- 自己肯定感とその特徴
- 自己肯定感が高くなる、低くなってしまう理由
- 子どもの自己肯定感を育むために親ができること
大人のみならず、子どもにも「自己肯定感が大切」と言われています。
しかし、自己肯定感と聞いてもなんとなく意味はニュアンスは理解しているけど、ちゃんと意味を理解をしているかと言われれば怪しいと感じる方もいらっしゃるかと思います。
そのため子育て中に「子どもの自己肯定感を育てることが必要」と言われても、何をどうしていいかわからないと悩む方も多いのではないでしょうか。
この記事では、自己肯定感とは何か、自己肯定感が高い子どもにはどのような特徴があるのかについて解説します。
子どもの自己肯定感を育てるために親や周囲の大人ができること、逆に自己肯定感を下げてしまうことについても解説します。
目次
自己肯定感とは?
自己肯定感とは、良いところ、悪いところを含め、まるごと自分を好きでいられる感覚のことです。
自分に対して肯定的な考えを持っている、つまり、今の自分自身に満足できているか、自分に自信を持てているのかに繋がります。
ありのままの自分自身を人に認められることで、自分には価値があると思えるため、自己肯定感が高い人はポジティブな行動をとりやすいと言われています。
人生に大きな影響を与える、とても大切な感性です。
子どもの自己肯定感は周囲の他人や家族によって育まれる
幼少期はその人の性格の基礎部分が作られる、大切な時期です。
成長過程ではさまざまな刺激や周囲の大人や親の言動によって、「心」や「思考のくせ」が作られていきます。
そのため、子どもが自分に自信を持ち、挫折をしたときにも心が折れず、幸せな道を歩めるようにするには、幼少時から自己肯定感を育てることがとても大切です。
親は、子どもに接する際に「自分たちには影響力がある」ことを理解し言動に注意しなければなりません。
まずは最も身近な大人である親が、自分たちの子どもに対する言動を振り返ってみましょう。
自己肯定感が高い子と低い子の特徴比較
自己肯定感が高い子・低い子では、子どもの性質はどのように異なるのでしょうか。
以下で、特徴の違いを比較してみましょう。
- 考え方が前向き
- 自分のことが好き
- 意欲的にものごとに取り組める
- 友達や周囲の大人とよい関係が築ける
- 失敗しても諦めずに挑戦する
- 他人のすごさを認められる
- 自分の意見を言える
- 考え方が否定的
- 自分のことが嫌い
- 失敗を考えてものごとに意欲的に取り組めない
- 周囲の人とのコミュニケーションが下手
- 他人を排除したり攻撃したりする
- すぐに諦める
- 他人と自分を比べて劣等感を抱く
- 自分の意見をはっきり言えない
このようにさまざまな特徴が見られます。
ただし、両者とも上記のように常にそうであるとは限りません。
その日の体調や周囲の親の接し方によって、または出来事によって、自己肯定感が高くなることもあれば低くなることもあるでしょう。
親は長い目で見守り、子ども本人を肯定する、認めることが大切です。
子どもの自己肯定感を育むために親ができること
子どもの自己肯定感を育むため、親ができる代表的なことには次の3つがあります。
- 子どもの努力を褒める
- 子どもの成長を認め喜ぶ
- 原体験の機会を与える
子どもの努力を褒める
親が子どもを褒めることは、子どもにとって大きな影響があります。
褒められることで嬉しい気持ちが芽生え、自信を持ち、他者に対しての優しい気持ちを維持できるようになります。
注意点としてはもともと持っている才能や結果だけを褒めるのではなく、できるだけ「子どもが選択した過程」や「子どもがした努力」を具体的に褒めるようにすることです。
子どもの人格を尊重し、頑張った行動に対して褒めることが効果的です。
また、子どもの自己肯定感を高めるだけではなく、親がちゃんと見てくれているという安心感を与え、子どもの意欲がさらに湧くことが期待できます。
子どもの成長を認め喜ぶ
親は他人や自分と比べることはせず、その子の過去と比べて成長した点に着目し、認めるようにしましょう。
「前はできなかったけれど今はできるようになったこと」について褒めると、子どもの自己肯定感を高められます。
原体験の機会を与える
原体験とは、自然の中でいろいろな体験をさせ、子どもの生きる力を育むものです。
具体的には、におう(嗅覚)、さわる(触覚)、あじわう(味覚)など、五感のうちの三感を意識的に体験させることを指します。
原体験を幼少時にさせることで、地頭が良くなり、積極性や外向性を育てられます。
休日には、キャンプや川遊び、山登りなど、自然に触れるアクティビティを経験させると効果的です。
子どもの自己肯定感を育むために親がしてはいけないこと
反対に、子どもの自己肯定感を低くしてしまう親の言動も確認しておきましょう。
無意識に以下のような行動を取っていないか、振り返ってみてください。
- 子どもの言動を否定する
- 正論攻めで逃げ道をなくす
- 怒鳴る、手を出す
子どもの言動を否定する
子どもが間違ったり、失敗してしまった際に「どうしてそんなこともできないの」や「何をやってもダメだね」といったような、子どもの行動や自身の存在を否定したりするような言い方はしないようにしましょう。
子どもにとって親は安心できる大きな存在です。その親から自身がおこなった言動を否定されてしまうことは、心が傷付きやすく、自分に自信が持てなくなってしまいます。
正論攻めで逃げ道をなくす
諭すときなどに正論攻めにしないようにしましょう。
子どもの逃げ道をなくしてしまうと、自分を守るために不要な反発を招きます。
注意したいことがある場合は、決めつけるような物言いではなく「お母さんは(お父さんは)こう思うよ」といった、『こういう考え方もあるよね』というようなスタンスの言い方をしてみてください。
怒鳴る、手を出す
親に怒鳴られたり暴力を振るわれたりした子どもは、自己肯定感が低くなりやすくなります。
精神的な苦痛が心を満たすとき、自分はいなくなってしまいたい、どこかへ行ってしまいたいと思ってしまいます。
親も人間ですので、ついカッとなって怒鳴ってしまうこともあるでしょう。自身の命や他人の命にかかわるようなときには、厳しく叱ることも必要です。
しかし、命の危険があること以外で激しい怒りの気持ちが湧いてきたときは、まずは深呼吸をしてから子どもに接するようにしてみてくださいね。
子どもを認めてから、親がお手本を見せて説明する
「これをしなさい」「どうしてできないの」と子どもへ言いたくなることは、子育て中の親には多発します。
しかし、前述した通り、子どもは成長過程であり、失敗や過ちを繰り返しながら学ぶため何事も完璧にはできません。
言葉だけで指図して叱ることは、器に入りきらない水をいきなり注いでいる状態と同じことです。
親が身につけてほしいと願うことは、子どものしたいこととは同じではないと理解しましょう。
そのうえで、親は子どもの努力や言動を認め、子どもの自己肯定感を育て、子どもが持つ「器」を大きくする必要があります。
その後、やらせたいことを親本人が手本を見せてから説明しましょう。
順番を守ることで、スムーズに子ども(器)に水(知識)が入るようになります。
自己肯定感は子どもの人生を大きく左右する! まずは親から努力しよう
自己肯定感が高いと、挫折したときに心が折れにくく、前向きに立ち上がれるようになります。
自分自身のすべてを認めて受け入れられるため、他人の評価に左右されません。
この世には理不尽なことがたくさんあります。
我が子に自信やしなやかに生きる力を持ってほしいと願うのであれば、まず親が言動に気を付け、子どもを認めて成長を喜ぶことから始めましょう。
また、親自身も自分を大切にするようにしてください。
子どもの好ましくない部分をすべて親の責任だと考える必要はありません。
親子で一緒に自己肯定感を育て、一緒に笑顔になってくださいね。
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