- 体臭の原因について
- 体臭を引き起こす食物について
- 体臭を緩和・軽減する食事や方法について
思春期から中高年に至るまで、自分の体臭を気にする方は少なくありません。
自分のにおいはわかりにくいため、周囲から臭いと思われていないかどうか気になるところですよね。
体臭の予防や改善策にはさまざまなものがありますが、では、食事に注意することも、そのひとつであるとご存じでしょうか。
今回は、体臭と食事の関係について解説します。
においの種類別に食事が影響する理由や、体臭を引き起こす食事、体臭を緩和・軽減する食事についても説明しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
体臭は食事にも左右される
わたし達の体は日々食べたもので作られるため、体臭も食べたものが影響しています。
欧米人に比べてアジア人はもともと体臭が少ないとされますが、現代の食生活は欧米化が進んでおり、徐々に日本人にも体臭がきつい人が多くなってきています。
体臭の原因となるのは、肉類や乳製品、油物、お酒などの刺激物です。
【体臭別】食事が体臭に影響する理由
体から出るにおいで代表的なものは、以下の4つがあります。
それぞれのにおいに食事が関係する理由を紹介していきましょう。
- 汗臭
- 加齢臭
- ミドル脂臭
- 腸内細菌によるガス臭
汗臭
人の体には汗を出す器官である「汗腺」があり、エクリン線とアポクリン腺の2つが存在しています。
どちらから出る汗もそのものは無臭ですが、時間の経過に従って汗や皮脂に含まれる脂質、たんぱく質、アミノ酸などが影響した結果、においが発生します。
特にアポクリン腺は独特のにおいを持ち、ワキガなどの原因になる汗腺です。
これはアポクリン腺から出る汗には脂質やたんぱく質が含まれているためで、その量を少なくすることでにおいを軽減できます。
具体的には動物性たんぱく質(肉や魚など)、脂質(油や調味料など)の摂取を減らすことで、体臭の減少を実感できるでしょう。
加齢臭
30代半ばから出てくる加齢臭は、脂臭くてもわっとするにおいのことです。
加齢とともに、皮脂腺内にある脂肪酸(パルミトオレイン酸)と皮脂が酸化することで生じる過酸化脂質が増加します。
過酸化脂質は汗臭やワキガなどの原因になるうえに、パルミトオレイン酸とくっついて酸化すると「ノネナール」というにおい物質を発生させます。
このノネナールが、男女問わず30代後半から増え始めるのですね。
過酸化脂質の増加を防ぐためには、抗酸化食品を食べることが効果的です。
ミドル脂臭
ミドル脂臭は、30代や40代に特有の脂っぽい汗のにおいを指します。
これは、皮膚に常にいる細菌(表皮ブドウ球菌や黄色ブドウ球菌)が汗に含まれている乳酸を分解する際に、「ジアセチル」というにおい物質を作るからです。
人体の約60%は水分で、中性に近いアルカリ性に保たれています。
しかし、食品のほとんどは酸性であるため、食事によって体が酸性に傾きやすくなります。
体内が酸性に傾くと疲労物質とも呼ばれる乳酸などが作られやすくなりますが、酸性を中和するアルカリ性食品を食べることで予防できます。
参考:BO BEAUTY「ミドル脂臭の原因成分「ジアセチル」とは?その発生メカニズムは?」
腸内細菌によるガス臭
もしもおならや便が強くにおう場合、腸内環境が悪化して悪玉菌が多くなっている可能性が高いと考えてください。
腸内環境が悪いと有害なにおい物質が生み出されやすくなるだけでなく、におい物質は腸から吸収されて全身を巡り、息や汗、皮膚ガスとしてもくさい臭いが発散されてしまいます。
▼以下の記事で善玉菌や悪玉菌について詳しく解説しています。
体臭を引き起こす食事
体臭を引き起こす原因となる物質を作り出すのは、以下の食べ物が代表的です。
- 肉・魚類
- にんにく
- 辛い食材
- アルコール
肉・魚類
肉や魚、卵などの動物性たんぱく質は、分解されるとアンモニアやインドール、硫化水素などになり、腸内で体臭を引き起こします。
また肉や魚などから摂れる動物性脂質は、過酸化脂質などを作り出し、加齢臭や皮膚臭の原料になります。
にんにく
にんにくの中に含まれるアリイナーゼという酵素が働き、アリシンという硫黄化合物に変化して、強いにおいを放ちます。
さらにアリシンは体内で代謝され、アリルメチルスルフィドというにおい物質に変化します。
にんにくの臭いは、食べたあと16時間は体内に残ると言われているため、にんにく料理を食べる前後に、牛乳やウーロン茶、りんごジュースを飲むようにしましょう。
これらの飲料は、にんにくの臭いの発生を抑えます。
辛い食材
人は辛い食材を食べると多くの汗をかきます。
この汗は味覚性発汗と呼ばれ、顔の額や鼻などにあるエクリン腺から出る汗です。
顔には皮脂が多いため、肌表面の細菌と結びつくことでにおいが発生しやすくなります。
アルコール
酒臭いという言葉がある通り、多量の飲酒をした翌日に体からお酒のにおいがするのは、アセトアルデヒドという物質が原因です。
アセトアルデヒドはアルコールの分解過程で発生するにおい物質で、モワッとした強いにおいを放ちます。
飲んだアルコール量が多くて体内で処理しきれない場合、アセトアルデヒドは血液中に溶け込んで肺まで届き、口からにおいとして発散されます。
それだけでなく、全身から出る汗にも混じるため、酒臭い汗が全身から出ることになってしまいます。
お酒を飲む前もしくは飲んでいる最中には、しじみのお味噌汁を飲むことがおすすめです。
しじみのお味噌汁にはアンモニアの解毒を促進する作用があるため、においを抑える効果が期待できます。
また、お酒を飲むと油っこい料理が進んでしまいがちですが、油が多い食事は体臭にも影響します。なるべく避けるようにしましょう。
体臭を緩和・軽減する食事
体臭を緩和・軽減する食事についてみていきましょう。前述したように、体内を中性に保つことや、過酸化脂質の増加を防ぐことが大切です。
アルカリ性食品
肉類などの食事で酸性に傾いた体内を戻すため、食事にはアルカリ性食品を用意するようにしましょう。
アルカリ性の食品で代表的なものは、梅干しやワカメなどの海藻類、ほうれん草、大豆製品、きのこなどです。
抗酸化食品
汗臭やワキガ、加齢臭などの原因になる過酸化脂質の増加を防ぐため、抗酸化食品を積極的に食べてください。
栄養成分のひとつ、ビタミンEは抗酸化力が高いことで有名です。ビタミンCと一緒に摂ることで効果が持続します。
他にも、緑黄色野菜やワインなどから摂取できる、カロテノイドやポリフェノールといった成分も抗酸化作用があります。
アーモンド類、ナッツ類、アボカド、緑黄色野菜、果物などを積極的に食べることがおすすめです。
体臭は毎日の食事が大きく影響する! 食べるものに意識をむけよう
わたし達の体は食べたものでできています。そのため、体臭が気になる方は、食事内容を見直してみると効果的かもしれません。
たとえばねぎやにんにくなど、強い香りがするものを食べていませんか? 肉や魚といった動物性タンパク質は、過剰に食べると腸内環境を悪くして悪臭の原因になります。
食事はバランスよく、1日3食を腹八分目でいただきましょう。
特にアルカリ性食品(海藻類など)や抗酸化食品(ナッツ類など)を意識して摂取することも、体臭軽減には有効であると覚えておいてくださいね。
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