ダイエットとアンチエイジングが同時に得られると人気が出て世界に広まったのが、「オートファジーダイエット」です。
16時間の断食をするだけというシンプルな方法から、新しいファスティングとして日本でも多くの方が取り組んでいます。
では、オートファジーダイエットにはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
どのダイエット法も、間違った方法を続ければ体を壊してしまいます。そのため、まずはオートファジーダイエットについて知識を蓄えてからトライするようにしてください。
この記事では、オートファジーダイエットとは何か、メリットやデメリット、そして具体的なやり方と成功させるコツなどを解説します。
目次
オートファジーダイエットは16時間の断食ダイエット
オートファジーは「自分を(オート)食べる(ファジー)」という意味のギリシャ語を合わせた造語です。
オートファジーとは古くなった細胞や細胞内の悪玉タンパク質を分解し、エネルギーへと変える仕組みのことで、自己修復機能を指します。
細胞が自分の不要なところを分解して再利用するため、日本語では「自食作用」とも呼ばれています。
人は食後10時間経過するとエネルギー補給のための脂肪燃焼が始まり、12〜16時間経つと飢餓状態と脳が認識し、オートファジー機能が発動します。
細胞の生まれ変わりと同時に脂肪の燃焼も促すため、この作用を利用したダイエット法として広まっているのです。
参考:首相官邸「オートファジー研究が開く医学の新境地(2017年秋号)」
1日2食・16時間は食事を抜くというシンプルな方法
オートファジーダイエットのやり方はとてもシンプルなため、続けやすいということでも人気があります。
1日の中で16時間断食すれば、残りの8時間は好きなものを好きなように食べてOKです。ただし、食べる回数は2食までと決められています。
断食時間も好きに選べるため、自分の生活サイクルの中で実践しやすいというのが特徴です。
ダイエット法としての根拠は確立されていない
オートファジーダイエットは絶食時にオートファジーが活性化して、自身のタンパク質を分解・再利用する仕組みを利用したダイエット法ではありますが、研究はほとんどされていません。
そのため、ダイエット法として確かな根拠が確立されていないという現状は覚えておいた方がよいでしょう。
オートファジーダイエットによる健康推進、疾患予防、老化対策などについてのメリットはさまざまな研究がなされていますが、このダイエットをした結果、人の健康に及ぼす影響についての結論は現状出てはいません。
オートファジーダイエットとファスティングの違い
似たようなものにファスティングがあります。
ファスティングは断食行為と訳されることも多いのですが「一定期間食事を絶つ」ことを指す言葉で、オートファジーとは微妙な違いがあります。
特に16時間ファスティングではやることや注意点などはほぼ同じなのですが、突き詰めると目的が異なります。
- オートファジーダイエット
- 細胞が自己を分解して再利用することで、古い細胞を新しく生まれ変わらせる効果がある。
- アンチエイジングとダイエット効果目的で行う。
- 16時間ファスティング
- オートファジーの活性化によって不要なタンパク質を排出・排泄する効果がある。
- デトックスとダイエット効果目的で行う。
端的に言うとオートファジーはファスティングの一形態であるため、同じものとして扱われることもあります。
▼ファスティングについては以下の記事で詳しく解説しています。
オートファジーダイエットのメリットとデメリット
オートファジーダイエットのメリットやデメリットについて、知っておきましょう。
オートファジーダイエットのメリット
オートファジーダイエットのメリットは以下の3つです。
- 体重が減る
- 腸内環境が整う
- メンタル面でポジティブになれる
単純に食事回数が減るため、体重が減少します。
16時間の断食により胃腸を休ませられ、スムーズに作用するように回復できます。
胃腸は空腹状態になると消化管ホルモン「モチリン」が分泌されますが、モチリンは胃腸の運動を活性化する働きがあるため、オートファジーに取り組むことによって腸内環境が改善可能です。
腸内環境が改善すると、便秘や下痢などの症状が緩和されます。
また、腸内環境の改善によって免疫細胞である白血球が活性化するため、免疫力の向上が期待できます。
オートファジーが活性化すると自律神経が安定し、メンタル面でもポジティブになる人が多いとも言われています。
オートファジーダイエットのデメリット
同じく、デメリットも3つあります。
- 筋肉量も減りやすい
- 過食のリスクがある
- 栄養不足のリスクがある
基本的に食事量が減るため、脂肪燃焼と同時に筋肉も分解され、筋肉量が減ってしまいます。
筋肉量が減ると基礎代謝が落ちるため、筋肉量を減らさないよう運動は必ず一緒に行う必要があります。
そして16時間の断食により、その反動によって1度の食事が過食になる恐れもあるでしょう。
逆に、食べ過ぎないようにと気を遣った結果、栄養不足になることも懸念されます。
オートファジーダイエットのやり方
オートファジーダイエットでは、朝食を抜くバージョンが一般的です。
食事の例としては、前日の20時頃に夕食を済ませ、その後16時間断食し、翌日のお昼12時頃に昼食をとります。
12時から20時の間は、2回の食事で好きなものを食べてOKです。
朝食を抜くバージョンは、以下の方に向いています。
- 夕食の時間が遅くなりがちな方
- 元々朝食を食べない、軽めにしか食べない方
17時頃に食事を済ませられる方は、翌朝9時頃に朝食をとりましょう。
9時から17時までは好きに2食でOKなため、在宅ワークなどの方はこちらの方が向いているかもしれません。
オートファジーダイエットを成功させるコツ
オートファジーダイエットを安全かつスムーズに成功させるコツは以下の通りです。
- 2食はバランスの良い食事をできるだけ同じ時間に
- 週に1度からでよい
- 必ず運動も行う
好きなものを食べてよい2食ですが、暴飲暴食や栄養分が偏った内容にならないように気を付けなければなりません。
暴飲暴食や栄養の偏りは、返って健康を害する恐れがあります。タンパク質やミネラルの摂取に気を配り、食物繊維と水分を多目に摂るようにしてください。
また、オートファジーダイエットは必ずしも毎日実践する必要はなく、できる範囲で取り組むことが大切です。最初は週に1回から始めてみましょう。それだけでも腸内環境が整いますよ。
さらに、毎日簡単な筋トレを行って筋肉を減らさないようにすることも重要です。腕立て伏せやスクワット、腹筋など、自宅でできる自重トレーニングに取り組むことをおすすめします。
オートファジーダイエットは様子を見ながら続けてみて
元々オートファジーは、痩せることより健康になることが目的で発祥したダイエット法です。
痩せることに必死になるあまり体調を崩すと元も子もないうえに、体質によっては合わない方もいるでしょう。そのため、まずは週に1〜2日を3カ月ほど継続してみることをおすすめします。
決して無理をせず、体調と相談しながら取り組んでくださいね。
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