ヨガと聞くと、多くの方が体の柔軟性を高めるポーズや呼吸法などを思い浮かべますよね。しかし、ヨガの最終的な目的は瞑想による解脱です。
ヨガにはさまざまな瞑想方法があります。
自分に合った瞑想方法を探すことも修行のひとつなのですが、中には願いや夢、抱負を叶える瞑想があるとご存じでしょうか。
この記事では、ヨガの瞑想法のひとつ「サンカルパ瞑想」について解説します。
サンカルパ瞑想とは何か、そのやり方や、サンカルパのコツや決め方などについても紹介しますので、ぜひ取り組んでみましょう。
目次
サンカルパ瞑想は自分の潜在意識に願いを届ける瞑想方法
サンカルパ瞑想とは、自分が本当に叶えたい願いを思い浮かべながら行う瞑想です。
自分の潜在意識にその願いを届ける方法とされています。
「サンカルパ」とはサンスクリット語では「意思」や「信念」「希望」「抱負」といった意味を持つ言葉で、自分の抱負を短い言葉にし、瞑想中に繰り返し意識します。
古代インドからヨギー(ヨガをする人)に受け継がれてきた、伝統的な瞑想方法のひとつです。
イメージとしては、新年に日本の神社で行う御祈願と近いのですが、サンカルパ瞑想と御祈願は、やり方が異なります。
御祈祷は神に対して抱負を述べ、見守ってくださいとお願いしますが、サンカルパ瞑想は、自分自身への誓いを瞑想中に何度も唱えるというやり方です。
サンカルパ瞑想を行うタイミング
サンカルパ瞑想に取り組むタイミングはいつでもOKです。
ただし、より効果的なタイミングを狙うなら、新年や誕生日といった「決意を新たにしやすいとき」をおすすめします。
サンカルパ瞑想を行うタイミング:新年
新しい一年を迎えるに当たって、1月のきりっと冷えて澄んだ空気の中で、サンカルパ瞑想を行いましょう。
今年の抱負や目標、叶えたい自分の姿、希望などを思い浮かべ、自分への目標達成を誓います。
サンカルパ瞑想を行うタイミング:自分の誕生日
自分がひとつ年を重ねる、物事のスタートにふさわしい日は誕生日です。
この世に生まれた日に新しい自分の姿を思い浮かべながら、抱負を胸に瞑想を行いましょう。
サンカルパ瞑想のやり方
サンカルパ瞑想のやり方は、ヨガの指導者や流派、クラスによって異なります。
ここでは基本とされるやり方を紹介しますので、自宅で取り組む際の参考にしてください。
サンカルパ瞑想の方法
- 紙に願い事や抱負を書きだす。
- 30分ほどヨガのポーズや呼吸法、瞑想などをして、心身をクリアな状態にする。
- 座る、もしくは寝る(仰向け)などで、自分が心地よい姿勢を選ぶ。
- 腹式呼吸を繰り返してリラックスし、7つのチャクラ(エネルギースポット)へ順番に意識を向けて、サンカルパを心の中で唱えていく(埋め込む)。
- 第7のチャクラ(頭頂部)までサンカルパを埋め込んだら、すでに願いが達成しているイメージを浮かべ、幸福感に包まれる。
- その願い・豊富が叶うまで、ヨガをするたびにサンカルパをチャクラに埋め込むか、宣言するように唱えるようにする。
サンカルパを埋め込む7つのチャクラの場所
- 第1のチャクラ:肛門と性器の間
- 第2のチャクラ:性器とみぞおちの間(丹田)
- 第3のチャクラ:みぞおち(左右の肋骨が胸の前で合わさったところの骨のない場所)
- 第4のチャクラ:心臓
- 第5のチャクラ:首の付け根の中央
- 第6のチャクラ:眉間の上
- 第7のチャクラ:頭頂部
サンカルパのポイントは自分の本心を知ること
願望をかなえる行動については、現在形で願望を紙に書いて唱える「アファメーション」など、さまざまなものがあります。
しかし、サンカルパ瞑想とそれらは異なるため、混同しないようにしましょう。
- アファメーション:願望を唱えて潜在意識に刷り込ませ、行動をその方向へ導いて願いを達成させる方法。
- サンカルパ瞑想:真に自分の心が欲していること(姿)を潜在意識に刷り込むために行い、自分がやるべき行動を明確にする方法。
アファメーションなどは、表面的な願望を唱えます。
たとえば「お金持ちになる」や「仕事で成功して大きな家を建てる」「10㎏痩せる」などですね。
しかし、サンカルパは「自分が本当に叶えたい願いやありたい姿」の必要があるため、表面的な願いごとをさらに掘り下げなくていけません。
願望例①:お金持ちになりたい
まずはよくある願望「お金持ちになりたい」から、どのように掘り下げるのかをみていきましょう。
お金持ちになるとどうして自分が幸せと思えるのかについて考えます。
↓
金銭的不安がなくなるように? 買いたいものがある? お金を使って成し遂げたい夢がある?<
↓
どうして安全を得たいと思った? 不安に感じることは何? いくらあれば夢は叶えられる?
↓
これらを突き詰めた結果、自分が必要と感じるお金はすでに持っているとわかり、本当にほしいのは「精神的安定」だと気づきました。
つまり、サンカルパ(本当の願い)は「私の心はいつも安定している」となります。
瞑想では精神的に安定して幸せに笑う自分の姿をイメージし、それが叶うようにチャクラへ埋め込んでいきます。
願望例②:痩せたい
続いては「痩せたい」の例です。
自分はなぜ痩せたいと思うのかを考えます。
↓
軽い体がほしいから? 体が重いことによる苦痛から解放されたいから? 周囲の人たちから体形を褒められたいから? 自分に自信がつくから?
↓
これらを突き詰めた結果、本当は体重や体形についての不満をもっておらず、ダイエットをするのは「わかりやすく見た目が変わると人から褒められるからだ」とわかりました。自分が本当に必要としているのは「自信」です。
サンカルパ(本当の願い)は「私は物事を諦めずに継続してやり遂げ、自信にみなぎっている」となります。
サンカルパを決める際のポイント
サンカルパ(希望・抱負・自分への誓い)を決める際には、以下2つのポイントを大切にしましょう。
- 簡潔な言葉にする
- 肯定的な言葉を使う
簡潔な言葉にする
願い事やなりたい姿が叶うと言われると、ついつい長い文章を考えてしまいがちですよね。
しかし、できるだけ短い言葉で端的に表す方が、効果的と言われています。
たとえば「ダイエットが成功してきれいになり、素敵な人と結婚する」では本当の目的がわかりにくいもの。
しかし「幸せな結婚をする」だとわかりやすく、イメージもしやすくなります。
肯定的な言葉を使う
否定的な言葉は使わず、肯定文で設定しましょう。
否定文にしてしまうと、自分が取りたくない、望んでいないことに関係する言葉も含まれてしまいます。
たとえば「コンビニでコーヒーを買わない」と考えてしまうと、コンビニやコーヒーといった言葉が脳に残ります。
潜在意識にそれらが書き込まれてしまうとコンビニばかりに目が行くようになり、余計な買い物が増える恐れがあるのです。
「〜しない」ではなく「〜する」という肯定文で考えるようにしてください。
サンカルパ瞑想で夢や目標を達成しよう
サンカルパ瞑想は、自分の希望や願い事が叶う瞑想法です。
ただし、アファメーションのような表面的な願望ではなく、本心からの願いごとでなければなりません。
自分は何を希望するのか、どのような姿になりたいか、それは何故なのかを掘り下げて考えてみてください。
イメージとして近いのは、神社での御祈願です。
自分に対する誓いであるため、願い事が叶うまでは瞑想のたびにサンカルパを唱え、叶えるための行動をしていきましょう。
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