- コーディネーショントレーニングで養う7つの能力について
- コーディネーショントレーニングと脳の活性化について
- 7つ能力を伸ばす運動あそびを紹介
運動は体を動かすだけでなく、脳の活性化を促す効果があるという研究結果がありますがこれは、
運動が脳を刺激し、神経を成長させるBDNF(脳由来神経栄養因子)というタンパク質が分泌され、神経細胞が活性化しやすくなるとされています。
引用元:https://www.bodies.jp/column/kiwako-hori/30018/
特に子どもの発育に脳の活性化や運動は重要な成長要素でありますが、その中でも期待されている運動方法がコーディネーショントレーニングです。
コーディショントレーニングは体を自在に動かせる技術力の向上や体力を向上させるだけでなく、動きながら脳も同時に刺激する運動方法です。
そのため、コーディネーショントレーニングは思考力や集中力などあらゆる能力を養うことができ、子どもたちの頭脳と精神と身体のあらゆる能力向上に寄与します。
この記事では、コーディネーショントレーニングとはなにか、その効果と子どもへの様々な影響、コーディネーショントレーニングの具体的な取り組み方について詳しく解説します。
目次
コーディネーショントレーニングとは
コーディネーショントレーニングとは、手や指、足など全身の各部位ごとの動作のルールに従って、協調して動かす(協調運動)トレーニング方法のことを指します。
体の重心を感じながらバランスをとり、同時に複数の動作をおこなったり、音楽のリズムに合わせて動作することで、バランス能力やリズム感、反応速度など多くの能力が磨かれます。
これにより、日常生活やスポーツにおける体の使い方が改善され、技術の習得速度や運動パフォーマンスの向上や怪我の予防につながります。
また、このコーディショントレーニングは頭で考えながら運動するため、脳の働きにも良い影響を及ぼし集中力や記憶力、思考力、想像力の向上にも寄与します。
コーディネーショントレーニングはドイツ発祥
コーディネーショントレーニングの起源は、1960年代のドイツに遡ります。
この頃、スポーツの世界では、単に体力やテクニックを向上させるだけでなく、全身の機能を高める新しいトレーニング法が求められていました。結果、体と脳を同時に鍛えるコーディネーショントレーニングが考案されたとのこと。
コーディネーショントレーニングは、全身のバランスや協調性を養うとともに、思考力や集中力を鍛える効果もあります。
現在では、世界中のアスリートたちに取り入れられ、パフォーマンスの向上や怪我の予防、長期的な体の健康維持に寄与しています。
参考サイト:コーディネーショントレーニングで運動神経がよくなる! 効果的な練習方法を紹介します|こどもまなびラボ
コーディネーショントレーニングで養われる「7つの能力」
コーディネーショントレーニングでは7つの能力が養われます。
その7つの能力とは、
- リズム能力
- バランス能力
- 変換能力
- 反応能力
- 連結能力
- 定位能力
- 識別能力
を指します、以下からそれぞれの能力を解説します。
リズム能力
リズム能力とは、音楽や運動のリズムに適応して体を動かす能力を指します。
ダンスや体操、そして楽器の演奏など、リズムを必要とする活動全般にこの能力が求められます。
コーディネーショントレーニングでは、メトロノームの音に合わせてジャンプする、手拍子を取るなど、リズムを実感しながら体を動かす練習を通じて、この能力を高めていきます。
リズム感を養うことは、スポーツや音楽、さらには日常生活の中で行動がスムーズになるといった効果が期待できます。
バランス能力
バランス能力とは、体の平衡感覚を保つための能力を指します。
立っているだけでなく、歩いたり走ったりする際にも、私たちは無意識のうちにこの能力を利用しています。
コーディネーショントレーニングでは、バランスボールやバランスビームを使用したトレーニングで、体のバランス感覚を養うことを目指します。
結果、転倒リスクを減らし、運動能力を向上させることが期待できます。
変換能力
変換能力とは、異なる動作をスムーズかつ連続的に行う能力です。
例えば、サッカーでは走りながら同時にボールを蹴る、あるいはドリブルとシュートを連携させるといった一連の動作を行います。
これらの動作は、予測と反応の能力、そして正確なタイミングとボールへの正確な接触が必要とされます。
また、野球の場合、走行中にジャンプし、着地と同時にスライディングするという複雑な連続動作が求められます。
一塁から二塁へ、あるいは二塁から三塁へと進む際に、選手がベースに滑り込むための動作です。
一見単純に見えますが、身体の各部位の協調動作とバランス感覚、そしてスライディング後の立ち上がる動作は高度な運動予測と反応の能力を必要とします。
変換能力を磨くことで、スポーツのパフォーマンス向上はもちろん、日常生活の中での動作のスムーズさも大幅に改善することが可能となります。
反応能力
反応能力は、周囲の状況変化に対して即座に適切な反応を示す能力を指します。
サッカーやテニスなどのスポーツでは、相手の動きに対する素早い反応が要求されます。
一見、反射的なもののように見えますが、実際には脳の判断力と体の連携が必要となります。
コーディネーショントレーニングを通じて、視覚や聴覚から得る情報に対する反応スピードを鍛えることができます。
連結能力
連結能力とは、異なる動作をスムーズに連続させる能力のことを指します。
これは、スポーツだけでなく、日常生活の中でも重要な能力です。
例えば、サッカーでドリブルする動作や野球でバットを振る動作などのが、連結能力によってスムーズに行われています。
定位能力
定位能力とは、自分や物の位置関係を認識する能力のことです。
体の動きをコントロールするために必要な能力であり、スポーツでは非常に重要な能力ですが、生活する上でも定位能力が必要になります。
定位能力は、自分のいる位置と対象となる物や人との位置関係を把握する能力ですので鍛えることで、いわゆる距離感覚がつきます。
距離感覚はあらゆることで重要な能力で、野球ではフライを補給する際の落下地点、ボールの軌道・速さ、高さを判断して補給する動作に必要です。
サッカーではロングパスを受ける際に野球でフライを取る感覚と同様に、自分の位置とボールの落下地点を把握してボールをトラップします。
識別能力
識別能力とは、視覚や聴覚などの情報を正確に理解し、適切な反応をする能力を指します。
スポーツでは相手の動きを予測したり、生活面では危険予測などで様々な場面で活用される能力です。
コーディネーション能力を伸ばす運動あそび
子どもの成長を支えるためには、遊びを通じてコーディネーション能力を養うことが効果的です。
以下に、コーディネーション能力を養う運動あそびの例として、4つご紹介します。
- けんけんぱ
- 飛び石遊び(バランスストーン)
- お手玉
- 自転車や三輪
けんけんぱ
「けんけんぱ」は、一方の足で地面を蹴りながら、もう一方の足を前に出す、という動作をリズムに合わせて交互に行う遊びです。
単純ながら、リズムを感じ取り、それに合わせて体をコントロールするリズム能力と、複数の動作を順序良く結びつける連結能力を鍛えることができます。
また、メトロノームや音楽を背景に設定することで、より高度なリズム感覚を習得することも期待できます。
参照動画:【幼児サッカー】3色リングを使ったコーディネーショントレーニング【少年サッカー】
飛び石遊び(バランスストーン)
「飛び石遊び」は、一定の間隔で置かれた石やブロックの上を一歩ずつ跳んで渡る遊びです。
まるで川を渡るようなイメージで、石やブロックは平衡を保つための足場となります。
体のバランス能力を磨くだけでなく、石と石の間に入る足の位置を調整する反応能力や定位能力も鍛えられます。
さらに、間隔を広げたり、石の数を増やすことで難易度を上げて遊ぶことも可能です。
参照動画:85559 バランスストーン 11pcs
お手玉
「お手玉」は、手の中の小さな袋を指先や手のひらを使って操る遊びです。
お手玉を投げる、キャッチする、手の上で転がすなど、さまざまな動作を要求されます。
この遊びは、自分の体の動きを正確に把握し操作する定位能力、お手玉の動きを的確に察知する識別能力、そして一連の動作をスムーズに繋げる連結能力を養います。
特に、お手玉を上手に操作するには高いコーディネーションが求められ、遊んでいくとともに進歩が実感できるでしょう。
参照動画:空間認知能力向上!お手玉トレーニング!
自転車や三輪
「自転車」や「三輪車」の乗りこなしは、多くのコーディネーション能力を同時に鍛えることができます。
ペダルを踏むリズム能力、車体を立ててバランスを保つバランス能力、そして速度や方向を変えるための変換能力が求められます。
また、安全に自転車や三輪車を操作するためには、周囲の状況を正確に認識し、即座に反応する能力も必要となります。
ライフキネティックとは
ライフキネティックとは、脳と体を同時に刺激することで、人間の様々な能力を引き出す革新的なトレーニング法です。
年齢や体力、技術レベルを問わずに、全ての人が利用でき、幅広い領域でその効果を発揮します。
スポーツ分野では、動体視力や反応速度、集中力の向上といった、運動能力の向上が期待でき、また学校や学習面では、学習能力や創造力の増進、やる気の向上を促します。
ライフキネティックの効果
ライフキネティックの魅力は、効果を最大限に引き出すための短時間トレーニングと、多様な観点からのプログラムにあります。
週に一度、わずか1時間のトレーニングだけでも、顕著な成果を体験できるとされています。
例えば、「予期しない運動」を「慣れる前に変化」させ、楽しく継続して運動することで、結果として運動機能、視覚機能、認知機能の3つのカラダの機能が同時に鍛えられます。
コーディネーショントレーニングとライフキネティックスの関係
通常のコーディネーショントレーニングと比べて、ライフキネティックスは、明確な強みと違いを持っています。
ライフキネティックは、既知の運動パターンを反復練習するのではありません。
予期しない新たな運動パターンを作り出し、それを楽しみながら継続すること。そして脳と体のつながりを強化していくトレーニングです。
また、定型的な運動ではなく、常に新しい課題を提供することで、脳の柔軟性と創造性を刺激し、学習能力や問題解決能力を高めていくことを目指します。
参考サイト:ライフキネティックとは?ドイツ発祥の脳を活性化させる注目のトレーニングについて解説!|LEARN &GROW
まとめ
コーディネーショントレーニングは、7つの能力を鍛えることで、スポーツのパフォーマンスだけでなく、学習能力や生活スキルの向上にも寄与します。
特に子どもたちは、遊びを通じて無理なくコーディネーショントレーニングを取り入れることができます。
この機会に、コーディネーショントレーニングを生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
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