子どもの心身の成長と頭脳の発達に、想像力は非常に重要な役割を果たします。
想像力を育むことで、新しい思考や好奇心、モノを見る視点(視座)、何かを創造する心や問題を解決したり予期する能力を向上させ、さらには自己表現の技術を磨きます。
この記事では子どもの想像力(イマジネーション)とは何か、子どもの想像力を育む方法、想像力の発達段階と特徴ついて詳しく解説します。
想像力(イマジネーション)とは?
想像力(イマジネーション)とは、心や頭の中で色々な事象やイメージを創り出したり膨らませる力を指します。
例えば、三角形の物体を見た時に「山みたい」「ピザの一切れみたい」「ノコギリみたい」「ドリルみたい」など様々なモノをイメージします。
もっと具体的な例えだと、「この三角形の山の中には恐竜が住んでいて緑が豊かで果物がたくさんある」「この三角形はトマトソースがベースでペパロニサラミやハム、チーズがたっぷり掛かっているアツアツのピザ」など、具体的にどのようなモノなのかを頭の中で考えることができることも想像力と言えるでしょう。
その他にも物体からイメージするだけでなく、環境や状態によって「コレは〇〇〇で、アレは〇〇〇」のように空想の状況を頭の中で描くことも想像力の一部でしょう。
これは物事を創造的に考える基礎となり、現実の世界には存在しない空想のものを心や頭の中で形作る能力です。
子どもの想像力が重要な理由
子どもの想像力は心身の成長と学習にとって重要な役割を果たします。
具体的には、問題解決能力や危険察知や回避の向上、創造性の発展、自己表現の向上など様々な面で子どもの成長を促進します。
例えば、想像力を駆使して1つの物語を作ったり、絵画やオブジェなどのアートを創造したりすることは、子どもが自己表現する能力を高めるのに役立ちます。
また、想像力は、子どもが困難な問題に直面したときに、新しい視点から問題を見つめ直し、「〇〇〇かもしれない」「〇〇〇だとすると…」など「もしかしたら」という仮説を立てながら思考することが期待できます。
子どもの想像力を育む7つの方法
子どもの想像力を育むための方法は数多く存在しますが、ここでは特に効果が期待される7つの方法を紹介します。
- 絵本の読み聞かせ
- お人形遊びでストーリーを作る
- 紙や箱など身近なものを使って工作しながら遊ぶ
- お絵描きや粘土で遊ぶ
- 色や形、音などの知覚的体験を与える
- 山や川、海など自然に触れる機会を増やす
- 色々な場所に連れて行く
絵本の読み聞かせ
絵本を読み聞かせることは、子どもの想像力を育てる最も簡単で効果的な方法の一つです。
絵本の物語は子どもたちに異なる視点を提供し、彼らの心に新しいイメージを植え付けます。
例えば、非常に有名な絵本ですが「きんぎょがにげた」や「ぐりとぐら」などの作品は、次の展開や何をどうするのかなど様々な状況に出会し、子どもたちの想像力を刺激します。
「きんぎょがにげた」や「ぐりとぐら」の物語を通じて、多様な想像力や視点を持つことや、想像力を育むことが期待できます。
子どもたちは絵本の物語を理解し、その物語を例えばおもちゃで遊ぶ際に物語を模倣して遊びます。実際の体験では得られない空想の物語をおもちゃで擬似体験することで想像力を養い、さまざまな状況や環境について独自の思考でイメージすることができるようになります。
お人形遊びでストーリーを作る
子どもたちがお人形で遊び、自分たちのストーリーを作り出すことは、想像力を育てるのに大いに役立ちます。
お人形遊びは、子どもが自分の世界を創造し、物語を紡ぎ出す絶好の機会です。例えば、お人形を使って家族の日常生活を再現したり、空想の世界や冒険の物語を創り出します。
この人形遊びは想像力を育む他に、自分がイメージした内容を実際におもちゃや人形を使って具現化させる能力も同時に養うことができます。
具現化させるためには「何が」「どのように」「どのくらい」「どこに」必要なのかを思考する必要があり、それをさらに具体的にすることでさらに想像力や表現力を育むことができます。
注意点としては、遊んでいる子どもに対して助言や遊戯中に口を挟まない、手を出さずに自由に遊ばせることがポイントです。
紙や箱など身近なものを使って工作しながら遊ぶ
身近な素材を使って工作をすることは、子どもたちの創造力と想像力を刺激します。
紙や箱、テープ、シールなど、家庭で手に入る素材を使って自由に工作することで、子どもたちは自分自身の想像を具現化し、アイデアを形にする力を養います。例えば、空き箱からロボットを作ったり、紙とクレヨンで自分だけの絵本を作ったりします。
結果、子どもたちの創造力と想像力を発展させ、自分のアイデアを具現化する喜びを体験できるでしょう。
お絵描きや粘土で遊ぶ
お絵描きや粘土遊びは、子どもの想像力を刺激する方法の一つです。
これらのアクティビティは、子どもが自分の思考を具体的な形に変える力を養います。例えば、クレヨンや水彩絵の具を使って自由に絵を描くことで、子どもたちは自分の感情や考えを表現します。
また、粘土を使って形を作ることは、触覚を刺激し、立体的な思考を促します。子どもが、自分の思考を視覚的に表現する能力を育てることに繋がります。
色や形、音などの知覚的体験を与える
子どもたちに多種多様な知覚的体験を提供することは、その想像力を広げる一助となります。
色や形、音、質感など、五感を刺激する経験は、子どもたちの思考の幅を広げ、新しいアイデアや視点を引き出します。例えば、色んな音楽を聴かせて音の違いを体験させたり、様々な素材の触感を感じさせたりします。
これらの体験は、子どもたちの思考を刺激し、多角的な視点を養うことに繋がります。
山や川、海など自然に触れる機会を増やす
自然と触れ合うことは、子どもの想像力を刺激する強力な方法です。
自然は無限の創造力を秘めており、子どもたちは自然と接することで新たな視点やアイデアを得ます。例えば、山でハイキングをしたり、海辺で貝殻を集めたりすることで、子どもたちは新たな発見をし、その経験を自分の想像の中に取り込みます。
自然との触れ合いは、子どもたちの好奇心を刺激し、自然の中に存在する様々な生命や現象について考えるきっかけを提供します。
色々な場所に連れて行く
異なる環境や場所に子どもを連れて行くことは、新しい視点を得るための重要な手段です。
旅行や日帰りの遠足は、新しい経験を提供し、子どもの世界を広げます。例えば、美術館や科学館、公園、動物園などに連れて行くことで、子どもは新たな知識や興奮を得ます。
これらの場所は、子どもが自分自身や世界について新たな視点で考えるための舞台となります。
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想像力の発達段階と特徴
次に、子どもの想像力の発達段階と特徴についてですが、年齢とともに発達します。
ここでは、各年齢層ごとの想像力の発達段階と特徴について、
- 2〜3歳の想像力の発達段階と特徴
- 4〜6歳の想像力の発達段階と特徴
- 7〜12歳の想像力の発達段階と特徴
それぞれ詳しく解説します。
2〜3歳の想像力の発達段階と特徴
2〜3歳の子どもたちは、自分の体を使って世界を探索します。
この年齢では、「まね」が主な想像力の表現形式です。例えば、子どもは親が電話で話しているのを見て、自分もおもちゃの電話で話すふりをするでしょう。また、この年齢では、物体が他のものに変わるという概念を理解し始めます。これは、箱を車や家に見立てるといった創造的な遊びに繋がります。
参考サイト:2歳~3歳のお子さまの発育と発達|明治
4〜6歳の想像力の発達段階と特徴
4〜6歳の子どもたちは、より複雑で想像的な遊びを楽しむようになります。
友達と一緒に遊び、共有された想像の世界を作り出すことも。例えば、「お店屋さんごっこ」や「宇宙飛行士ごっこ」など、役割を演じる遊びが人気です。
また、この年齢の子どもたちは、絵本や映画からインスピレーションを得て、自分たちの物語を作り出します。
参考サイト:子どもの想像力を高める!保育で行う見立て遊び【いつから・年齢別特徴・メリットなど】|保育士くらぶ
【4歳~7歳の発達段階】学びの「基礎」を育むヒント|こどもまなびラボ
7〜12歳の想像力の発達段階と特徴
7〜12歳の子どもたちは、物理的な制約を超えて想像する能力が高まります。
時間や空間を超えた物語を作り出すこともできるようになります。例えば、「過去の時代」や「未来の世界」、「宇宙」などを舞台にした物語を作り出すでしょう。
また、この年齢の子どもたちは、他人の視点を理解する能力が高まるため、キャラクターの心情や動機をより深く掘り下げることができます。
子どもの想像力を育むための注意点
子どもの想像力を育てることは、親や教師にとって重要な役割です。
一方で、実践する上での注意点についても認識しておくべきです。
- 子どもにプレッシャーをかけすぎない
- 子どもの自由な発想を尊重する
- 子どもに言葉や行動で否定しない
- 親のエゴや教育者のアイデアや指導法にとらわれない
1つずつ解説します。
子どもにプレッシャーをかけすぎない
子どもの想像力は、自由で無制限な空間で最も発揮します。
一方、過度のプレッシャーは子どもの想像力を抑え込んでしまう可能性があります。例えば、子どもが自分の作ったお話を楽しそうに話しているときに、「それはあり得ない」というような理由で否定してしまうと、子どもは次回から自由に話すことをためらってしまうかもしれません。
そのため、親や教師は、子どもが楽しみながら自由にアイデアを出せる環境を提供することが大切です。
子どもの自由な発想を尊重する
子どもの自由な発想を尊重することもまた重要です。
例えば、子どもが「空がピンク色になったらいいのに」と言ったとき、それが現実的でないと否定するのではなく、「それはどういう風景になるのかな?」と質問してみましょう。子どもの想像力を広げることができます。
子どもに言葉や行動で否定しない
子どものアイデアを否定する行動や言葉は、その創造性を抑制し、自己表現の意欲を低下させる可能性があります。
例えば、子どもがドラゴンの絵を描いたとして、それがリアルなドラゴンの姿とは異なるとして否定するのではなく、その独自の解釈や想像力を賞賛しましょう。
親のエゴや教育者のアイデアや指導法にとらわれない
最後に、親や教育者が自身のエゴや固定化されたアイデア、指導法にとらわれないことも大切です。
親が自分の子どもに自分が理想とする特定の才能やスキルを持たせたいと望むことは自然な感情です。しかし、その願望が子どもの自由な表現を阻害するようなら、それは逆効果となります。
例えば、子どもが宇宙船をボール紙で作って遊んでいるとき、親が「宇宙船はもっと科学的に正確に作らないといけない」と指導してしまうと、子どもは自由に創作することをためらうようになってしまうかもしれません。
逆に、子どものアイデアを素直に受け入れ、「それは面白い考えだね、どうやって作ろうか?」と、一緒に考えることで、子どもの創造性はさらに伸びるでしょう。
子どもの想像力を育てる上での注意点は、基本的に子どもの自由な表現を尊重し、否定せず、自己表現を促すことにあります。それは親や教育者が自身の価値観やエゴを押し付けず、子ども自身の創造性を尊重し、伸ばすことを意味します。
子どもの想像力を育む過程は、子どもと共に学び、楽しむ機会として捉えてみるのがいいでしょう。
まとめ
子どもの想像力は、将来的な創造性や問題解決能力、さらには社会性を育む上で重要な役割を果たします。
そのためには、親や教師が子どもの想像力を理解することが重要です。
子どもの想像力を育む方法としては、絵本の読み聞かせ、お人形遊びでストーリーを作る、身近なものを使った工作、お絵描きや粘土での遊び、知覚的体験の提供、自然との触れ合い、そして様々な場所への訪問などがあります。
一方で、子どもの想像力を育てる過程で注意すべき点もあります。子どもにプレッシャーをかけすぎない、子どもの自由な発想を尊重する、子どもに対して否定的な言葉や行動を避ける、そして親や教師自身のエゴや教育法に囚われないことが重要です。
親や教師が子どもの想像力を理解し、尊重し、そして適切に育てることで、子どもはその想像力を最大限に発揮することができるでしょう。自己成長と社会的な貢献への期待も高まります。
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