多くの親御さまは、子供を褒めてのびのびと育てたいと思っていることでしょう。
しかし多忙な毎日の中で、実際には褒めるよりも叱ることの方が増えていると悩む方もたくさんいます。
しかしながら、ただ褒めればそれでいいというわけではありません。正しい子供の叱り方があるように、子供を褒める方法というものもあるのですね。
この記事では、子供の褒め方のポイント、そして褒める際の注意点について解説します。
育児中はなかなか精神的ゆとりを持つことが難しいですが、普段から機会を見つけ「子供を伸ばす褒め方」を実践してみましょう。
じっくりと子供の可能性を広げ、親子の笑顔を増やしてくださいね。
目次
多くの大人は「褒め力」が不足している
教育評論家を中心にした新しい子育て習慣を発信・啓発する「ほめ写プロジェクト」が実施したインターネット調査によると、子供の自己肯定感は大事だと思い伸ばしたい気持ちはあるけれど、特に意識して取り組んではいないと答えた親が6割にもなることがわかりました。
画像出典:PRTIMES「ほめ写プロジェクト調査結果」
多くの親は、子供の「他人を思いやる気持ち」や「自己肯定感」「目標に向けて努力する力」を育みたいとは思ってますが、叱るよりも褒める方が難しいと感じているようです。
画像出典:PRTIMES「ほめ写プロジェクト調査結果」
参考:PRTIMES「95%の親は「子どもの自己肯定感は大事」と思う一方で、約6割の親は「意識して行っていることはない」と回答パパママは”ほめ力不足“? 6割が「叱る」より「ほめる」方が難しい実態」
子供を褒めることによって得られるもの
子供を褒めることによって得られるものは「子供の健全な自己肯定感」と「深い親子関係」です。
人は誰かに認められたと感じることが、自分に自信を持たせます。特に子供にとって親は特別的な存在。
その親から褒められることで自信がつき、自信がつくと考え方が前向きになり、積極性を育めるようになるのです。
また、親が自分をしっかり見てくれていることがわかり、より親を信頼するようになります。
ちなみに、子供の自己肯定感が低い場合に見受けられる行動は、以下の通りです。
- 暴力行為が出やすくなる
- 人間関係がうまくいかない
- 自分で判断できない
- 授業の理解度が低い
- 遅刻や欠席が多い
など。
子供の自主性やチャレンジ精神を育むには、親が子供を褒めることが効果的です。
子供の可能性を広げよう! 褒めるときの4つのコツ
子供の可能性をどんどん広げるため、親ができる子供を褒めるときのコツをみていきましょう。
- 具体的に褒める
- 短い言葉で褒める
- 結果ではなく過程や努力を褒める
- 感謝の言葉を添える
具体的に褒める
子供の何かを褒める際には、より具体的に親が見ていることを伝えることが大切です。
たとえば駆けっこでよい順位を取ったなら「よく腕が振れていたね」や「一生懸命練習していたものね」などといったように、その努力や過程を褒めるようにしましょう。
何を頑張ったから子供が目標を達成できたのか、本人が気づけるような褒め方ができれば「努力を認められた」ことが子供にも伝わります。
短い言葉で褒める
褒めるつもりでもあまりダラダラと長い話をすると、子供は集中力がすぐに切れ、途中から話を聞けなくなります。そのため、短くシンプルで、わかりやすく褒めるようにしましょう。
「色が素敵な絵だね」「この絵はキレイだね、たくさんの色を知っているんだね」といったように、ただ「絵がうまい」ではなく具体的かつ短い言葉を使うことがポイントです。
結果ではなく過程や努力を褒める
結果はとても大切なものですが、子供を褒めるときには結果ではなくその過程や努力を褒めるようにしましょう。
結果だけを褒めると、子供は褒められる喜びを得るために得意な分野ばかりに目がいくようになってしまいます。
さらに結果がすべてと思い込むと、失敗を恐れて新しいチャレンジをしないようになる可能性もあるでしょう。
努力や過程を褒められた子供は「努力は大事なこと」という価値観が生まれます。成功だけに執着せず、困難な課題にも取り組むようになれるのです。
感謝の言葉を添える
褒めることは、子供の感情面でも成長を促します。
子供が家事のお手伝いをしたり、幼いきょうだいのお世話をした場合などは、褒める言葉とともに感謝の言葉も添えるようにしましょう。
「ありがとう、助かったよ」という言葉は、一人の人間として頼られ、感謝されたということ。子供にとって最高の誉め言葉です。
子供を褒めるときに注意すること
子供を褒めるときに注意することは、次のようなものがあります。
- 褒め殺しはしない
- 他の子と比べる発言はしない
- 子供の才能は褒めない
- 褒めながらけなさない
- 物質的な報酬は控える
褒め殺しはしない
褒めることは子供にとって大切ですが、何でも褒めればよいというものではありません。また、褒めることは叱らないこととは関係ないこと。
褒めることは褒め、ダメなことは叱るようにすることが、子供の健全な発達には必要です。過度に褒めてしまうと、子供は現状で満足してしまうこともあるでしょう。
向上心が生まれず、結果がどうあれ頑張ったのなら良いと自分で判断し、物事を終わらせることなく惰性で続けてしまう恐れもあります。
特に学力やスポーツなど、結果が求められるシーンにおいては、過度に過程ばかりを褒めることは考え物です。
大切なことは、褒めるポイントと叱るポイントを見極め、メリハリをつけること。褒めることと甘やかすことは異なると理解しましょう。
他の子と比べる発言はしない
他の子と比べて褒めるようなことはNGです。
「〇〇さんよりも早くできてえらいね」や「他の子よりも高い点数だったね」といった言葉は、子供に優越感や劣等感を植え付けます。
そして他人に勝てば親は褒めてくれると考えるようになると、すべてが競争になり、子供の人間関係にも大きな影響を及ぼすでしょう。
過剰な競争意識は集団生活ではトラブルのもとです。他の子と比べて褒める、もしくは叱るという行為は避けるようにしてください。
他の子の結果を気にせず、我が子の結果や過程、努力に目を向けるようにしましょう。
子供の才能は褒めない
結果ばかりではなく努力や過程を見ることにつながるのですが、子供が生まれ持った才能ばかりを褒めるのはやめましょう。
たとえば、走るのが早い子、絵が上手な子、木登りがうまい子、小学校入学前から算数の計算ができる子など、特に努力しなくても一般的水準より高い技能を発揮することがあります。
しかし親がそればかりを褒めていると、他のことに対し、チャレンジ精神をなくしてしまう可能性があるのです。
それだけでなく、その才能を使っても得意分野でうまくいかなかったときに、自分には価値がないと思い込んでしまう可能性も少なくありません。
元々才能があることに関しても、努力をしたらそれを褒めるようにしましょう。
褒めながらけなさない
大人はアドバイスのつもりで、褒めながらもけなしてしまうことがあります。
たとえば、学校で一生懸命作った工作を家に持って帰ったときに「これは素敵でよくできているけれど、ここはもうちょっとこうしたら良くなるよ」などと親に言われた場合、子供の内心に残るのは褒められたことではなく、けなされたことです。
まずは褒めましょう。どんなことで苦労したかなどの話を聞いて、そのうえでアドバイスをするかを決めます。
物質的な報酬は控える
子供が輝かしい出来を収めたとき、喜びのあまり物質的な報酬をあげてしまうことがあるかもしれませんが、それは控える方が賢明です。
お小遣いや新しいゲームなどの報酬を与える代わりに努力をすることに子供が慣れてしまうと、報酬なしでは努力できなくなる可能性があります。
物質的な報酬は、あくまでも特別にとっておいてください。
子供の褒め方にはコツと注意点がある! 結果も大事だが過程に注目しよう
子供の自尊心や自己肯定感、チャレンジ精神などを育てるにあたって、親の褒め方が大きく影響します。
大切なことは、適切なタイミングで心地よく褒めること。何でもかんでも褒めればよいということではなく、メリハリをつけて努力を認めることです。
今回解説した褒め方のコツや注意点を、ぜひ子育てに取り入れてみてくださいね。
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