健康やダイエットのため、理想の体形を手に入れるためにも筋トレを始めたいけれど、一体どのくらいの頻度ですればいいの? と悩む方もいるでしょう。
トレーニングと聞くとがむしゃらに毎日取り組むといったイメージを持つかもしれませんが、実際には筋トレを毎日することは推奨されていません。
この記事では、筋トレの頻度とその理由、頻繁に筋トレをすることで生まれるリスク、そして筋トレを行う時間についても解説します。
効果的な筋トレの頻度や時間を知り、肉体的・精神的に健康な状態を維持しながら理想の外見を目指していきましょう。
目次
筋トレの頻度は週2回〜3回 が推奨
厚生労働省によると、筋トレの頻度は週に2回もしくは3回が推奨されています。
筋肉を太く強くするためには、トレーニングによって筋線維を損傷させたあと、回復する過程が必要なためです。
特に初心者は、トレーニングを始めたばかりのときは筋線維の損傷が激しく、筋肉痛に襲われることも多いでしょう。
筋肉痛がある内は回復できていないため、痛みがなくなるまでは休むことをおすすめします。
しかし、部位を細かく分けて追い込むトレーニングができる上級者に関しては、その限りではありません。部位を分けることで日によって違う部位がトレーニングできるため、毎日でも筋トレに取り組むことができます。
筋トレの頻度を抑えるべき理由
筋トレの頻度を抑える理由は、以下の3つがあります。
- オーバートレーニングに陥るリスクがある
- 関節や腱を痛めるリスクがある
- 成果が出づらくなる
オーバートレーニングに陥るリスクがある
筋トレによって発生した疲労が解消されないままで毎日筋トレを続けると、慢性的に疲労した状態、つまり「オーバートレーニング」に陥る可能性があります。
一度オーバートレーニングになると正しくトレーニング効果が得られないばかりか、日常生活すら困難になってしまうことも。
何をしても疲れが取れず、運動どころではなくなります。オーバートレーニング症候群になると、体が十分に回復するまでに数カ月から数年かかることもあるため、注意が必要です。
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関節や腱を痛めるリスクがある
トレーニングでは筋肉と一緒に腱や関節にも負担がかかっていますが、筋肉と違って腱や関節は基本的に鍛えられません。
そのため、過度に高頻度な筋トレは、ケガや故障のリスクを高めることになります。
疲労の蓄積で成果を実感しにくくなる
疲労が蓄積すると、筋トレ自体の強度が下がります。本来扱える重量が扱えなくなり、強度が落ちることで成長も実感できなくなるでしょう。
その結果、トレーニングに対するモチベーションも下がってしまいます。
程度の差こそあれ、基本的に筋トレはつらく厳しいものです。成果が見えずモチベーションが下がってしまうと、トレーニングの習慣化は困難になってしまいます。
筋トレで大切なのは頻度ではなく「超回復」
筋肉の成長には、適切な休息が不可欠です。
筋肉は、負荷をかけて伸縮させることで筋線維にダメージを与え、休息をとることでダメージを修復し、その結果、以前よりも強く太い筋線維を作っています。
トレーニング後の休息期間は筋肉の修復のみならず新な線維の合成も行われ、これを「超回復」と呼びます。
つまり、筋肉を強靭かつ太くするためには超回復が必要であるため、トレーニング後には休息時間が必須なのです。
筋トレの後、24時間から48時間の間は体への刺激が維持されるため、同じ部位の筋トレに関しては48時間以上あけるようにしましょう。
休息時間が十分でない場合は筋肉に過度のストレスと負担がかかり、返って成長を妨げることになります。
超回復に男女差はあるのか
筋トレの頻度については男女で大きな違いはありません。
しかし、一般的に男性の方が筋肉量が多いため回復に時間がかかると考えられています。
固体差があるうえにトレーニングの強度や鍛える部位、メニューによっても異なりますが48時間以上は同じ部位に刺激を与えないようにしましょう。
筋肉痛が残っている場合は回復が十分ではない
前述した通り、筋肉痛が残っている部位の筋トレは止めておく方がよいでしょう。
筋肉痛は筋肉がトレーニングによって断裂、炎症をおこしている状態ですので、体は痛みやこわばりを出すことで、その箇所を不用意に動かさないようにさせています。
痛みがあるということは、まだ回復していないということです。その状態で筋トレを重ねると、ケガのリスクが増加します。
筋トレ時間はどのくらいが理想的?
筋トレに当てる時間は、1回約60分以内が推奨されています。
ターゲットとなる筋肉に、1時間以内で繰り返し効果的な負荷を与えることが大切です。
1時間内でのトレーニング内容は何を目的にするかによって異なりますが、健康維持やダイエットのために行いたいトレーニングでの内容は、次の通りです。
①太もも、お尻、背中、胸などの大きい筋肉を最初に鍛える(20分)
8回〜12回を1セットとして最低3セット行う。スクワット、懸垂、デッドリフトなど。
②腕、ふくらはぎ、お腹などの小さい筋肉を鍛える(20分)
8回〜12回を1セットとして最低3セット行う。腹筋、カーフレイズ、ダンベルカールなど。
③有酸素運動で脂肪を燃焼させ、汗をかく(20分)
縄跳び、ランニング、フィットネスバイクなど。
上級者の場合は、その日に鍛える部位だけをやはり1時間程度で鍛えていきましょう。
トレーニング効率が良いため、大きい筋肉→小さい筋肉→有酸素運動という流れは同じです。
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初心者は短時間でもOK
初心者はとにかく「取り組む時間は短くてもよいので筋トレを習慣化する」ことを目指しましょう。体は急に変化はしないため、継続が大切です。
1時間にこだわるとトレーニングのつらさに耐えきれなくなる方もいますので、習慣化させるためにまずは5分間トレーニングしてみてください。
1日10回スクワットをすると決め、どのタイミングでもいいのでスクワットを10回繰り返します。10日間続けたら、それを2セット行うといったように徐々に増やしていきましょう。
長時間のトレーニングは逆効果
トレーニング中は交感神経が刺激され続けるのですが、それが長時間になるとコルチゾールというストレスホルモンの分泌が増加します。すると筋肉の分解が進み、成長とは真逆のことが起こってしまいます。
また、長時間のトレーニングは肉体的疲労のみならず、精神的な疲労ももたらします。長時間にわたって集中することは誰にとっても困難で、トレーニングの質の低下やフォームの乱れにつながるのですね。
安全性が損なわれる危険性もあるため、長時間のトレーニングはおすすめしません。
実際に、1回2時間のトレーニングを週に2回するのであれば、40分を週3回する方が効果がでやすいという研究結果もあります。
新潟大学、西九州大学、エディス・コーワン大学の共同研究では、集中して筋トレを行うよりも筋トレの負荷を軽くして週に行う頻度を増やしたほうが、良好な結果であったと報告されています。
参考:RG保健指導リソースガイド「運動はどれくらいやると良い? 週1回だけの運動ではダメ? 加齢にともなう筋肉の減少を防ぐために」
筋トレ頻度は週に2〜3回が理想! 筋トレ効果を上げるためには休息が必須
筋肉がしっかり刺激されて強く、大きくなるには、週に2回ないしは3回程度、1時間ほどのトレーニングが効果的であるとされています。筋肉は損傷からの回復という過程が必要なため、トレーニング後は必ず刺激した部位を休ませるようにしましょう。
適切な頻度と適切な負荷によるトレーニングが、心身のためにもなります。何事もやりすぎるとよくありません。少しずつで構いませんので、継続してトレーニングすることを目指してくださいね。
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