- カフェインの効能について
- カフェインによる筋トレの効果について
- カフェインの最適な摂取方法や量について
コーヒーやお茶、チョコレートにも含まれるカフェインには、さまざまな効果があります。
眠気が覚めることや集中力が高まる実感から、朝起きたときや仕事中、休憩中に飲む方は多いですよね。
しかし実は、カフェインはダイエットや運動の効果を上げることが、近年の研究でわかっています。
トレーニング前にコーヒーを飲むだけでダイエット効果がアップするのであれば、飲みたいと思いませんか?
この記事では、ダイエットや運動前のカフェイン摂取がどうして効果的なのか、研究結果やカフェインが持つ効果、そして効果的なカフェインの摂り方について解説します。
目次
運動前のカフェイン摂取が効果的! グラナダ大学の研究結果で明らかに
カフェインは「アルカロイド」と呼ばれる植物由来の成分のひとつで、特にコーヒー豆や茶葉に多く含まれており、コーヒーや紅茶の苦味の原因でもあります。
近年の研究により、運動前にカフェインを摂取することで脂肪燃焼率が変化することがわかりました。
調査をしたのはスペインのグラナダ大学の研究グループです。
カフェインと有酸素運動の関係を調べた結果、カフェイン摂取後の運動ではそうでないときに比べ、最大脂肪酸化率が大きく上昇したと発表しました。
被験者は20代〜30代の健康な男性15名でカフェイン3mg/kgまたはプラセボ(偽薬)を摂取させ、以下のように朝と夕方に運動をさせました。
・朝8時にカフェインを飲み、30分後に有酸素運動を行う
・夕方5時に偽薬を飲み、30分後に有酸素運動を行う
・朝8時に偽薬を飲み、30分後に有酸素運動を行う
・夕方5時にカフェインを飲み、30分後に有酸素運動を行う
その結果、偽薬(プラセボ)に比べてカフェインを摂取したときは、最大脂肪酸化率が午前中は10.7%、午後は29%も上昇していました。
参考:National Library of Medicine「Caffeine increases maximal fat oxidation during a graded exercise test: is there a diurnal variation?」
カフェインが運動・ダイエット効果をあげるとされる4つの理由
カフェインの効果にはさまざまなものがありますが、運動やダイエット効果を上げるとされる理由は、以下の通りです。
- 注意力・集中力を増進する
- 気分や脳機能(短期記憶力や反応時間)が改善される
- 覚醒状態を維持して疲労を軽減する
- 代謝や脂肪燃焼の増加
注意力・集中力を増進する
カフェインの主な作用は覚醒作用です。
これは、カフェインが脳の中枢神経を刺激し、アデノシンという物質をブロックすることによる効果ですが、注意力や集中力を増進できます。
トレーニング中にしっかり集中して筋肉へ負荷をかけることで、ダイエットや筋トレ効果が上がります。
また、注意力も増すため、怪我リスクの低下にもつながります。
気分や脳機能(短期記憶力や反応時間)が改善される
カフェインは脳のシグナル伝達に関わるアデノシンをブロックする効果があります。
その結果、摂取することで気分を高揚させるドーパミンやノルアドレナリンが増加し、気分がよくなったり脳機能が改善されると考えられています。
1日に2〜3杯のコーヒーを飲むことで自殺のリスクが45%低下する(※1)ことや、カフェイン消費によってうつ病に罹患するリスクが13%低くなる(※2)という報告もあります。
そして、37.5〜450mgのカフェインを摂取した参加者の注意力、短期記憶力、反応時間が改善されたという報告論文(※3)も存在しています。
※1参考:Taylor&Francis Online「Coffee, caffeine, and risk of completed suicide: Results from three prospective cohorts of American adults」
※2参考:WILEY Online Library「Coffee, tea, caffeine and risk of depression: A systematic review and dose–response meta-analysis of observational studies」
覚醒状態を維持して疲労を軽減する
カフェイン摂取後に分泌されるドーパミンによって、疲れを感じにくくさせる効果が期待できます。
長時間の運動にも耐えられる持久力がつくため、運動のパフォーマンスアップもサポートしてくれます。
代謝や脂肪燃焼の増加
カフェインには脂肪燃焼を高める効果があると言われています。
諸説ありますが、体脂肪を分解する酵素を活性化させるという話が有力です。
これはつまり、運動前にコーヒーを1杯飲んでおけば、脂肪を分解して運動のエネルギーとして消費しやすくなるということ。
ダイエット目的で運動する方にとっては、大きなメリットになります。
▼代謝や基礎代謝については以下の記事で詳しく解説しています
ダイエットや運動効果を高めるカフェインの摂取方法
ダイエットや運動効果を上げたいときには、運動の60分ほど前にコーヒーを1杯飲むことがおすすめです。
個人差はありますが、カフェインが摂取・吸収されてから30分〜2時間程度で効果が現れだします。
カフェインの半減期は一般的には4時間と言われていますが、こちらも人によって異なるため、運動の1時間ほど前にカフェインを摂り、1時間程度の運動でやめるようにしましょう。
摂取量は3〜6mg/体重を目安にしましょう。体重60㎏の人なら180〜360㎎が適正量で、それはコーヒー1〜3杯程度(コーヒー1杯はおよそ100㎎として計算)です。
ちなみに、カフェイン量は多ければ良しということではなく、それ以上カフェインを飲んでも効果が上がるわけではありません。
参考:MELOS「運動前にカフェインを飲むと、脂肪燃焼が高まるってホント?」
カフェインは摂りすぎると健康を害するリスクがある
前述したように、カフェインは摂れは摂るほど体によいといったものではありません。
カフェインの推奨摂取量は1日400㎎までにしましょう。それを超えると急性カフェイン中毒を起こす可能性があると覚えておいてください。
カフェイン中毒の症状は、震え・悪寒・嘔吐・頻脈など。さらに重症化すると高血糖や低血圧、不整脈、低カリウム血症、意識障害が生じることもあります。
飲食物のカフェイン含有量の例
どのような飲食物にカフェインが入っているのか、100mlあたりの目安を紹介します。以下を参考にして、1日のカフェイン摂取量を調節しましょう。
- レギュラーコーヒー:60㎎
- 紅茶:30㎎
- 玉露:160㎎
- 煎茶:20㎎
- ほうじ茶:20㎎
- 玄米茶:10㎎
- ウーロン茶:20㎎
- エナジードリンク:商品によって異なるが多いもので300㎎の商品もある
- ミルクチョコレート:20㎎
- ダークチョコレート:80㎎
コーヒーやお茶は、1日に5杯程度までなら気にする必要はありません。
ただし、エナジードリンクを何本も飲むのは、明らかに過剰摂取です。
エナジードリンクは飲むとしても1日1本程度にし、毎日続けての摂取は控えましょう。
参考:健達ねっと「カフェインとは?摂取量目安と健康への影響を徹底解説!」
ダイエット・運動効果を上げる! 運動前にはカフェイン摂取がおすすめ!
カフェインにはさまざまな効果がありますが、運動前に飲むことで、運動効果をより高められます。
脂肪燃焼率を上げ、集中力や注意力を増し、疲労を感じにくくさせることで、運動やダイエットをサポートしてくれるのですね。
コーヒーが苦手という方は、紅茶や緑茶でもOKです。
ぜひ運動前にはカフェインを1杯分飲むようにしてみましょう。
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