この記事でわかること
- プロテインは身長にどのような影響があるのか
- 身長が伸びることとプロテインの関係
- プロテインはどの場合に飲んだらいいのか
昨今、栄養補給の方法のひとつとして、プロテインが注目されています。
子ども用のジュニアプロテインといった商品も販売されていますが、さまざまな疑問から子どもに飲ませていいのかと悩む親が多いようです。
特に多い疑問には、子どもの身長へ与える影響があります。プロテインを飲むことで身長や体の成長への影響を心配して摂取させることを躊躇している方もいるでしょう。
この記事では子どもの身長とプロテインの関係について解説します。
他にもプロテインにまつわるよくある疑問やどんなケースだと子どもプロテイン摂取がおすすめなのかについても説明しますので、参考にしてください。
目次
子どものプロテイン摂取と身長の関係
子どもがプロテインを飲むと身長がどうなるのかについて、多くの保護者が疑問を持っています。
果たしてプロテインを子どもが飲むと身長に影響があるのでしょうか、以下2つの疑問について回答します。
プロテインと身長の関係
- プロテインを飲むと身長が低くなるのか
- プロテインを飲むと身長が伸びるのか
プロテインを飲むと身長が低くなるのか
子どもがプロテインを飲んでも、身長は低くなりません。
『プロテインを飲むと身長が低くなる』のように言われることの原因は、筋肉がつくと背が伸びないという俗説があるからですね。
心配する方は多いのですが、筋肉と身長の伸び縮みに関しては明確な根拠は乏しく、関連性は少ないと言われています。
また、プロテインを飲むだけでは筋肉はつきません。現在の筋肉量を維持するには適度な運動が、現在よりも筋肉量を増やすにはハードなトレーニングが必要です。
そのため、活発に活動するというレベルの子どもがプロテインを飲んでも、筋肉量はさほど増えませんし、筋肉が多くついたからといって身長が伸びることを阻害するとは言われていません。
プロテインを飲むと身長が伸びるのか
反対に、プロテインを飲むと身長が高くなるかについても、身長が高くなるとは言えません。
プロテインはあくまでも栄養素のひとつ、タンパク質であり、タンパク質が直接骨の伸長を助けるわけではないからです。
ただし、栄養補給ができることから、子どもの骨を作ることは期待できます。身長を伸ばすうえで大切な栄養素は、タンパク質とカルシウムです。
タンパク質は軟骨(コラーゲン)の材料となって骨を伸ばし、カルシウムは伸びた軟骨を固めて骨にします。
ジュニアプロテインは、成長期の子どもの栄養補給に適した商品であるため、タンパク質とともにカルシウムも配合されています。
そもそも子どもは成長期なのでカルシウムが必要です。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」によると大人のカルシウム摂取推奨量が650〜700㎎であるのに対し、12〜14歳の子どもは男子で1,000㎎、女子で800㎎が推奨されています。
ただし、プロテインは飲むだけで成長を促進するものではありません。身長を伸ばすには、栄養摂取の他に運動や十分な睡眠も必要です。
ちなみに、カルシウムは骨を固くすることが役割であり、骨を伸ばすことではありません。
カルシウムやその吸収を助けるビタミンDが不足すると骨の成長が阻害されるため、カルシウムやビタミンDを補助することが、骨の成長を促進すると考えられています。
参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」
その他子どもとプロテインにまつわるよくある疑問
身長以外で子どもがプロテインを飲むことに関する疑問については、以下が挙げられます。
子どもがプロテインを飲むとどうなる?
- プロテインで子どもがムキムキになる?
- プロテインで子どもの腎臓に悪影響がある?
- プロテインを飲めば栄養は完璧になる?
Q:プロテインで子どもがムキムキになる?
A:なりません。
前述したように、プロテインを飲むだけでは筋肉量はアップしません。
運動やトレーニングをして筋線維を損傷させ、それを回復させる過程で栄養素のプロテインが必要ですが、その過程がないことには筋肉量が増えたり強くなったりはしません。
Q:プロテインで子どもの腎臓に悪影響がある?
A:適量を守ると心配はありません。
プロテインは腎臓で代謝されるため、過剰摂取すると肝臓に負担をかけます。しかし、適量を守っていれば何ら問題はありません。
Q:プロテインを飲めば栄養は完璧になる?
A:プロテインだけで栄養状態が完璧になるわけではありません。
プロテインはタンパク質です。
栄養バランスはタンパク質の他にも脂質、糖質、ミネラルなど多数の要素が組み合わさるものであるため、プロテインを飲むだけでは完璧とは言えません。
あくまでも食事での栄養摂取が基本であり、プロテインやサプリメントは足りない分を補助するという形です。
プロテインはあくまでも栄養補助食品
前述したように、プロテインはタンパク質です。
食品の一種であり、飲めば筋肉が増加するということではないことを理解しておきましょう。
食事で足りない分の栄養を補うという考えが適切であるため、食事でしっかり栄養が摂れている場合、プロテインやサプリメントも必要ありません。
もしも子どもの背を伸ばしたい、体を大きくしたいということであれば、栄養価の高い食事をしっかり摂らせ、運動をして筋肉を使い、9時間以上の睡眠を取らせるようにしましょう。
厚生労働省の発表によると、子どもの睡眠時間について、小学生は9〜12時間、中高生は8〜10時間の確保が必要です。
参考:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
10歳くらいの子どもは成人女性と同じかそれ以上の栄養が必要
子どもが10歳になると、スポーツをしていなくても必要な栄養素は大人とほぼ同じくらいになります。
体重は大人の半分程度であっても、タンパク質、カルシウム、鉄、ビタミンなどの必要量は変わりません。
つまり、子どもでも大人と同じレベルでしっかり食べる必要があります。
参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」
子どもにプロテインをおすすめするケース
普段の食事で十分に栄養が摂れている場合は、プロテイン摂取の必要はありません。
しかし、以下のケースに当てはまるなら、プロテインを栄養補給のサポートという意味で利用することがおすすめです。
プロテインを摂取した方がいいケース
- スポーツの習い事をしている子ども
- 食が細い子ども
- 偏食などで栄養バランスが不安な子ども
スポーツの習い事をしている子
スポーツの習い事をしている子は、通常よりも多目の栄養補給が推奨されます。
当たり負けしない体づくりやパワー、試合後半にもばてない持久力、毎日の練習に耐えられるスタミナ、ケガをしない体づくりなどのために、タンパク質の他にミネラルなども配合されたジュニアプロテインをおすすめします。
食が細い子
食が細く3食のご飯もなかなか食べられないという子は、プロテイン摂取で栄養補給ができます。
腹持ちがよく、牛乳などに溶かすと飲みやすいため、朝食の代わりなどに飲むなどがおすすめです。
偏食などで栄養バランスが不安な子
偏食気味であったり好き嫌いが多い子にも、プロテインは有効です。
おやつ代わりに飲ませることで、足りない栄養分を補給しやすくなります。
プロテインを飲むだけでは成長促進はしない!子ども身長を伸ばすなら運動や睡眠も大切
子どもがプロテインを飲むだけでは、身長を伸ばしたり筋肉がムキムキになったりすることはありません。
プロテインはあくまでも栄養補助食品であるため、子どもの成長を促進する要因のひとつとして考えるようにしてくださいね。
もし子どもの身長を伸ばしたい場合は、食事で栄養をしっかり摂り、運動をさせ、夜の睡眠時間を十分確保させましょう。食べて遊んで寝る、それが子どもを大きく成長させます。
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