梅雨が明けたとたん、公園で少し遊んだだけなのに子どもの顔が真っ赤になって、大人より先にぐったりしてしまった――そんな経験はありませんか。
「体力があるはずの子どもなのに、なぜ?」と不思議に思う方も多いのですが、実はこれ、子どもの体の仕組みからすると自然な反応です。今回は子どもと大人の体温調節の違いと、暑さに負けない体を育てる「暑熱順化」について、少し詳しく掘り下げてみます。
目次
子どもは「小さな大人」ではない、体温調節のしくみ
子どもの体は、体重に対する体表面積の割合が大人よりもかなり大きく、乳幼児では成人の約3倍にもなると言われています。表面積が大きいということは、周囲の気温や照り返しの熱を体に取り込みやすいということでもあり、暑い環境では大人よりも早く体温が上がりやすい構造になっています。
さらに、子どもは汗腺の数自体は大人とほぼ同じに生まれつき備わっているものの、実際に汗を分泌できる「能動汗腺」の働きが未発達で、1つあたりの発汗量が大人より少ないことが研究で報告されています。体温を下げる主な手段である発汗が十分に使えない分、子どもの体は皮膚(特に頭や胴体)の血流を増やして熱を逃がそうとする代償反応で対応しています。この仕組みは効率があまり良くないため、大人以上に体温が上がりやすく、熱中症のリスクが高くなりやすいと言われています。「体力がない」のではなく、「体の仕組み上、暑さの影響を受けやすい」というのが実態に近いようです。
汗をかける体は2週間でつくられる「暑熱順化」の科学
体を暑さに慣らしていく「暑熱順化」は、汗腺そのものを鍛えるトレーニングとも言えます。軽めの運動であれば約2週間、強度の高い運動であれば数日〜1週間程度で心拍数や血液量といった循環機能の適応が始まるとされますが、発汗量の適応はそれよりゆっくりで、2週間目まで少しずつ向上を続けることが分かっています。裏を返せば、暑くなり始めたこの時期に運動する習慣がないまま夏本番を迎えると、体は「汗をかく準備」が整わないまま高温にさらされることになります。しかも厄介なことに、この順化効果は一度獲得しても、2週間ほど何もしないと元に戻ってしまう「消えやすい適応」でもあります。一度暑さに慣れたら終わりではなく、続けることに意味があるわけです。
面白いのは、子どもの汗腺は季節によっても変化する点です。春先と比べて夏場は発汗量がおよそ1.5倍に増えるという報告もあり、体は数か月単位で少しずつ「夏仕様」に調整されていきます。梅雨明け直後に急に真夏日が続くと、この調整が追いつかず、体調を崩しやすい子が増えるのも納得できる話です。
親子で無理なく進める、暑熱順化の実践ポイント
暑熱順化のために特別な運動は必要なく、「やや暑いと感じる環境で、ややきついと感じる強度の運動を1日30分程度、毎日続ける」ことが基本とされています。ウォーキングや外遊び程度でも十分に効果があるとされ、大切なのは強度よりも継続です。実践する際は、次のような点を意識すると無理なく続けられます。
- 気温の高い時間帯を避け、朝や夕方の比較的涼しい時間に体を動かす
- 「のどが渇く前」に水分を取れるよう、休憩のタイミングをこまめに作る
- 暑さ指数(WBGT)が高い日は屋内の涼しい環境で強度を調整する
- 子どもが顔を真っ赤にしてぐったりしていないか、大人が客観的に観察する
実は大人も油断できません。在宅時間が長くなり運動量が落ちると、筋肉量とともに基礎代謝が下がり、体からの熱産生自体が減って「暑さに弱い体」になっていきます。1日20〜30分程度の有酸素運動を続けるだけでも発汗機能は回復していくとされているので、子どもの暑熱順化に付き合いながら、大人自身の体づくりも一緒に進められると一石二鳥です。
親子で体を動かす習慣づくりを
NEIGHBORFITでは、この時期だからこそ無理なく体を動かす時間を持つことをおすすめしています。まずは体験レッスンから、今の体の状態に合わせたペースで始めてみませんか。
NEIGHBORFITでの取り組み
登戸駅から徒歩5分のNEIGHBORFITでは、0〜36ヶ月、3〜6歳、7〜9歳と年齢に合わせた「運動あそび教室」を行っています。まだ体温調節の仕組みが発達段階にある小さなお子さんも安心して参加できるよう、最大5名程度の少人数制で、一人ひとりの様子を見ながらレッスンを進めているのも特徴です。汗ばむくらい体を動かした後は、ボーネルンドプロデュースの「あそびの空間」で自由に遊びながらクールダウンする時間も楽しめます。
また、保護者の方にはパーソナルトレーニングやヨガ、TRXグループトレーニングもご用意しています。子どもの送り迎えのついでに、大人自身も有酸素運動で「暑さに強い体」を育てる時間にしていただけたらうれしいです。
まとめ
子どもが大人より暑さに弱く見えるのは、気合いや体力の問題ではなく、体表面積や汗腺の発達段階といった体の仕組みによるものです。暑熱順化は特別なトレーニングではなく、日々の軽い運動の積み重ねで、しかも継続してこそ効果が保たれるものだと分かると、日常の外遊びや散歩の一歩の意味も変わってくるのではないでしょうか。この夏は、親子でこまめに体を動かしながら、無理なく「暑さに慣れる力」を育てていきましょう。
