お腹の脂肪は一度つくとなかなか落としにくいものです。ウエスト周りにお肉がついてお気に入りの服を着れなくなったり、体が重くて動くのが億劫になったりした人も多いでしょう。
ここではお腹につく脂肪の正体やその原因、そしてお腹の脂肪の改善方法、そもそも脂肪を貯めないためにはどうすればいいかについて紹介します。
やみくもにダイエットを頑張るより、まずは知識をつけ、正しく対処していきましょう。
目次
お腹につく脂肪は2種類ある
お腹につく脂肪は「皮下脂肪」と「内臓脂肪」の2つがあります。それぞれの特徴や落とし方のポイントなどを紹介しましょう。
皮下脂肪
皮下脂肪は皮膚のすぐ下につく脂肪のことで、体の表面に近いため簡単に指でつまめます。原因は過剰なカロリー摂取と運動不足です。また、皮下脂肪は蓄積されるまでには時間がかかりますが、一度溜まってしまうと中々落とせないという特性があります。
男性に比べて女性の方がつきやすいのですが、それは女性ホルモンの影響によるもの。女性らしく丸みのある体を作るため、また、子宮を外的要因から守るためにも皮下脂肪をため込みやすい体になっています。
皮下脂肪を落とすためには必要なことは、蓄積の原因であるカロリーの過剰摂取と運動不足の解消です。
内臓脂肪
女性よりも男性に、欧米人よりも日本人につきやすいのが内臓脂肪です。腹筋の内側や小腸などの臓器周囲につく脂肪で、内臓と内臓の隙間を埋めるようについていきます。外から見えない脂肪であるため、外見が痩せている方でも実際には内臓脂肪が蓄積していたということも珍しくありません。
内臓脂肪の特徴は、蓄積しやすい一方で、皮下脂肪に比べると落としやすいこと。飲酒を控え偏食を改善し、運動と睡眠時間を確保していくと、割と短期間で改善できます。
また、内臓脂肪の場合は、蓄積すると悪玉物質を作り出し、糖尿病や高血圧、脂質代謝異常などさまざまな疾患の原因になります。生活習慣病リスクを高めるため、内臓脂肪を指摘されたらすみやかに生活習慣を整えるようにしましょう。
お腹に脂肪がつく原因5つ
お腹に脂肪がつく原因は、次の5つが代表的です。
- 基礎代謝の低下
- ホルモンの影響
- 筋肉量の低下
- ストレスによる過食
- 飲酒過多
基礎代謝の低下
基礎代謝とは人間が生きていくうえで最低限なくてはならないエネルギー量のこと。呼吸したり内臓を動かしたりといったことに使っており、寝ている間も生命維持のために使用しているカロリーを指します。
その基礎代謝は、加齢によって体のさまざまな細胞や器官が衰えるにしたがい低下していきます。若いころは何もせずに体形を維持できたのに、30代や40代になるとそれが難しくなったというのは、基礎代謝の低下が原因のひとつなのです。
基礎代謝が低下すると摂取カロリーをきちんと消費できず、余ったエネルギーが内臓脂肪としてお腹に蓄積されます。これが中年太りと呼ばれる現象です。
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ホルモンの影響
女性は産後に女性ホルモン・エストロゲンが減少、骨盤が横に広がることによって代謝が低下しやすくなります。そしてさらに、閉経後も同じくエストロゲンが減少することにより、脂肪が蓄積しやすくなります。
一方、男性は女性のような女性ホルモンの乱降下はありませんが、年を重ねるごとにテストステロンという男性ホルモンが低下。その結果、筋肉量が低下して基礎代謝が下がり、脂肪がつきやすい体になると考えられています。
筋肉量の低下
人が負担を感じず自由に体を動かすためには、体の大きさに合わせた筋肉量が必要です。
基礎代謝が高く成長ホルモンの分泌も多い若いころには、普通に生活をしているだけである程度の筋肉量は維持できます。インナーマッスルという深層の筋肉が内臓器官を持ち上げて正しい位置を保てるため、内臓の働きも効率的です。
しかし、老化や運動不足によってインナーマッスルの筋肉量が衰えてしまうと、胃腸などの内臓が下垂し、ぽっこり下腹部に繋がります。
ストレスによる過食
人はストレスを溜めすぎると、ドーパミンというホルモンが過剰分泌されます。ドーパミンが分泌されることで、増大するのは食欲です。つまり、イライラを鎮めるために「美味しいものをたくさん食べたくなる」のですね。
ストレスは生きるうえで必要な刺激ではありますが、過剰なストレスは食欲を増大させ、胃腸に負担がかかることでさまざまな疾患を引き起こします。
また、長期間ストレスがかかった状態が続くと自律神経のバランスが乱れるため、基礎代謝の低下も考えられるでしょう。
飲酒過多
アルコールには多くの糖質(炭水化物)が含まれていることはよく知られていますね。実は、アルコールは他の栄養素より先に代謝に使われるため、本来燃えるはずだった脂質や糖質が後回しにされ、お腹に脂肪がたまりやすくなります。
また、アルコールのお供に食べられる油物やスナック菓子などはカロリーがとても高く、エネルギーの過剰摂取に繋がります。
お腹の脂肪を減らすには「食事」と「運動」が鍵
お腹の脂肪を落とすための鍵は、食事と運動です。続いては毎日の食事と運動で、それぞれ意識したいことを紹介します。
食生活で意識したいこと
食事で意識すべきことは以下の4つです。できることから取り入れて、健康的な食事を目指しましょう。
- 食物繊維の摂取を心がける
- 規則正しい食生活を送る
- 摂取カロリーを意識する
- よく噛んで食べる
食事の際には「ベジタブル・ファースト」で、野菜から食べることが推奨されます。食物繊維が豊富な野菜は咀嚼に時間がかかり、満腹中枢をほどよく刺激します。
美味しいものを徹底して我慢する必要はありませんが、摂取カロリーを意識するようにしてみてください。意識すると多くの場合、カロリーが高い菓子パンなどは自然に食べなくなっていきます。
規則正しく食事を取り、口に入れる度によく噛むことを意識しましょう。
運動で意識したいこと
運動で意識すべきことは次の3つです。
- 毎日少しずつでいいので動く
- できるだけ歩く
- 筋トレと有酸素運動の両方に取り組む
いきなり激しい運動に取り組む必要はありません。運動不足を自認している方は、まず歩くことから始めてみましょう。家から駅まで歩く、エレベーターは使わない、隙間時間にスクワットをする、それだけでも大きな影響があります。
お腹に脂肪をつけないためには「基礎代謝」と「ストレス発散」が大事
お腹に脂肪がつく原因を突き詰めると、「基礎代謝の低下」と「ストレスの蓄積」であるとわかります。つまり、基礎代謝を維持、もしくは向上させ、ストレスはこまめに発散することが大切なのですね。
基礎代謝を上げる方法
基礎代謝は生活習慣を改善することによって改善できます。
- 睡眠はしっかり取る
- 朝ごはんを食べる
- 多忙でも食事を抜かない
- 運動する
特に、忙しいからと睡眠や食事を抜いてしまっているという方は気を付けましょう。基本的には、7時間の睡眠と1日3食取ることが人の心身には大切とされています。
ストレスの発散方法
ストレスは溜めると巨大に膨らみ、解消しにくくなってしまいます。心身が疲れ切る前に、こまめに発散するようにしてくださいね。
- お風呂にゆっくり浸かる
- 寝る
- 散歩する
- 運動する
仕事や日常生活のパフォーマンスを上げるためにも、ゆったりと過ごす時間を意識的に作りましょう。まだ、気力があれば軽く運動することがおすすめです。運動中の脳は動くことに集中するため余計なことを考えずに済み、脳も休まると言われています。
お腹の脂肪は放置NG! できるだけ早く対応を始めよう
お腹につく脂肪の種類によっては病気の原因にもなりうるため、まあいいやと諦めず、早めに改善のために動き出しましょう。
脂肪がたっぷりとついたお腹は、見た目だけではなく将来の自分の健康状態を左右します。今回紹介した行動の中で、できることから取り組んでみてくださいね。
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