基礎代謝は生命を維持するのに必要な最小のエネルギーのこと。人は寝ているだけでも臓器を動かし血液を流すためにエネルギーを使っています。
日本人の成人に必要な最小のエネルギー量は、男性が約1,500kcal、女性で約1,200kcalです。それ以上のエネルギーを摂取すると、活動量を増やして消費しない限りは脂肪がどんどん体内に蓄積することになります。
ここでは男性の基礎代謝について紹介します。基礎代謝と筋肉の関係や、基礎代謝が高い人にはどのような特徴があるのか、代謝を上げるためにできることは何かなどを順番にみていきましょう。
目次
【男性の年齢別基礎代謝】基準値を確認しよう
基礎代謝は「寝ていても消費されるカロリー」です。ダイエットには嬉しいカロリー消費ですよね。では、自分の基礎代謝の 計算方法を紹介しましょう。
基礎代謝(kcal)= 基礎代謝基準値 × 体重(kg)
基礎代謝基準値とは体重1kgあたりの基礎代謝量(kcal)を示す数値のこと。年齢を重ねるごとに低下しますが、老年期に入ると数値の低下は止まります。
厚生労働省によると、日本人男性の基礎代謝基準値は以下の通りです。
- 18~29歳:24.0kcal
- 30~49歳:22.3kcal
- 50~69歳:21.5kcal
- 70歳以上:21.5kcal
つまり、現在32歳の男性(基準値は22.3kcal)で体重が65㎏の方の場合、基礎代謝は約1430kcalです。この方は寝ているだけでも約1430kcalのエネルギーを消費するため、それ以外に何かするためのエネルギーは食事で摂取しなければなりません。
基礎代謝に影響するもの8つ
前述した基礎代謝には、以下のようなさまざまなものが影響するため個人差があります。
- 体表面積:表面体積が広い方が基礎代謝が高い
- 年齢:10代半ばの成長期が最も基礎代謝が高い
- 性別:男性の方が女性よりも基礎代謝が高い
- 体格:筋肉質の人の方がそうでない人よりも基礎代謝が高い
- 体温:体温が高い人の方が基礎代謝も高い
- ホルモン:甲状腺ホルモンや副腎髄質ホルモンの分泌量が多いと基礎代謝が高い
- 季節:通常、夏場は基礎代謝が低く、冬場に高くなる
- 月経周期:月経開始の2〜3日前が基礎代謝が最高潮。月経中は低い
一般的に、基礎代謝は男性の方が女性よりも高くなります。それは単純に男性は体が大きくなり体表面積が広く、女性よりも内臓のサイズや筋肉量が多いなどが理由です。
基礎代謝のピークは10代半ばで、それ以降は年を重ねるにつれて減少していきます。つまり、どんどん痩せにくく太りやすくなるということですね。
筋肉量が大きいほど、体温が高いほど、基礎代謝は高くなります。また男女共にホルモンの影響を受けますが、特に女性は月経中に女性ホルモンの分泌量変化によって基礎代謝が上下します。
この中で、人が意識して基礎代謝を自力で向上できるのは、体温と筋肉量です。
そのため、基礎代謝を上げるためには体を温めたり、筋トレなどの運動で筋肉量を向上させることが勧められます。
基礎代謝と筋肉の関係
では、なぜ基礎代謝を上げるには筋肉量の多さが関係するのでしょうか? その理由をみていきましょう。
まず、基礎代謝の全体を部位によって分けると、以下のようになります。
- 骨格筋(筋肉):22%
- 脂肪組織:4%
- 肝臓:21%
- 脳:20%
- 心臓:9%
- 腎臓:8%
- その他:16%
最もエネルギーを使っているのが、骨格筋であることがわかりますね。そしてこの中で後天的に増やせるものは、骨格筋のみです。
筋肉量を増やせば基礎代謝が上がる仕組みとは?
筋肉量を増やすことで基礎代謝が上がる理由は、以下の3つです。
- 血流促進するから
- 臓器をサポートするから
- 体が強くなり活動量が増えるから
運動することで筋肉が収縮すると血管を圧迫し、血流は流れが滞ります。しかしそのとき、血管の内側にある内皮細胞が刺激され、一酸化窒素が一時的に分泌されます。一酸化窒素には血管を拡張させる作用があるため、圧迫と拡張が繰り返されることで血流がよくなるのです。
血液の流れがスムーズで体の隅々まで酸素や栄養素が届くと、それだけ必要なエネルギー(基礎代謝)が増えます。
各臓器の周囲にある筋肉の役割は、臓器の動きをサポートし、衝撃から臓器を守ることです。しかし、加齢やその他さまざまな原因により筋肉量が減って筋力が落ちると、臓器の働きは悪くなってしまいます。
臓器がきちんと動くためのエネルギーも基礎代謝のひとつであるため、筋肉量の向上が基礎代謝の向上につながるのです。
そして筋肉が体につくと体が軽く感じ、動きがスムーズになります。その結果、活動量が増加するため、単純に消費エネルギーが増えます。
基礎代謝が高い男性の特徴
基礎代謝が高いかどうかは、見た目だけではなかなかわかりませんよね。そこで、基礎代謝が高い男性に多いと考えられる特徴を紹介しましょう。
- 栄養バランスの取れた食事をしている
- 体脂肪率が低く筋肉量が多い
- 睡眠不足ではない
- 体重が極端に減少しない
基本的には健康的な生活をしている方、体温が高く風邪なども滅多に引かない方が当てはまりますね。
基礎代謝の高い低いを直接確認はできない
残念なことに、基礎代謝が高いかどうかを自分では直接確認できません。前述した計算方法や自宅にある体重・体脂肪率計で測定したものは、あくまでも目安です。正確に測るには大学などの研究機関での計測が必要ですが、それは現実的ではありませんよね。
そのため数字を追うのではなく、自分自身の生活習慣を改善していくことが大切です。
十分な食事で栄養を摂り、普段の生活に散歩やウォーキングなどの運動を組み込み、夜は7時間程度の睡眠時間を確保しましょう。そして隙間時間や休日に筋トレや有酸素運動を行い、筋肉量を保つようにしてください。
筋肉をつけて基礎代謝を上げるためにすべきこと
前述したように、基礎代謝を今よりも下げないようにする、できれば上げるために人が自力でできることは、運動の継続と体を温めることです。この二つには食事管理が大きく関わります。
運動の継続
運動不足と自認する方がいきなり長距離を歩いたり、ダンベルを持ってハードな筋トレをしようとしたりすると、ケガをする恐れがあります。ケガをすると筋肉をつけるどころか、日常生活もままならなくなってしまうでしょう。
そのためまずは、散歩やストレッチからスタートすることがおすすめです。さらに、下半身や胸などの大きな筋肉を自宅や会社の休憩時間などで鍛えましょう。
特に筋トレ初心者から中級者におすすめの下半身筋トレについては以下の記事をどうぞ。
そして筋肉がついて負荷が足りないなと感じるようになれば、中級者から上級者にはTRXヨガトレーニングがおすすめです。以下の記事を参考にしてくださいね。
【関連記事】TRXを利用したヨガファウンデーションとは
食事管理
筋トレや運動でエネルギーを消費した結果、栄養が不足すると返って筋肉を分解して量を減らしてしまうことがあります。
そのため、筋トレや有酸素運動は食事管理と共に行いましょう。
筋肉はタンパク質と水分でできているので、タンパク質をしっかり摂取しなければなりません。タンパク質は人を構成する重要な栄養素。肉・魚・卵・豆腐などに豊富に含まれています。
日ごろからタンパク質を意識した食事を摂るようにしましょう。また、負荷の高いトレーニングをするのであれば、プロテインを利用するのもおすすめです。
さらに体を温めるため、冷たい飲み物ではなく温かい飲み物にしたり、香辛料が入った食事などを取るとよいですね。
魅力的な男性は基礎代謝が高い傾向に! 健康的に日々を楽しもう
基礎代謝が高い男性は、そもそも健康的な生活を送っている方と考えられます。健康的な人は肌や髪に艶があり、動きが軽く、体形も引き締まっている方が多く見受けられます。体調が整っていれば気持ちも明るくなるため、より魅力的にうつりますよね。
健康的に日々を楽しむため、基礎代謝を上げる生活を意識してみてください。
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