妊娠中の運動にはマタニティヨガがおすすめです。ヨガが持つさまざまなメリットは、妊娠中に女性が経験するつらい症状の緩和にも役立ちます。
ただし、妊娠中は普段の心身とは大きく異なる状態です。そのため、ヨガをいつから始めていつまで続けるのか、どのような服装が望ましいか、どのようなメリットがあるのかなど、疑問点を持つ方も多いでしょう。
この記事では、マタニティヨガが出産準備に最適な理由や開始の時期、マタニティヨガに適した服装、マタニティヨガで得られるメリットとおすすめしたいポーズについて紹介します。
ぜひ参考にしていただき、妊娠期の不安やつらい症状を軽減させていきましょう。
マタニティヨガが出産準備に最適なのはなぜ?
マタニティヨガは、多くの産院での出産前プログラムとして取り入れられています。
その理由は、ヨガをすることで妊娠中に起こりがちなさまざまな身体のトラブルを緩和する効果が見込めるからです。さらに、ヨガの呼吸法によって不安定になる心を落ち着かせることができ、スムーズな出産のために重要な下半身の柔軟性も手に入ります。
心身をゆっくり整えて出産に臨めるため、出産準備には最適なエクササイズとして認識されています。
マタニティヨガを始めて良い時期
マタニティヨガを始めるのは、安定期を待つようにしましょう。安定期に入るまでの母体は不安定でエクササイズをするには向きませんし、まださほど体形も変化していないため、つらい症状も少ないと考えられます。
マタニティヨガに取り組めるのは、初産婦では安定期に入ってから予定日まで。そして経産婦は8カ月ごろまでが良いとされています。
ただし、いずれの場合も必ず主治医の許可を取るようにしてくださいね。
マタニティヨガを行うときの服装
マタニティヨガをするときは、しめつけないゆったりした服装がおすすめです。
妊娠前のエクササイズをやるときのような薄着、たとえばタンクトップ姿などでは身体が冷えることがあるため、できるだけ肌を見せない服が良いでしょう。薄着の場合は、カーディガンなどの羽織ものを用意すると冷えずに済みます。
マタニティヨガの4つのメリット
マタニティヨガをすることによるメリットは、以下の4つがあります。
- 妊娠中に起こりやすい体の症状の緩和
- 柔軟性向上と筋力強化
- ストレス解消と不安の軽減
- 呼吸の改善
妊娠中に起こりやすい体の症状の緩和
妊娠中は半年ほどで急激に体形が変化します。お腹がどんどん大きくなることにより姿勢が変わり、腰痛、肩こり、背中こり、膝痛、冷えなどが起こりやすくなるでしょう。
ヨガのポーズでじっくりと全身を伸ばすことにより、さまざまなつらい症状の緩和が期待できます。
柔軟性向上と筋力強化
ヨガをするうちに柔軟性が増し、関節の可動域を広げられます。特に妊婦さんは股関節部分が硬いと、出産時に開脚の痛みが陣痛にプラスされることに。長時間両足を開いた格好でいるため、産後に股関節が外れてしまう方もいます。
また出産には筋力が絶対に必要なため、筋力の維持・強化がとても大切です。ヨガのポーズを維持することによって、しっかりした筋肉をつけられます。
ストレス解消と不安の軽減
ヨガでは呼吸が最も大切です。ヨガをしている間、深い呼吸を繰り返すことで酸素が全身に回り、自律神経が整えられます。その結果、出産に対する不安の軽減やストレス発散にもなります。
呼吸の改善
お腹が大きくなるにつれて内臓が押され、呼吸も浅くなりがちです。ヨガをすることでしっかりと深い呼吸ができると、お腹の胎児にも酸素と栄養が回りやすくなります。
ヨガの効果については以下の記事で詳しく解説しています。
マタニティヨガのおすすめポーズ4選と注意点
おすすめのマタニティヨガのポーズを4つと、それぞれの注意点を紹介します。
- 稲穂のポーズ (パリブリッタジャーヌシルシアサナ)
- 三日月のポーズ(アンジャネーヤーサナ)
- 花輪のポーズ(マラーサナ)
- 猫のポーズ(マルジャリャーサナ)
稲穂のポーズ(パリブリッタジャーヌシルシアサナ)
稲穂のポーズは豊かに実って頭を垂れた稲穂をイメージしています。股関節やわき腹をしっかりと伸ばせるため、出産準備には最適です。
【稲穂のポーズ やり方】
- 床の上にあぐらをかいて座る。
- 左足を真横に伸ばし、太ももを気持ちよく伸ばす。
- 左のつま先を立てる。
- 息を吸いながら背筋を伸ばし、吐きながら左側、伸ばした足へ近づけるように上体を倒していく。
- 息を吸いながら右手を頭上へと柔らかく上げ、さらに上体を左側へ倒す。
- 左手は左のつま先を持つか、足首に添える。
- 右の体側や二の腕、太ももの伸びをゆっくりと感じたら、息を吐きながら右手を下ろして上体を戻す。
- 左右を反対にして同様に行う。
腕を上げているときは胸を開くイメージで、顔は頭上に伸ばした手を見上げるようにしましょう。お尻が浮かないように注意します。お腹が苦しいときは無理をせず、上体を前方に倒しても構いません。
三日月のポーズ(アンジャネーヤーサナ)
三日月のポーズでは血流を促進し、足のむくみを改善できます。本来は両手を上へ持ち上げますが、マタニティヨガではお腹を両手で支えましょう。
【三日月のポーズ やり方】
- 床の上に膝立ちになる。
- 右足を前に出して角度が90度になるようにし、両手は右膝の上に置く。
- 左足は甲を床につける。
- 背筋を伸ばし、両手でお腹を支えながら息を吸う。
- 骨盤を下へ沈めるイメージで、股関節をしっかりと伸ばす。
- 左右を反対にして、同様に行う。
股関節を刺激することで血液やリンパの流れが良くなります。本来の三日月のポーズでは上体を後ろへ反らしますが、マタニティヨガでは背筋を伸ばしたままです。お腹が大きくて負担がかかる場合は、マットに手をついてバランスを取りましょう。
花輪のポーズ(マラーサナ)
花輪のポーズはマタニティヨガでは定番のもの。股関節周辺の筋肉を柔軟にし、骨盤底筋をストレッチしていきましょう。
ただし、お腹が張りやすい方や逆子の場合はこのポーズは避けてください。
【花輪のポーズ やり方】
- 両足を肩幅に開いて立ち、つま先は外側へ45度ほど開く。
- 息を吐きながら両手を胸の前で合わせ、ゆっくりとしゃがむ。
- 息を吸いながら背筋を伸ばし、両肘で両膝を押し開ける。
- 5回呼吸を繰り返し、股関節の伸びを感じる。
じんわりと筋肉が伸びているのを感じましょう。目線は前でもいいですし、上を見上げても良いとされています。
猫のポーズ(マルジャリャーサナ)
猫のポーズで四つん這いになると、お腹にいる赤ちゃんにとっては心地の良いハンモックに乗っている状態です。
また、お母さんもお腹にスペースができるため、呼吸がしやすく楽に感じるでしょう。
呼吸が浅く、息苦しさを感じたときに行ってほしいポーズです。
【猫のポーズ やり方】
- 床の上に四つん這いになる。
- 両手と両ひざは肩幅に開き、背中を真っ直ぐにする。
- 息を吸いながら、顔を上げて斜め上を見て、お尻を天井へ向かって引き上げる。
- 息を吐きながら背骨を丸め、顔を下へ向けておへそをのぞき込むようにする。
- 5回呼吸をしながら4と5を繰り返す。
上を見上げてお尻を持ち上げる際には、腰を反りすぎないように注意してください。ゆったりとした落ち着いた呼吸を心がけましょう。
マタニティヨガで出産に向けて心身を準備しよう
妊娠中からどんどん体形が変化し、さまざまな痛みや重さに悩まされる妊婦さんがたくさんいます。また、出産への不安が常にあり、情緒も不安定になりがちですよね。そんなときにおすすめしたいのがマタニティヨガです。
できる範囲で体を伸ばして血流を促進し、深い呼吸で不安を解消しましょう。産院や地域の保健センターなどでも実施されていますので、ぜひ体調を見ながら、マタニティヨガに参加してくださいね。
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◾️参考・引用元サイト
マタニティヨガの効果とやり方。妊婦はいつからやっていい?自宅ポーズも解説 (1/5)|MELOS
妊娠中の不調に!マタニティヨガのポーズとやり方-おむつのムーニー 公式 ユニ・チャーム
マタニティヨガの効果とは?産前~産後いつまでやる?自宅でのやり方やおすすめのポーズを紹介│資格のキャリカレ
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