- ケトルベルの概要とダンベルとの違いについて
- ケトルベルのトレーニング効果と重量の目安について
- ケトルベルを使った4種のトレーニングについて
ジムや筋トレで使う代表的なアイテムにはダンベルがありますが、ケトルベルはご存じでしょうか?
ケトルベルは鉄球に取っ手がついた形をしている、フリーウエイトトレーニングアイテムの一種です。
ケトルベルは原始的なダンベルと言えます。しかしながらダンベルとは異なる形をしており、異なる筋トレ効果が期待できます。
ケトルベルの使い方や、基本的なトレーニング方法を知りたいという方のため、この記事ではケトルベルについて解説します。
ケトルベルトレーニングで期待できる効果や購入の際の重量目安、そして基本のトレーニングメニューについて説明しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
ケトルベルは最古のフリーウエイトトレーニングアイテム
ケトルベルは鉄球に取っ手がついたトレーニング器具で、最も古い歴史を持つウエイトトレーニングのアイテムです。
やかんのような見た目をしていることからケトルベルと呼ばれています。元々は農作物を量る分銅として使われていました。
取っ手がついていて持ちやすいこと、そして重さごとに作られていることなどが注目され、ヨーロッパで軍隊やアスリートたちが、トレーニングアイテムとして使用し始めました。
特徴は大きなハンドル(持ち手・取っ手)がついていることです。片手でも両手でも握りやすく、重さや使い方を変えることで、トレーニングからリハビリまで活用できます。
また、握っている場所よりも重心が先になるため、ダンベルとは異なる刺激を筋肉に与えられます。
一般的な使い方は、手で握って振り回すやり方です。ダンベルやバーベルに比べて操作性が高く、単一の筋肉への刺激だけでなく全身の筋肉をも刺激できます。
ケトルベルの効果
ケトルベルは「振り回しやすい」という他のトレーニングアイテムにはない特徴を持ちます。
そこで得られる効果が、以下の4つです。
- 筋持久力の向上
- 筋力の向上
- 体幹の強化
- 脂肪燃焼
ケトルベルトレーニングでは大きな重量を振り回す動きになることから、筋力はもちろんのこと、全身の持久力の向上も期待できます。
多くの筋肉を連動させて瞬発的な動きを繰り返すことでエネルギー消費が増えるため、心肺機能の強化に効果的です。
また、ダイナミックで不安定な動作が多く、体幹も自然に強化されます。
大きくて断続的な動きはHIITと似たような効果が得られるため、脂肪燃焼も効率的に行えます。
ケトルベルの重量の目安
最適な重量は人によって異なりますが、大きく初心者・中級者・上級者に分け、男女別にした際のおすすめの重量を紹介します。
- 初心者:8kg
- 中級者:12lg
- 上級者:16kg
- 初心者:6kg
- 中級者:8lg
- 上級者:12kg
ケトルベルは可変式ダンベルやプレートを足すバーベルのように、重量の調節はできません。
重すぎると怪我につながり、軽すぎるとトレーニング効果が弱まるため、使用する際には目安を参考にしていただくか、実物を手に取って確認してみましょう。
ケトルベルを使った基本的な部位別トレーニング
ケトルベルを使って、全身の部位別に基本的なトレーニングをしてみましょう。
以下の4種目のやり方を説明します。
- 【全身】スイング
- 【背中】ロウ
- 【胸】フロアプレス
- 【下半身】ゴブレットスクワット
【全身】スイング
スイングはケトルベルの最も基本的なトレーニングメニューです。
両手でケトルベルを持ち、大きく前後に振ることでお尻や太ももの裏を中心として全身を鍛えられます。
初心者から上級者までおすすめできるトレーニングですよ。
スイングのやり方
- 肩幅よりも広めに両足を開いて立つ。
- スクワットのように屈み、ケトルベルの取っ手を両手で持つ。
- 背中を伸ばし、両膝を少し曲げて足を地面にしっかりとつけ、屈んだ状態から立ち上がりながら胸の前までケトルベルを振り上げる。
- 胸より上には上げないようにして、両膝を曲げつつ両足の間に振り下ろす。
- 振り上げて、振り下ろすを10回繰り返す。
- 10回で1セットとし、3セット行う。
腰は曲がらないように伸ばし、ケトルベルを振り上げる際に息を吐き、振り下げる際に息を吸いましょう。
【背中】ロウ
ロウは「引く」と言う意味で、腕を引く動作によって背中の筋肉を鍛えます。
上半身を逆三角形にしたい方は、背中をしっかり鍛えていきましょう。
ロウのやり方
- ケトルベルを右手に持ち、壁の前に立って左手を壁につける。
- 腰を真っ直ぐにしたままで下ろし、前かがみになる。
- 息を吐きながら、みぞおちに向かってケトルベルを引き上げる。
- ゆっくりとケトルベルを下ろす。
- 上げる、下ろすを10回繰り返す。
- 10回で1セットとし、3セット行う。
- 左右を逆にして同様に行う。
胴体はできるだけ動かさず、肘だけを上げる意識で行いましょう。壁ではなく、ベンチに片手と片膝をつける状態でもできます。
【胸】フロアプレス
フロアプレスはベンチプレスのようなトレーニングで、胸の筋肉・大胸筋を鍛えます。
ケトルベルを片手で持ち、寝転んだ状態で天井へ突き上げることで、片胸ずつじっくり鍛えていきましょう。
フロアプレスのやり方
- 床の上に寝転び、右体側を床につけて横向きになる。
- 右手でケトルベルをつかみ、左手を添える。
- ケトルベルを持ったまま全身で転がるように仰向けになり、ケトルベルを胸の上で持つ。
- 右手で持ったケトルベルを胸の上から天井に向かって突き上げる。
- 息を吐きながら、右ひじが床につくまで下ろす。
- 上げる、下ろす、を10回繰り返す。
- 10回で1セットとし、3セット行う。
- 左右を逆にして同様に行う。
脇は開きすぎず、肩をすくめないように気を付けましょう。
ケトルベルが落ちて肩や胸を怪我しないよう、最初は横向きに寝てケトルベルを持ち、両手で持った状態で仰向けになってください。
【下半身】ゴブレットスクワット
ゴブレットスクワットはケトルベルを胸の前で持ったまま行うスクワットです。重心が前にいきにくいため、バーベルを背負ったスクワットに比べて腰痛が起きにくくなります。
お尻を引き締め、アップさせたい方におすすめです。
ゴブレットスクワットのやり方
- ケトルベルを胸の前で両手で持って真っ直ぐに立つ。
- 足は肩幅程度に開く。
- つま先を外へ向け、かかとに重心をのせてお尻を後ろへ突き出しながら、息を吐きつつしゃがむ。
- 息を吐きながらゆっくりと立ち上がる。
- しゃがむ、立ち上がるを10回繰り返す。
- 10回で1セットとし、3セット行う。
腰は丸めず、真っ直ぐに保ちましょう。
しゃがむ際に息を吸い込み、腹圧をかけることで腹筋も刺激します。
ケトルベルの特徴を生かしてトレーニングしよう
ケトルベルは原始的なトレーニングアイテムですが、実用性の高さは証明されており、リハビリから高強度のトレーニングにまで使えます。
ただし、ダンベルやバーベルと比べて取り扱いが少々難しく、正しいフォームでトレーニングをしないと怪我のリスクが高まる器具でもあります。
最初にフォームを覚えるまでは、できればトレーナーの指導を受けるようにしましょう。
重量の調節機能はないため、まずはジムなどで見かけたら手に取り、どのくらいの重さが最適かを確かめてみてくださいね。