「日中は真夏日なのに、朝晩はちょっと涼しい」。そんな8月後半のこの時期、なんとなく体がだるい、肩が重い、よく眠れない…そんな感覚はありませんか。実はそれ、気のせいでも夏バテの延長でもなく、「寒暖差疲労」という体の仕組みが関係しているかもしれません。登戸で暮らしていると、多摩川沿いの風が涼しく感じられる朝と、日差しの強い日中との差を特に感じやすい時期でもあります。今日は、この時期特有の不調の正体と、体を動かすことでできる備えについてご紹介します。
「寒暖差疲労」とは何か
寒暖差疲労とは、気温の変化に体を適応させようとして自律神経が過剰に働き、その結果として蓄積する疲労のことを指します。人の体は、暑いときは血管を広げて熱を逃がし汗をかき、寒いときは血管を収縮させて熱を逃さないようにする、という調整を自律神経(交感神経・副交感神経)を通じて行っています。この調整自体は本来ごく自然な働きですが、気温差が大きいとその分エネルギー消費が増え、疲労として蓄積しやすくなると言われています。
目安としてよく言われるのが「気温差7℃前後」です。1日の最高・最低気温の差、あるいは室内外の気温差がこのラインを超えると、体調不良を訴える人が増える傾向があるとされています。愛知医科大学で気象と体調不良の関係を専門的に研究している佐藤純医師(天気痛外来を日本で初めて開設したことで知られる医師)によれば、動物実験において気温が急に下がると交感神経の興奮が起こることが確認されているそうです。真夏日と涼しい朝晩が同居するこの時期は、まさに自律神経がフル稼働している状態と言えるかもしれません。
実は「筋肉量」が最大の防御力になる
ここが意外と知られていないポイントですが、寒暖差への強さは筋肉量と深く関わっています。骨格筋は体重の約4割を占め、基礎代謝の約2割を担う、体内でも有数の”熱をつくる工場”です。筋肉が収縮するときに発生する熱が体温を支えており、筋肉量が少ないとこの熱産生の力そのものが弱くなります。結果として、体温調節を自律神経により大きく依存することになり、寒暖差の影響を受けやすい体になってしまうのです。
一般的に、筋肉量が1kg増えると基礎代謝は1日あたり十数kcal程度増えると言われています。数字だけ見ると小さく感じるかもしれませんが、これは「勝手に熱をつくり続けてくれる装置」が増えるということ。日々の運動不足が、実は真夏日と冷房、そして季節の変わり目の気温差という三重の負荷に対して、体を無防備にしてしまっている可能性があるのです。
ウォーミングアップが効くのには理由がある
もう一つ興味深い研究があります。2023年に大阪大学と量子科学技術研究開発機構が発表した研究では、骨格筋がわずかな温度の変化をタンパク質レベルで感知し、パフォーマンスに影響を与えることが明らかにされました。つまり「体を軽く温めてから動く」というウォーミングアップの効果は感覚的なものではなく、筋肉そのものが温度変化に敏感に反応する仕組みに裏付けられているということ。気温が不安定なこの時期こそ、運動前後の体温管理を意識する価値があると言えそうです。
体を動かす習慣、見直してみませんか
筋肉量を無理なく増やしていくには、自己流よりも体の状態に合わせたサポートがあると続けやすいものです。NEIGHBORFITでは少人数制のパーソナルトレーニングで、一人ひとりの体力や生活リズムに合わせたメニューをご提案しています。
今日からできる、寒暖差に負けない体づくり
大がかりな対策は必要ありません。むしろ激しい運動よりも、軽めの有酸素運動を続けることの方が体温調節機能を整えるうえでは効果的とされています。具体的には次のようなことから始めてみてください。
- 1駅分歩く、階段を使う:1日20分程度のウォーキングを目安に、汗ばむ程度の軽い運動を習慣にする。
- 湯船に浸かる:38〜41℃程度のお湯に首までしっかり浸かり、自律神経が集まる首まわりを温める。シャワーだけで済ませがちな時期こそ意識したいポイントです。
- 首・肩を冷やさない:冷房の効いた室内では、薄手のストールなどで首まわりの冷えを防ぐ。
- 室内外の気温差を小さくする:冷房の設定温度を外気との差が大きくなりすぎないよう調整する。
いずれも特別な道具は不要ですが、続けるとなると一人では張り合いがなくなってしまうことも多いものです。だからこそ、決まった時間に体を動かす「場」を持っておくことが、結果的に一番続けやすい対策になったりします。
NEIGHBORFITでの取り組み
登戸駅から徒歩5分のNEIGHBORFITは、「運動で心と身体を整える」をコンセプトに、パーソナルトレーニング、ヨガ、TRXグループトレーニングなどのプログラムをご用意しています。TRXは自重を使ったサスペンショントレーニングで、体幹や全身の筋肉にバランスよくアプローチできるのが特徴。少人数制(最大5名程度)で行うため、フォームの確認やその日の体調に合わせた強度調整がしやすいのもポイントです。自律神経を整えるという観点では、ヨガのクラスもこの時期には特におすすめです。
また、施設にはボーネルンドプロデュースの「あそびの空間」を併設しており、0〜36ヶ月、3〜6歳、7〜9歳と年齢別の運動あそび教室も開催しています。大人がトレーニングをしている間、お子さんも一緒に体を動かして楽しめる環境があるので、「自分の運動不足も気になるけれど、子どもと一緒に通える場所がいい」という方にも利用いただきやすい形になっています。気温が不安定なこの時期は、大人だけでなく子どもの体調にも影響しやすいタイミング。親子で体を動かす時間を、この夏の疲れをリセットするきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
「なんとなくだるい」を寒暖差のせいにして放置するのではなく、その仕組みを知っておくだけでも対策は立てやすくなります。ポイントは、気温差7℃を一つの目安として意識すること、そして筋肉量という”熱をつくる力”を日々の軽い運動で底上げしておくこと。今日は1駅分歩いてみる、湯船に首まで浸かってみる。まずはその小さな一歩からで十分です。そして、一人で続けるのが難しいと感じたら、専門家と一緒にペースをつくれる場所を頼ってみるのも一つの方法です。
