デスクワークや日々の家事などで腕を一日中使うと、腕も疲れますが実は背中にも疲労が溜まっています。
背中に疲労が溜まると、どことなく全身がダルく感じてしまったり、腕や肩を動かす際につっぱる感じや酷いと痛みを生じる時もあります。
そのため、背中の疲労をマッサージや温浴で解消する必要がありますが、それでも疲労感を解消しきることが難しいこともあります。
また、背中は自分では見えず、どのように人に見えているのか分かりにくく自分の背中の状態を確認しにくい部位でもあります。
ですが、背中は他人からはとてもよく見える部位で、特に薄着になる暖かい時期では、背中の状態がよく見えてしまいます。
この記事では、疲労が溜まった背中をじっくりとほぐし、引き締めて美しい背中へと導くヨガのポーズを紹介していきます。
寝る前に取り組めるコリ緩和のポーズや背中全体をストレッチしてしっかり引き締めるポーズをそれぞれ紹介します。
目次
背中の疲労は肩こりや腰痛にも影響
背中に疲労が溜まる代表的な原因はデスクワークです。
デスクワークは長時間同じ姿勢で椅子に座り、パソコンの画面を集中して見てるうちに猫背になりやすく、モニター画面の高さや位置によっては正しい姿勢にすることができず、首や肩、背中に負担をかけてしまいます。
首や肩に負担をかけすぎると結果、発生するのは「コリ」です。コリは筋肉が緊張して固まった状態を指し、栄養を全身に巡らせる血液や老廃物の回収・運搬をするリンパの流れが滞ってしまうため、あらゆる不調を引き起こす原因になります。
さらに、背中とつながっている腰にも負担は及びます。腰を痛めると日常生活に大きな支障がでるため、ストレッチやヨガで大きくじっくり動かす習慣をつけることがおすすめです。
背中の疲れやこりによるデメリット
背中を動かさないことによるデメリットは以下のようなものがあります。
- 肩こり
- 首こり
- 上半身の痛み
- 冷えやすい
- 眼精疲労
- 睡眠の質の低下
- 老けて見える
など
▼「肩こり」については以下の記事で詳しく解説しています。
ヨガで背中の緊張・コリを解消!寝る前にできる背中ヨガを紹介
ヨガは深い呼吸をしながら全身の筋肉を伸ばすエクササイズ。疲れ、こりが発生した背中を寝る前にほぐすには最適です。
寝る前に5分でできる、じっくり背中をほぐすポーズを3つ紹介しましょう。
- 猫のポーズ(マルジャリャーサナ)
- 伸びをした子犬のポーズ(ウッタナシショーサナ)
- 子供のポーズ(バーラーサナ)
猫のポーズ(マルジャリャーサナ)
背骨の間にスペースを作り、背中全体を広げるポーズです。猫が丸まったように見えるため、猫のポーズと呼ばれています。
【猫のポーズのやり方】
- ヨガマットの上に四つん這いになり、肩の下に手首が、腰の下に膝がくるようにする。
- 息を一度吸い、吐きながら手のひらでヨガマットを押しながら背骨を丸め、おへそをのぞき込むようにする。
- 背中の広がり、首の後ろが伸びていることを感じながら、そのまま5回呼吸を続ける。
- 息を吸いながら背骨を元に戻し、最初の姿勢に戻る。
- 伸びを感じながら5回繰り返す。
ポイントはマットを両手でぐっと押し込むことです。地球に自分の手を埋めるようなイメージで行いましょう。
伸びをした子犬のポーズ(ウッタナシショーサナ)
ぐーっと前脚を伸ばした子犬のように、背中と肩をストレッチしましょう。頭・首・肩の血流促進や心身のリラックス効果があります。
【伸びをした子犬のポーズのやり方】
- ヨガマットの上に四つん這いになり、つま先を床につけてかかとを上げる。
- 肩の下に手首、お尻の下に膝がくるようにする。
- 肘を伸ばしたままで手で床を歩くように前へ出し、背中をまっすぐに伸ばす。
- 息を吐きながら胸を床へおろし、顎を床につける。
- 胸の開きを感じながらゆっくりと呼吸を続け、十分に伸びたら元の体勢に戻る。
胸を下へとおろしにくいときには、膝を後ろへ引いて胸と膝の距離を広げましょう。痛みがあるときは無理におろす必要はありません。背中を伸ばすことに集中してくださいね。
子供のポーズ(バーラーサナ)
こちらは「チャイルドポーズ」とも呼ばれている、リラックス効果に優れたポーズです。背中や腰、お尻、太ももの裏側をしっかり伸ばしていきましょう。
【子供のポーズのやり方】
- ヨガマットの上に正座をし、両足の親指同士をくっつける。
- 両手を肩幅に開いて体の前へ伸ばし、上半身をゆっくりと倒しておでこを床につける。
- 膝を少し開いて胸の横に膝がくるようにし、お尻をかかとにつける。
- 肩の力を抜いて首の後ろを伸ばす。
- そのまましばらく呼吸を繰り返す。
背中から首までの力を抜き、重力を感じてください。呼吸をゆっくりと繰り返し、完全にリラックスします。
ヨガで背中を引き締めて美姿勢へ!背中全体をストレッチするヨガ
背中を引き締めるヨガのポーズを2つ紹介します。背中全体をしっかりストレッチし、無駄なぜい肉のないすっきりと美しい背中を目指しましょう。
- 下向きの犬のポーズ(アドームカシュヴァーナーサナ)
- 鳩の王のポーズ(カポターサナ)
下向きの犬のポーズ(アドームカシュヴァーナーサナ)
下向きの犬のポーズは「ダウンドッグ」という呼び方でもよく知られています。背中のストレッチと下半身の強化、下半身のむくみ解消や姿勢改善などに効果的です。
【下向きの犬のポーズのやり方】
- ヨガマットの上で背中を長く伸ばし、息を吸いながら四つん這いになってつま先を立てる。
- そのままお尻を持ち上げ、その場で5回ほど足踏みをして足裏を伸ばしてからかかとを下ろす。
- 下腹部を引き締め、目はつま先辺りを見る。
- そのまましばらく呼吸を繰り返す。
手首からお尻までを一直線、お尻からかかとまでも一直線の、横からみて三角形になるようにしましょう。膝を伸ばすことが難しい場合は、膝は軽く曲げて構いません。もし眩暈がするようであれば中止し、ゆっくりとマットの上に座るようにします。
鳩の王のポーズ(カポターサナ)
こちらは体の柔軟性がかなり高くないとポーズがきれいに決まらず、ヨガの中でも難易度の高いポーズです。しかしその分メリットが多いため、一度はトライしてみてください。
鳩の王のポーズで期待できる効果は以下の通りです。
- 太ももの引き締め
- 免疫力の向上
- 血流改善
- 姿勢改善
- 肩こり解消
【鳩の王のポーズのやり方】
- ヨガマットの上に正座する。
- 左脚を後ろへとのばし足の甲を床につけ、骨盤を正面に向けて上体は真っ直ぐに起こす。
- 右脚は体の前で曲げてかかとを股関節へ近づける。
- 左脚の膝を曲げて足裏を背中へ近づける。
- 左手で左足の先を外側からつかむように持ち、右手は床について体を支える。
- できる人はそのまま肘を外側から回し、腕を天井へあげて顔と左足かかとを近づけ、胸を開く。
腰に違和感や痛みがある方は5番までで止め、無理にイラストの状態にしないようにしましょう。鳩の王のポーズをする前に、手足と肩・股関節をしっかり伸ばすストレッチをすると柔軟性が増します。
背中ヨガで疲れ解消&引き締まった美しい姿勢に!
人からはよく見えるのに、自分ではなかなか見えないのが背中ですよね。その背中が疲れてこりが広がっている場合、筋肉は硬くなり猫背気味になって、美しい立ち姿にはなりません。
また、背中に疲れが蓄積している場合には頭痛や腰痛も起こりがちです。ぜひヨガのポーズでしっかりほぐして開いていきましょう。
柔軟性がない間は痛みに慎重になり決して無理をせず、もしも違和感があればストップして「できるところまでやる」ようにしてくださいね。
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