- 猫背になってしまう原因について
- インナーマッスルと猫背の関係
- 猫背を解消するメリットと解消が期待できるヨガのポーズ
人から猫背を指摘された経験を持つ方や、自分で鏡を見たときに姿勢の悪さに驚いた、という方はたくさんいます。
日本人に多いと言われる猫背は、見た目が美しくないというだけではありません。
慢性的な肩こりや腰痛に悩まされたり、下腹部がぽっこりと出ていたり、実年齢より老けてみえるといったさまざまなデメリットがあります。
この記事では猫背の代表的な原因と根本的な問題、猫背を解消するメリット、そしてヨガのポーズで具体的に猫背を解消する方法を解説します。
正しい姿勢を維持し、若々しく健康な毎日を過ごすため、今日から猫背改善に動き出しましょう!
目次
猫背になる代表的な原因
猫背になる原因として、代表的なものは以下の4つがあります。
- 長時間の同じ姿勢
- 運動不足
- 悪い姿勢
- 日本人の体形や生活習慣
パソコンやスマートフォンの出現により、現代の人間は日常生活の中で前傾しがちです。
そもそも人間の頭はとても重いため、長時間前傾でいると首の骨とそこにつながる筋肉だけでは支えきれなくなり、頭が前に垂れて猫背になってしまいます。
また、運動不足によって筋肉が伸縮する機会は減少し、使われない筋肉がどんどん衰えるために正しい姿勢が維持できません。その結果、悪い姿勢をキープしがちになってきます。
そして、もともと日本人は欧米人に比べて筋肉量が少なく、平たい体格をしています。
背中の筋肉がつきにくいため、猫背になりやすい人種ともいえるのですね。日本人の生活習慣も大きく影響しています。
日本人には肩甲骨が中心よりも少し前に出ている「巻き肩」が多く、正座やお辞儀をする習慣があることから頭が垂れやすいという点です。
そのため日本人は特に、意識を持って姿勢を正す努力が必要と言えるでしょう。
▼肩甲骨や肩について以下の記事で詳しく解説しています
猫背になる根本的な問題はインナーマッスルの衰え
猫背になる原因はさまざまなものがありますが、根本的な問題は、正しい姿勢を維持できないことです。
正しい姿勢を維持するには、体の深層部にあるインナーマッスルがしっかり上半身を支えていなくてはなりません。
そのため、猫背の根本的な原因はインナーマッスルにあると言えます。
- 筋肉のバランスが崩れ前傾する
- 骨盤が正しい位置を保てなくなる
インナーマッスルが弱くなると筋肉のバランスが崩れ前傾する
インナーマッスルは体の奥深くにある筋肉で、内臓を支えて正しく働けるようにしたり、姿勢を真っ直ぐに保ったりする役割があります。
人間はインナーマッスルを使って体の内部から背骨とその周辺の筋肉のバランスを取り、頭を含めた重い上半身を骨盤の上に直立させているのです。
しかし、インナーマッスルはアウターマッスル(表側に出ている目に見える筋肉)に比べ存在を意識することが少ないうえに、日常生活の動きではなかなか鍛えられません。
そのため、運動不足や加齢、長時間の同じ姿勢によって徐々に衰えていくと、上半身の筋肉のバランスが崩れて背中が丸まり、上半身全体がうつむいてしまうことになります。
インナーマッスルが弱くなると骨盤が正しい位置を保てなくなる
インナーマッスルは骨盤周辺の筋肉に多くあるため、インナーマッスルが衰えているとその上に乗っている骨盤が本来の位置より前や後ろにずれやすくなります。
前後に骨盤の位置がズレると、上半身の筋肉はバランスを取って頭を支えるために背中を丸めるので、猫背になります。
▼ヨガによる骨盤矯正は以下の記事で詳しく解説しています
猫背を解消する3つのメリット
猫背を解消すると、以下3つのメリットがあります。
- 疲れにくくなる
- 冷え性が改善される
- 体形が整う
疲れにくくなる
猫背を解消すると、骨と肉のバランスが取れた状態になり、正しい姿勢が維持しやすくなります。
正しい姿勢は、人間にとって最も負担がかからない状態です。
つまり、余計なエネルギーを使わずに済むようになるため、疲れにくくなります。
冷え性が改善される
猫背は筋肉が固まって血行やリンパの流れを悪くします。
しかし猫背を解消することで血行が良くなり、全身に十分な血液が流れるようになるため、冷え性が改善できます。
また、正しい姿勢でいると内臓も負担が減るため、動きが活発に。
その結果体温が上がり、手足の冷えが減少していくのです。
▼冷え性を改善する基礎代謝の向上について以下の記事で詳しく解説しています
体形が整う
正しい姿勢でいると、日常生活でもバランスよく適度に全身の筋肉を使い、刺激できます。
それによって胸やお尻といった脂肪が多くつく場所の筋肉が発達し、下垂を防止。
メリハリあるボディラインになります。
猫背解消に効果的なヨガのポーズ
猫背の解消には、ストレッチや筋トレ、運動習慣、頻繁な姿勢正し、作業環境の改善などさまざまなものがあります。
しかし、根本的な問題であるインナーマッスルの衰えに対処しないことには、いつまでも猫背による肩こりや体形の崩れに悩むことになるでしょう。
ここでは猫背改善のために、縮こまったインナーマッスルを伸ばし、鍛えるヨガのポーズを紹介します。ぜひ取り組んでみてくださいね。
- 猫の伸びのポーズ
- 三日月のポーズ
- ラクダのポーズ
猫の伸びのポーズ
猫が前足をぐーっと伸ばしているポーズです。
背中はもちろんのこと、リンパ節のある脇下や内臓が入っている胴も広げられるため、呼吸が深まります。
上半身に溜まっている血液や老廃物を流しやすくする、デトックス効果もありますよ。
猫の伸びのポーズのやり方
- ヨガマットの上に四つん這いになり、両手は肩幅より広くして少し前へつく。
- 大きく息を吸い、吐きながらお尻を後ろへ行きつつ天井へと持ち上げ、両手を前へ伸ばして顎を床へつけ、胸を下ろす。
- 鼻でゆっくり5回呼吸を繰り返しながら、背中や脇下、お腹が伸びているのを感じる。
- 息を吐きながらお尻をかかとにのせてチャイルドポーズをし、両手を顔の横についてゆっくり起き上がる。
無理に胸を床へつけようとすると、首や腰を痛める恐れがあります。無理に胸を床へつけず、背中を穏やかに伸ばすことを意識しましょう。
三日月のポーズ
三日月のポーズでは、股関節周辺のインナーマッスルに刺激を与えます。脚の引き締めや肩こりの緩和、婦人科系の不調の改善などの効果が期待できますよ。
三日月のポーズのやり方
- ヨガマットの上に膝立ちになり、右脚を前へ踏み出し両手は膝の上に置く。
- 背筋を伸ばして両手を頭上に上げ、息を吸いながら合掌する。
- 息を吐きながら重心を前へ移動させて腰を沈ませ、上体を後傾させる。
- 5回呼吸を繰り返す。
- 膝立ちの状態まで戻し、左右を交代して同様に行う。
両腕は耳の横か耳より後ろのラインでキープします。体のどこかに痛みや違和感がある方は、無理に行わないようにしましょう。
ラクダのポーズ
ラクダのポーズでは背中・腹部・前脚をしっかり伸ばし、胴体にあるインナーマッスルを刺激できます。
腸内環境を整える効果もありますよ。
ラクダのポーズのやり方
- ヨガマットの上に膝立ちになり、両膝は腰幅に開いて足先を床に立てる。
- 両手をお尻に当て、息を吐きながら肩と肘を背中へ寄せて、後傾しながら胸を天井方向へ持ち上げる。
- 体の前面を伸ばしたまま、お尻から手を離して両手でかかとを掴む。
- 5回呼吸を繰り返す。
かかとを掴むことが難しい方は、手は腰に置いたままで構いません。
猫背を解消するにはまず原因を知ることから! ヨガのポーズで深層筋を伸ばそう
猫背は見た目だけでなく、さまざまなデメリットがあります。
できるだけ早い解消を目指し、今日からさっそく姿勢改善に取り組みましょう。
この記事で紹介したヨガは、いずれも呼吸が深くなるポーズでもあります。
集中力が増し気持ちも上向きになるため、ぜひ取り組んでくださいね。
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