- 知育教育の目的と方法について
- 知育教育が与える子どもへの影響
- 子どもの年齢に合わせた知育教育について
自分の子どもが将来困らずに生きていけるよう、何かサポートできないかと考える親御さんは多いのではないでしょうか。
0歳から6歳頃までの幼児期は心身ともに成長が著しく、この時期に知育教育を取り入れることで、社会で必要な「人格形成」や「思考力」を育むことができます。
この記事では、知育教育の具体的な内容について解説します。
また、知育教育の目的や年齢別のおすすめ方法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
知育教育の目的
知育教育の目的は、子どもが持つ「考える力」や「学ぶ力」を育み、将来社会で順応していく基盤を築くことです。
0歳〜6歳の幼児期(臨界期)の知育教育は脳の神経回路が急速に発達しやすい時期で、この時期に知育教育をすることで思考力や創造力を養い、問題解決能力やコミュニケーション能力を高めます。
以下の年齢のように、それぞれの年齢で重要な時期があります。
- 0歳〜3歳:身体的な感覚や基本的な認知能力が形成される時期で、五感を刺激する経験が成長や発達に重要な時期
- 3歳〜6歳:言語や論理的思考、社会性が急速に発達しはじめ、対人との遊びや対話を通じた学びが発達に効果的な時期
年齢に適した知育学習や知育玩具を用いることが効果的です。
また、知育は知識やスキルが身につく「学び」が、普段の遊びや日常生活の中にもたくさんあるため、積極的に色んな体験をさせることも重要です。
子どもが興味を持っているものに関しては、特に積極的に体験させることで、楽しみながら学ぶことができ自信や好奇心を自然と育むことも目的の1つです。
知育教育は単なる学習能力を高めるだけではなく、豊かな人間性を育てる土台作りと言えます。
知育教育で育まれる3つの目的
知育教育をもう少し具体的にすると、
- 人格形成
- IQの向上
- 社会人基礎力の土台作り
上記を育む目的があります。
人格形成
知育教育の重要な目的のひとつは、人格形成です。
幼児期は脳が大きく発達する時期で、この時期にさまざまな刺激を与えることで、子どもの「能力」や「考える力」を育むことができます。
これにより、多様な刺激を受け入れる柔軟性を持った、豊かな人格が形成されることが期待されます。
IQの向上
IQ(知能指数)は、学力ではなく人間の知能の高さを示す指標です。
知育教育は、子どもの「考える力」や「ひらめき」を刺激し、特に成長の早い幼少期に自ら考える体験を繰り返すことで、IQの向上が期待されます。
このように、幼児期の知育教育は知能発達の大きな助けとなります。
社会人基礎力の土台作り
知育教育は、社会人基礎力を育む土台を作ることができます。
社会人基礎力とは、学校や職場、地域社会で多様な人々と関わりながら「考える」「協調する」ために必要な基礎能力です。具体的には、以下の3つの能力と、それを支える12の要素で構成されています。
- 前に踏み出す力
- 考え抜く力
- チームで働く力
幼少期の知育教育を通じて、自ら考え行動する力をはじめ、柔軟性やストレスへの対処力、傾聴力などが自然と育まれる環境を整えることが可能です。
これらの力は、将来の社会生活において大いに役立ちます。
知育教育は「三育」のひとつ
三育とは、イギリスの学者ハーバート・スペンサーが1861年の出版物「教育論」で示した、子どもに対する教育の考え方です。
知育は「徳育」と「体育」を加えた三育のうちのひとつで、日本では福沢諭吉が「学問のすすめ」で紹介して広がりました。
知育とは、子どもが自発的にものごとを考えることを促し、自ら楽しみつつ学習する「質」重視の教育のことです。
「量」を重視した従来のような詰め込み型学習とは、基本的に異なります。
知育教育への取り組みが勧められているのは、心身の成長発達が目覚ましい乳幼児期です。
早くから知育教育を始めることで、考える力・記憶力・想像力などが培われ、子どもの自主性・主体性・社会性が育めると考えられています。
知育教育は子の個性や年齢に応じて適切なものを選ぶ
知育教育は0歳から始められます。
子どもの脳は3歳になるまでに大人の80%程度が完成するため、できるだけ早く始めると、単純に刺激を吸収する時間が長く取れるということです。
とは言え、発達や成長の速度は個人差が大きく影響します。
また、幼い子どもに難しすぎる課題を与えても、効果的な刺激にはなりません。
次から年齢別の知育教育の内容例を紹介しますので、お子さんの成長に合わせて選択してみてくださいね。
0歳からの知育教育
まだ赤ちゃんのうちは、視覚・聴覚・触覚を刺激できるものがおすすめです。
親がたくさん話しかける、ふわふわの布で作られた絵本を触らせる、触ると音や光がでるおもちゃで遊ばせる、など、視覚・聴覚・触覚を優しく刺激していきましょう。
1歳からの知育教育
1歳ごろからは、単純な積み木や柔らかい素材でできた人形などで遊ばせてみてください。
少しずつ自分でできることが増えてくる時期ですので、能動的に遊べる知育玩具が喜ぶでしょう。
毎日の絵本の読み聞かせも効果的です。
2~3歳からの知育教育
2、3歳になると手先が器用になってくるうえに、立体や図に関しても理解ができるようになってきます。
積み木やピースの少ないパズル、ボールなどで遊ばせてみましょう。
スプーンやお箸を使わせるなどにも挑戦するとよいですね。
ビーズに糸を通すような、細かい作業にも挑戦させてみてください。
ただし、この頃はさまざまなものを口へ入れる傾向があるため、遊ぶ際には保護者が隣につくか、誤飲の恐れがないものを選ぶようにしましょう。
4~5歳からの知育教育
すでに多くのことが自力でできるようになっています。
幼稚園や保育園に通う子も増え、刺激的な生活を送るようになっている時期です。
4、5歳では言葉や数字に対する理解が深まります。
そのため、しりとりや塗り絵、歌などを通じて数を数えることなどがおすすめですが、子ども本人が興味を持ったものを中心に知育に取り組むようにしましょう。
また、この頃にはごっこ遊びも楽しむようになります。
ごっこ遊びは観察力・思考力・想像力が必要な遊びであるため、知育に大変よいと言われています。
保護者が誘われたときには、子どもの世界観を壊さないように注意しながら一緒に楽しんでください。
知育教育のポイント
次の2つは知育教育のポイントです。
- 子どもが楽しめることを優先する
- 成長を急がない
子どもが楽しめることを優先する
知育教育で最も大切なことは、子どもが楽しみながら学ぶことです。
大人は無理強いせず、子どもが楽しみながら自主的に課題に取り組める環境を用意しましょう。
取り組みやすい課題から進め、達成感ややる気を養ってください。
また、知育教育は子どもひとりではなく親も一緒に取り組み、全員で楽しむことが大切です。
子どもとのコミュニケーションを図り、親子間の絆も強くしていきましょう。
成長を急がない
知育は、背が伸びたり体が引き締まったりといったような、目に見える成長ではありません。
そのため、子どもが遊んでいても本当に脳の発達を促せているのか、効果が出ていないのではないかと親が焦ることがあります。
しかし前述したように、あくまでも子ども本人が楽しんで遊びながら課題に取り組むことが脳への刺激として大切であるため、急かさないようにしましょう。
子どもの成長や発達は個体差が大きくあります。
1歳すぎてもハイハイをしない子もいれば、3歳頃まで言葉を発しない子もいるのです。
母子手帳に書いてある成長曲線にそっているようであれば強く心配することはやめ、様子をみてください。
子どもは強制されたり叱られたりすることで遊びに対して興味を失い、考えることをやめてしまいます。
成長の速度はひとりひとり異なると理解し、必要な場合には声かけや手伝いをするようにしましょう。
知育教育を正しく理解し家庭でも取り入れてみよう
子どもは乳幼児期に、著しい脳の発達期を迎えます。その際に有効なことが、知育教育です。
視覚・聴覚・触覚などを上手に刺激して、子どもの考える力や判断する力、想像力、社会力などを成長させ「賢い子」を育てましょう。
知育教育には教室の利用や知育アプリ、知育おもちゃなどなど、さまざまな方法があります。
しかし、必ずそれらの教材を使わなければならないというわけではありません。
家庭内でも親子でよく会話をしたり、折り紙を折ったり、本の読み聞かせをしたり、一緒にパズルをするなどで、十分にその機会は与えられます。
ぜひ工夫してできることを考えてみてくださいね。