- 四十肩・五十肩とは何かについて
- 四十肩・五十肩を発症する原因について
- 四十肩・五十肩を予防、改善するヨガのポーズについて
肩こりの影響で体が重くなったり痛みが発生したりして、つらいと悩む方は多いでしょう。
特に四十肩や五十肩と呼ばれる痛みは強く、痛みだけではなく、腕が上げられないことで日常生活にも影響します。
そのため、痛みや違和感がある場合は、早めに肩周辺の対処が必要です。
この記事では、四十肩や五十肩とは何か、その原因や症状、改善方法・予防方法を解説します。
痛みや不便に悩まずに済むよう、ぜひヨガのポーズに取り組んでみてくださいね。
目次
四十肩(しじゅうかた)・五十肩(ごじゅうかた)とは?
四十肩や五十肩というのは病名ではなく、症状を指す言葉です。
一般的に症状の出やすい年齢を取ってこう呼ばれていますが、20代や30代でもなる人はいます。
正式には「肩関節周囲炎」と言います。
通常40代以降に発症することが多い症状で、肩関節の周りにある膜(関節包)が炎症している状態です。
突然激しい痛みが発生し(急性期)、しばらく経つと鈍い痛みへと変わります(慢性期)。
急性期には安静にすることが大切ですが、慢性期には少しずつでも動かすようにしないとさらに癒着して動かなくなってしまうため、注意が必要です。
ただし、四十肩や五十肩だと思っていたら、実は「腱板断裂」だったというケースも多々あります。
これは肩の筋肉と骨の付け根にある腱板が断裂している状態で、自然には治りにくく、放置すると痛みがひどくなるため病院の受診が必要です。
四十肩・五十肩の原因と主な症状
四十肩・五十肩の原因は、肩の関節を覆う膜や靭帯の柔軟性が加齢や運動不足によって低下することだと考えられていますが、正式な原因はわかっていません。
しかし、運動不足によって発症しやすくなるというのは間違いないとされています。
- 突然肩に鋭い痛みを感じる
- 肩が痛くて眠れない
- 腕が肩より上に上がらない
- 肩の高さを水平に保てない
洗濯物を干したり洗髪しているときなどに痛みや違和感を覚えたら、すぐに予防や改善に乗り出すことがおすすめです。
四十肩・五十肩の改善方法・予防方法
すでに強い痛みがある方は、まず病院を受診し、腱板断裂でないことを確認してください。
医師のOKが出たら、運動やストレッチで少しずつ肩を動かすようにしましょう。
激しい動きは痛みでできないことが多いため、呼吸とともにゆっくり動くヨガが最適です。
四十肩・五十肩の改善や予防に効果的なヨガのポーズ5選
固まってしまった肩をじっくり動かすには、以下のヨガポーズが効果的です。
- 糸通しのポーズ(パリヴリッタ・バラ・アーサナ)
- ワニのポーズ(ジャタラ・パリヴァルタナ・アーサナ)
- 鷲のポーズ(ガルダ・アーサナ)
- 牛の顔のポーズ(ゴームカ・アーサナ)
- ダウンドッグ(アド・ムカ・シュヴァン・アーサナ)
糸通しのポーズ(パリヴリッタ・バラ・アーサナ)
チャイルドポーズから体をねじって腕を通すポーズで、呼吸機能の向上・肩こりの改善・背骨の歪み改善・ウエストの引き締めなどに効果が期待できます。
- ヨガマットの上に四つん這いになり、手は肩幅、足は腰幅に開き、手首を肩の下に、膝を股関節の下に置く。
- 右手をひっくり返して手のひらを天井へ向け、右手をそのまま滑らせるように左脇の下をくぐらせて右肩と右の側頭部をマットにつける。
- 左手は前へ伸ばし、目線は脇の下から上へ向ける。
- ゆっくりと5回ほど呼吸を繰り返す。
足の甲は床から離れないようにしましょう。
できるだけ肩から力を抜き、全身を休ませます。
ワニのポーズ(ジャタラ・パリヴァルタナ・アーサナ)
ワニのポーズは自律神経の調整や背中のこり、肩こり、腰痛の解消などに効果的です。
仰向けの姿勢で行うため、よりリラックスした状態でポーズを保てる点が初心者にも取り組みやすく、おすすめできます。
- ヨガマットに仰向けになり、両膝を立てて腰をリラックスさせる。
- 右膝を両手で抱えて胸へ引き寄せ、左足は真っ直ぐに伸ばす。
- 右膝の外側を左手で持ち、右手は肩の高さで真横へと伸ばして手のひらを床へつける。
- 息を吐きながら、肩が浮かないところまで右膝を左側の床へと倒していく。
- 目線は右手の指先を見る。
- 5回ほど呼吸を繰り返したら、左右を逆にして同様に行う。
膝を倒すときに肩が床から浮いてしまうと、腰に過度な負担がかかります。
ポーズで優先すべきは膝を倒すことではなく、肩を床から浮かせないことですので間違い得ないようにしましょう。
鷲のポーズ(ガルダ・アーサナ)
鷲のポーズはヨガの中でもポピュラーなポーズです。
足首の強化や脚力向上、肩と首のこり解消に効果が期待できます。
- ヨガマットの上に両足を揃え、真っ直ぐに立つ。
- 両膝を少し曲げ、右足を左足の太ももの上へのせる。
- 両手を胸の前へ伸ばし、右手の上に左手をのせて交差させる。
- 両方の肘を重ねてまげ、手の甲を合わせる。
- お尻を後ろへ引きながら、右膝下の足を左足に絡ませる。
- 息を吸いながら肘を顎の高さまで上げて、目線は指先を見る。
- 5回ほど呼吸を繰り返したら元の体勢に戻り、反対側も同様に行う。
軸足の膝に負担をかけないよう、かかとに重心をのせましょう。
バランスがとりにくい方は、無理に足を絡めなくても構いません。軸足の太ももにもう片方の足をのせ、できる範囲でお尻を後ろへ引いてください。
牛の顔のポーズ(ゴームカ・アーサナ)
牛の顔のポーズは、二の腕や肩甲骨周りのストレッチ、そして腰痛緩和や疲労回復の効果が期待できます。
少々難易度が高いため、焦らずゆっくり取り組みましょう。
- ヨガマットの上に両足を伸ばして座り、背筋を伸ばす。
- 両手の指を立てて指の腹で床を押しながら、右膝を立てて左足の外側へ右足を置く。
- 左膝を曲げて両膝を重ね、両手で足先を掴んで足の甲を伸ばす。
- 左手を上げて耳の横から背中へ回し、肘先を天井に向ける。
- 右手を脇腹側から背中へ回し、左手とつないで目線を天井に向ける。
- そのまま5回ほど呼吸を繰り返す。
- 元の体勢へ戻り、左右を逆にして同様に行う。
膝に痛みを持つ方は練習を控えましょう。
ダウンドッグ(アド・ムカ・シュヴァン・アーサナ)
ダウンドッグはヨガのポーズの中でもたくさんの効果が期待できるため、万能ポーズと呼ばれています。
全身のストレッチ効果や筋肉・関節の柔軟性の向上、血行不良や肩こりに効果的です。
- ヨガマットの上に両手両足をつけ、お尻を天井へ向けて上げる。
- 両手は肩幅より少し広く開け、指を大きく広げる。
- 息を吐きながらゆっくりとお尻を天井へ向けて持ち上げるようにし、お腹に力を入れて背中が反らないようにする。
- 頭から腰、腰からかかとまでが一直線になるようにする。
- 5回ほど呼吸を繰り返す。
膝はしっかりと伸ばし、かかとが浮かないように床につけましょう。
もしかかとが浮いてしまうという方は膝を曲げてOKです。
四十肩・五十肩の改善や予防は早めにしよう! ヨガのポーズで徐々に伸ばして
四十肩・五十肩とは、肩に強い痛みがあって腕を回したり上げたりができなくなる現象です。
加齢や運動不足などが原因として挙げられるため、肩に違和感を覚えるようになったらすぐに対処するようにしましょう。
おすすめなのはヨガです。肩回りをほぐすヨガを継続して行い、筋肉を柔らかく保つようにしてくださいね。
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