけで首を横へゆっくりと倒して30秒キープする。
- 次いで左手を右側頭部のやや後ろ側を押さえ、左斜め前へゆっくりと倒す。
- 首の斜め後ろ側の筋肉が伸びているのを感じながら30秒キープ。
- 左右を反対にして同様に行う。
ストレートネックの放置はダメ! 姿勢の見直しとストレッチに取り組もう
ストレートネックは自然な状態ではないため、そのまま放置しているとひどい頭痛や肩こり、重さ、めまいなどのさまざまな不快症状が発生してしまいます。
長時間同じ姿勢でいないこと、1時間に1回は休憩を挟み、簡単なものでよいのでストレッチして筋肉をほぐすこと、その3つを実行してみましょう。