この記事でわかること
- 絵本の読み聞かせが子どもに与える効果
- 子どもの発達で期待できることについて
- 絵本の読み聞かせで注意したいこと
小さな子どもに絵本を読み聞かせることは、子どもの発達にとてもよいという話を見聞きしたことがある方は多いでしょう。
実際に、幼少期に読み聞かせを続けていた家庭の子どもはその経験が学力向上につながることが、2013年の文部科学省の調査結果で判明しています。
では、なぜ絵本の読み聞かせが子どもの発達にとって良いのかご存じでしょうか?
この記事では読み聞かせで得られる5つの効果と、子どもの年齢別に読み聞かせのポイント、その際の注意点などについて解説します。
読み聞かせがもたらす驚きの効果について、みていきましょう。
目次
本の読み聞かせで得られる5つの効果
読み聞かせとは、大人が子どもに対して絵本や物語などを読み聞かせることを指します。
大人が声に出して内容を朗読し、子どもは絵を見ながらそれを聞くことでさまざまな発達を促せます。以下が、その5つの効果です。
絵本の朗読で期待できる発達
- 語彙が増える
- 創造力が養われる
- 共感力が高まる
- 読解力が高まる
- 親子の絆が深まる
語彙が増える
本の読み聞かせでは普段話さないような言葉が出てくるため、子どもの語彙を増やすことが期待できます。
4歳くらいまでの子どもが普段話すのは、両親、保育士や幼稚園の先生、保育園や幼稚園の友達などが話す言葉です。
それは500種類ほどのもので、限られた単語を組み合わせて話しています。
しかし、本には普段の会話では使わない言葉がたくさんでてくるため、子どもは親の読む声を聞き、親と本の内容について会話をすることで語彙が増えていきます。
創造力が養われる
本の読み聞かせは子どもの創造力も刺激します。
絵本に含まれる情報の中からさまざまな想像をし、登場人物や世界の描写に触れることで、自分自身で物語を作り出したりアイディアを出したりするようになるのです。
これは自分で想像する余地が残っている絵本や物語ならではのことで、テレビやアニメのようにしっかり台本があったり構成ができてしまっている話では、同じ効果は期待できません。
▼子どもの創造力については以下の記事で詳しく解説しています。
共感力が高まる
絵本・物語にでてくる人や生き物やものの感情や行動を見て認識することで、子どもは他人の視点や感情が理解できるようになります。
その結果、共感力が高まるため、他者との関わり方やコミュニケーション能力が向上します。
読解力が高まる
大人が読み聞かせをすることで、子どもは物語や文脈を追い、理解する力が発達していきます。
物語の展開や登場人物の感情に触れることで、文章の意味をより深く理解するため、読解力が向上します。
すべての学問において、問題文などで文章に触れなければなりません。
そのため読解力はすべての学問において必要な能力であり、読解力を養うことが学力の向上にもつながるのです。
親子の絆が深まる
絵本や物語を読み聞かせる時間は、同じ時間を共有する触れあいタイムです。
読み聞かせをしていることで、親子の絆を深められます。
発達を促そう! 年齢別読み聞かせのポイント
年齢別に読み聞かせのポイントをみていきましょう。
それぞれの年齢層にあった読み聞かせをすることで、子どもは「読書が楽しい!」と感じるようになります。
年齢別での読み聞かせポイント
- 0~1歳:ゆっくり読んで声を聞かせる
- 2~3歳:言葉の繰り返しやリズムを楽しませる
- 4~6歳:創造力を刺激するような長い話にトライする
0~1歳:ゆっくり読んで声を聞かせる
0歳児は本を読むというより、絵本を使った触れあい遊びをするという認識です。
赤ちゃんが手で触って感触を楽しめる素材の本や、派手な色を使ったもの、大きな絵が描かれたものなどで、感情を刺激しましょう。
子どもも言葉を理解してはおらず、大人の声を聞いて覚える年齢であるため、ゆったりとしたペースで読む声を聞かせるようにしてください。
2~3歳:言葉の繰り返しやリズムを楽しませる
言葉を理解して使い始めている時期は、言葉の繰り返しやリズムを楽しませるようにすることがポイントです。
日常のできごとや、登場するキャラクターの感情を描いた本が良いでしょう。
この時期の子どもは集中力が未発達です。話の内容はわかっても飽きるため、読んでいる途中で本をめくったりすることがあるでしょう。
しかし、その行動を制止する必要はありません。子どもの突発的な行動も含めて、親が一緒に楽しむことが大切です。
子どものペースに合わせ本を読み聞かせるようにし、本が楽しいと思えるようにしていきましょう。
4~6歳:創造力を刺激するような長い話にトライする
4歳を過ぎると言葉への理解も深まりだします。
本の内容に没頭できるようにもなるため、創造力を刺激するような長めの絵本がおすすめです。
絵本のページごとに変化や展開があるハラハラするものが、子どもの興味をよく引き付けるでしょう。
また、長い本は数日にわけて読むようにすると、明日を楽しみに待つことでより読書への興味がわきます。
キリがよいところで切り上げ「今日はここまで。また明日読もうね」と予定を共有することも試してみてください。
読み聞かせをする際に気を付けたいこと
読み聞かせをする際には、次の3つのことに気を付けるようにしましょう。
読み聞かせで注意するポイント
- 時間を決めて行う
- 対話や質問を取り入れる
- 表情や声の使い方を意識する
時間を決めて行う
読書は本来、本人の気が向いたときにする娯楽です。
しかしながら、親にはやるべきことがたくさんあり、子どもが「読んで!」といったときにいつでも読み聞かせができるわけではありません。
そのため、1日の中で時間を決めて行うことがおすすめです。
たとえば就寝前やお昼寝の前など、寝かしつけ時間を利用して読み聞かせをすると、子どもも「本を読んでくれる時間だ」と認識し、継続しやすくなります。
また、親の声を聞くことで安心するため、就寝前に本を読み聞かせると子どもの寝つきもスムーズになりますよ。
対話や質問を取り入れる
絵本や物語を読む際に、子どもとの対話を取り入れるようにしましょう。
キャラクターの行動について「どう思う?」や、挿絵を指さして「これは何かな?」といった親から子どもへの質問はもちろんのこと、子どもからの「〇〇はどうしてこうなったの?」などの質問にも答えることが大切です。
質問が出ることで、子どもの本への理解や熱意を深められます。
表情や声の使い方を意識する
子どもは読み手の声や表情にとても敏感です。
親が表情豊かにして読んだり、物語の登場人物ごとに声をかえてみたり、感情に合わせて声のトーンを変えることで、子どもは興味が湧いて集中できるようになります。
子どもが大興奮するほど演技をして盛り上げる必要はありませんが、親も楽しめるため、キャラクターに没頭するつもりでやってみましょう。
子どもへの本の読み聞かせは発達を程よく刺激する
子どもへの本の読み聞かせは子どもの発達を程よく刺激して、子どもの将来の読書率を向上させます。
本を読むことは、知識を得ることに他なりません。さまざまな効果があるため、ぜひ本の読み聞かせを始めてみてください。
なお、子どもの成長は、あくまでも子どもが楽しむことで可能になります。
強制したり圧力をかけたりするのではなく、親も一緒に楽しむ気持ちを持って読み聞かせをするようにしましょう。
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