プール(水泳)に通わせることは、子どもの習い事としてとても人気があります。
小さなころから運動をさせると体作りに良いという認識を持っている親御さんはたくさんいますが、プールを子どもの頃からすることによるメリットは、体力面だけではありません。
この記事では、子どもの習い事で高い人気を誇る「プール」について、メリットや年齢に関するQ&A、そしてプールに通う際の注意点について解説します。何か習い事をさせたいと考える親御さんは、ぜひ参考にしてください。
▼子どもの習い事については以下の記事でも解説しています。
目次
子どもの習い事で高い人気!プールのメリット6つ
プール(水泳)は、男女ともに人気のある習い事です。
以下の図は厚生労働省による『性別にみた習い事の種類』ですが、水泳は男女共に習う数が多くなっています。
画像出典:厚生労働省「子どもの生活の状況」
プール(水泳)のメリットは、次の6つが代表的です。
- 体力や持久力がつく
- 心肺機能が向上する
- ケガのリスクが少ない
- プールの授業で困らなくなる
- 水を怖がらなくなる
- 空間認知能力を鍛えられる
体力や持久力がつく
プールで泳ぐことは全身運動です。
水の中で圧力を感じながらの動きを通じて体のさまざまな筋肉をバランスよく鍛えられます。さらに泳ぎながら呼吸をコントロールして長時間活動するため、体力や持久力がつきます。
そして水中では一定の体温を維持するために、体温調節機能の向上が見られます。
また、水流や水圧が皮膚を通して毛細血管への刺激となる結果、血液循環がよくなることが免疫力の向上にもつながるため、風邪を引きにくい体になれるのです。
心肺機能が向上する
水中では呼吸をコントロールしながら動くため、肺や気管支などの心肺機能を高められます。
学校での体育の走る競技で疲れにくくなったり、小児喘息が改善するケースも見られるため、陸上のスポーツよりも水泳をすすめる小児科医はたくさんいるようです。
ケガのリスクが少ない
スポーツの習い事にはケガがつきものです。
しかしプールでの運動は運動量が多い割にケガをしにくいという特徴があります。
稀に泳いでいる子ども同士でぶつかるということはあるかもしれませんが、陸上競技に比べると出血や打撲を伴うような大きなケガにつながる可能性は低いでしょう。
プールの授業で困らなくなる
プールの授業は、都道府県によってレベルがかなり異なります。
水に浸かればOKのところもあれば、小学生でも遠泳を課題とする学校もあるようです。いずれにせよ、プールを習っていれば泳ぐことに恐怖がないため、学校の水泳の授業が嫌だという気持ちは起こりにくいでしょう。
水を怖がらなくなる
毎朝洗面所で顔を洗ったり夜にお風呂で頭を洗ったりする際に、顔を水(お湯)につけることを怖がる子がたくさんいます。
しかしプールに通わせることで、インストラクターから無理なく水に慣れるやり方を学ぶため、水泳を始めてから水を怖がらなくなったという話は多くあります。
子どもが怖がっていることをさせるのは親も心が痛みますし負担ですが、顔を洗わせない、お風呂に入らせないというわけにはいきませんよね。
日常生活において水を怖がらなくなると親子ともに負担が軽くなります。
空間認知能力を鍛えられる
水中では見ずの浮力を使い、重力に影響されることなく自由に体を動かします。
その中で、空間認知能力、すなわち手足が今どのような状態にあるかを頭の中で三次元的にイメージする力が養われます。
空間内での物体の配置や運動のパターンを理解・把握しやすくなることは、他の運動や数学、科学などの理解にも役立つもの。
また、創造力を向上させることも期待できます。
▼こちらの記事で子どものイマジネーション、空間認知能力について解説しています。
子どもの習い事「プール」と年齢に関するQ&A
子どもの習い事として人気が高いプールと、疑問が湧くことの多い年齢に対するQ&Aをみていきましょう。
Q1:何歳から始められる?
キッズスイミングでは、0歳から通える教室がたくさんあります。
首がすわったら0歳からでも親子スイミングで始められます。まだ自我が発達していない状況で水に慣れさせることは、小さな内に水への恐怖心を取り除けるだけでなく、適度な全身運動ができます。
Q2:何歳からのスタートが最適?
運動神経の発達という観点から見ると、4歳までに始めることがおすすめです。
人類学者のリチャード・スキャモン氏は、神経の発達は4歳頃に全体の約8割が完了すると述べています。神経の発達期間が終わる前にさまざまな経験で子どもの神経に刺激を与え、「運動神経を良くする」ことが重要です。
そこで、神経が急速に発達する4歳までに始めると、十分に刺激できると考えられます。
参考:スポーツ健康科学研究, 35号, pp.1-16.「発育発達と Scammon の発育曲線」
Q3:何歳まで続けられる?
水泳は、成人しても高齢者になっても心身にとって効果的なスポーツです。
したがって、やめる時期は特にないと言えるでしょう。多くの場合、学校の卒業や部活の開始など、環境が変わる際に習い事を辞めるようです。
水泳の選手コースのように懸命に泳がずとも、浮力を感じて楽しく泳ぐために続ける方もたくさんいます。バランス感覚を養い全身の筋肉を刺激し、ストレスを発散できる水泳は、趣味として続けることもおすすめです。
プールに通う際の注意点
子どもをプールに通わせる際には、以下の2つに注意しましょう。
- 最初は体験レッスンに通う
- プールの後はシャワーで体を洗う
最初は体験レッスンに通う
プール教室はいくつかの中から選ぶようにしましょう。その際いきなり入会するのではなく、短期レッスンや体験レッスンを受けてみることがおすすめです。
体験レッスン中に、親は子どもの様子をしっかり観察するようにしてください。子どもが楽しくできるかどうかが、習い事を継続する鍵です。
ただし、最初は楽しんでいた子も周囲の子との習得の差に気付いたり、思ったよりも負担に感じた場合などに、やる気を失うことがあります。
体の発達も個体差があるため、無理をして習わせる必要はありません。そのようなときは継続を一度やめ、やりたいと本人が感じたときに再スタートすればよいと考えるようにしましょう。
また、継続して通いやすい立地か、設備や環境が整っているか、クラスの人数は多すぎないかなども確かめるようにしてください。
プールの後はシャワーで体を洗う
プールには衛生面を保つために塩素が溶かされているため、子どもによっては喘息がひどくなる場合があります。もし不安な場合は、先に担当の小児科医に相談することがおすすめです。
また、子どもの柔らかい肌が敏感に反応し、肌が乾燥してかゆくなることもあります。そのため、プールのあとはしっかりシャワーで体を洗い流すか、帰ってすぐにお風呂に入るようにしましょう。
プール(水泳)は人気の習い事! 子どもの心身をスムーズに鍛えよう
プールで泳ぐという行動は、想像以上に多くの効果やメリットがあります。早い段階からスタートすることで、筋力・体力・持久力の向上につながるだけでなく、脳へも良い影響が期待できます。
ただし、最も大切なことは、子どもの興味や発達状態、ペースを尊重することです。複数のプールを見学し、子どもが通いたい、楽しかったと話す水泳教室を見つけてくださいね。
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