体の柔軟性と健康に良い? ストレッチが大切な理由とは - NEIGHBORFIT | 運動で心と身体を整える

体の柔軟性と健康に良い? ストレッチが大切な理由とは

フィットネス

体が柔らかいと健康面でメリットが多いと見聞きしたことがある方は多いでしょう。

運動不足を自認している方はまず筋肉をつけることから始めようとしますが、実は柔軟性を高めながら筋肉をつけていくことが大切です。

この記事では、体の柔軟性と健康の関係や、体の硬さが血管の硬さと相関関係があること、そして柔軟性を高めるためのストレッチで大切な3つのことなどを解説します。

じっくり自分の体に向き合い、少しずつでも柔軟性を高めていきましょう。

 

柔軟性と健康はなにが関係しているのか

柔軟性と健康はなにが関係しているのか

一般的には体の柔軟性が高いほど健康的であると言われていますが、理学療法科学の分野では必ずしも柔軟性が高い=健康的とはなりません。

柔軟性が高いと健康的であると言われる理由と、いき過ぎた柔軟性はかえって健康を損ねることがある理由について、説明します。

 

柔軟性が高いと健康的だと言われる理由

柔軟性が高い体の方が筋肉は伸びやすくなり、関節の可動域(関節が動く範囲)が広がります。

そのため体の動きがスムーズになり、転倒などによるケガのリスクが減少します。

以下は、柔軟性が低い場合、どのようにして健康を損なうのかの流れです。

  • 柔軟性が低いと筋肉が固まりやすい
  • 筋肉が固まると血液循環が悪くなる
  • むくみや冷えが発生し、基礎代謝が下がる
  • 基礎代謝が下がると脂肪が燃焼しにくいため、肥満になりやすい
  • 血液の循環力が落ち、疲労物質が蓄積して腰痛や肩こりなどがおこる
  • 心筋梗塞や動脈硬化などの原因になる

 

つまり、体の柔軟性を上げると筋肉が伸びやすくなり血液循環がスムーズになるため、病気になるリスクを下げられるということです。

 

いきすぎた柔軟性が返ってケガにつながる理由

体の柔軟性が高いと聞くと、多くの方はバレリーナやダンサーを思い浮かべますが、一般の人でただ柔軟性が高いだけの場合は、かえって健康を損ねることがあります。

一般的に柔軟性が高いとは、関節が大きく動くということを言います。

しかし過度に関節が緩い場合は可動域の限界を超えてしまうことがあり、骨折や肉離れ、脱臼、捻挫などのリスクが上昇します。他の人に比べ、ケガをするリスクが増えるのです。

つまり、体が柔らかければ柔らかいほど良いということではありません。あくまでも自分の関節の可動域内で、大きく動かせることが大切です。

ちなみに、バレリーナやダンサーのようなアスリートは、日常の鍛錬によって筋肉量と高い柔軟性を両立させています。

日々のトレーニングによって筋力を強化して、関節の支持性を高めているからこそできるパフォーマンスなのですね。

参考:J-STAGE「身体の柔らかさはスポーツ障害・外傷の発生にどう影響するか?

 

体の硬さは血管の硬さと相関関係がある

体の硬さは血管の硬さと相関関係がある

柔軟性が高い人は血管も柔らかく、動脈硬化のリスクが低いとされています。

そして反対に、柔軟性の低い人は血管も硬く、血圧も上がりやすくなります。

下の画像は、National Institute of Health and Nutrition東京大学立命館大学などが共同で行なった研究調査で、人間の年齢別に見た体の柔軟性と動脈の硬さの関係を見た図です。

画像出典:「Poor trunk flexibility is associated with arterial stiffening」

画像出典:「Poor trunk flexibility is associated with arterial stiffening

対象者をYoung(若年20〜39歳)と中年(40〜59歳)、そして高年(60〜83歳)に分け、体の柔らかさと血管の硬さを調べる研究を行いました。

その結果、若年はさほど変化がないものの、中年以降は柔軟性の高い人ほど血管が柔らかいとわかりました。これにより、体の柔軟性と動脈の硬さには相関関係があると言えます。

柔軟性が不足した筋肉は硬く収縮しているため、強い力で一気に引き延ばされると切れてしまいますが、それは血管にも同じことが言えると考えられています。

そのため日ごろからストレッチなどで柔軟性を高める努力をし、継続することが大切です。

 

筋肉の柔軟性を高めるストレッチで大切な3つのこと

筋肉の柔軟性を高めるストレッチで大切な3つのこと

筋肉は、筋線維という細胞が束になってできています。

筋線維は筋節(サルコメア)がつながって形成されたものです。

イメージとしては「鎖が筋線維」で「鎖のひとつずつの輪っかがサルコメア」と考えるとわかりやすいでしょう。

サルコメアを多くすればするほど筋線維が長くなり、それに従って柔軟性が上がります。

そしてサルコメアを増やすために行う代表的な方法が、ストレッチです。

ストレッチで大切なことには、次の3つがあります。

  • 毎日続ける
  • 痛いけれど気持ち良いという強さで伸ばす
  • 1回につき最低20秒かけて伸ばす

 

毎日続ける

ストレッチは短時間でも毎日続けることが大切です。

毎日筋肉をぐっと引き延ばすことによって、脳は筋肉が切れてしまうことを危惧し、体を守ろうとして細胞を分裂させ、サルコメアの数を増やします。

ただし、それは週に1回やたまにといった頻度では起こりません。

毎日続けてストレッチで筋肉を伸ばすことで「早く筋肉を長くしないと切れてしまう」と脳に思わせる必要があるのですね。

少しずつでも毎日伸ばすことで、2〜3カ月後にはサルコメアの数が増えだし、柔軟性の向上を実感できるようになります。

 

痛いけれど気持ち良いという強さで伸ばす

ストレッチをするときには、気持ち良いと感じる程度ではサルコメアは増えません。

そして逆に痛いと感じるほど強くしてしまうと、今度は筋肉が切れないように収縮するため返って硬くなってしまいます。

柔軟性を高めるためには「イタ気持ち良い」という程度がとても大切です。

余裕で伸ばせるレベルや、伸ばすと筋肉が震えだすレベルはNGと覚えておきましょう。

 

1回につき最低20秒かけて伸ばす

ストレッチで効果的なのは「一度緩めて再び伸ばす」行為です。

つまり、ひとつの部位を20秒ほど伸ばしたら一度力を緩め、また20秒同じように伸ばすことがストレッチ効果を上げるコツです。

筋肉を包んでいる「筋膜」という組織は、1度引き伸ばされると緩むという性質があります。

伸ばして戻すたびに筋膜が緩むため、その性質を利用してストレッチ効果を上げていきましょう。

20秒程度キープして緩めることを、ひとつの部位に対し3セットほど行うことがおすすめです。

 

健康も美容も柔軟性を高めるメリットは多い

健康も美容も柔軟性を高めるメリットは多い

柔軟性が高いとメリットがあるのは、健康だけでなく美容も同様です。

柔軟性が増すと関節の可動域が広がるため、筋トレ効果も高まります。

つまり、可動域いっぱいで大きく動かせるためエネルギーの消費量とトレーニングの効率が上がり、効率的にダイエットができるようになるのです。

手っ取り早く痩せるにはエネルギー消費量が上がるほうがよいですし、理想の体形に近づくためにはトレーニング効率が良い方がよいですよね。

ただし、人それぞれに必要な柔軟性は異なるため、開脚できるまで無理に頑張る必要はありません。

人として本来動くべき関節がちゃんと動いているかどうか、体が硬くて痛みがある部分はないかをまず確かめるようにしましょう。

自分ではわからない場合は、整体師などのプロにどこの筋肉が硬いのかを教えてもらうことが大切です。

その際は「股関節」や「背中」といった大きな部位ではなく、具体的に「腸腰筋」や「広背筋」といった筋肉名で教えてもらうと、具体的なストレッチ方法を探しやすくなりますよ。

 

健康的に毎日を楽しむためにはある程度の柔軟性が必要!

体が硬いと血流が滞りがちになり、ちょっとした動きでも疲れが溜まったり痛みが出たりします。また、関節の可動域が狭いとスムーズに動けず、転倒によるケガなどのリスクも増えます。

健康的に毎日を楽しむためには、ある程度の柔軟性は必要です。ストレッチは毎日行い、少しずつ体の柔軟性を高めていきましょう。なおその際は、まずは筋肉を温めてから行うとより効果的です。

手でさすったりお風呂に入ったりして、筋肉を温めてから伸ばすことをおすすめします。


▼こちらの記事も読まれています

ヨガで四十肩や五十肩を改善・予防しよう! 肩周辺に効果的な5つのポーズを紹介

デトックスヨガで老廃物の排出を促進! 老廃物を排出しながら痩せるデトックスヨガポーズ5選

つらい腰痛をストレッチで改善&予防! 簡単で効果的なストレッチ6選

ヨガとストレッチで肩こりを解消! 簡単で効果的なストレッチと2つのヨガポーズを紹介

BACK to LIST