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ファンクショナルトレーニングとは? 運動連鎖と機能性、5大原則を解説

フィットネス

ファンクショナルトレーニングとは? 運動連鎖と機能性、5大原則を解説
この記事の主な内容
  • ファンクショナルトレーニングの基本情報について
  • ファンクショナルトレーニングはどのゆようなスポーツに向いているか
  • ファンクショナルトレーニングでおすすめなトレーニング方法

子どもから高齢者まで、自分のレベルに応じてできるファンクショナルトレーニングは、全身のパフォーマンス向上に役立ちます。

立つ、座る、歩く、ものを持ち上げるといった日常生活の動きもスムーズになるため、アスリートでない方にもとてもおすすめなトレーニングです。

この記事ではファンクショナルトレーニングとは何か、どのようなメリットがあり、具体的にはどのような動きを指すか、そしてファンクショナルトレーニングをするに当たって大切な、5大原則についても解説します。

 

ファンクショナルトレーニングとは?

ファンクショナルトレーニングとは?

ファンクショナルトレーニングは、直訳すると機能的なトレーニングの意味です。

トレーニングというものは基本的に「機能的」でありますが、この場合は実生活に必要な機能を鍛え、自分の体をコントロールして動きやすくするためのトレーニングを指します。

体の筋力・敏捷(しょう)性・安定性を高めるエクササイズのことで、複数の筋肉と関節を使う「コンパウンドエクササイズ」がファンクショナルトレーニングと言えるでしょう。

たとえば、スクワットはその最も良い例です。

スクワットでは下半身の複数の関節と筋肉を使うため、座る・立ちあがる・しゃがむといった日常生活で使う動きがスムーズにできるようになります。

もともとは、ケガや病気によって本来の動作ができなくなってしまった患者さんに対し運動機能を取り戻すことが目的で、理学療法士や作業療法士がリハビリテーションで活用していました。

現代では、球技において特定の動きを鍛えるため、ファンクショナルトレーニングは選手育成トレーニングとしても認知されています。

筋トレではスクワットやプランク、ランジなどが代表的です。

他にもヨガTRXトレーニングはファンクショナルトレーニングの考え方と非常に似ており、共通点も多いので取り組みをおすすめします。

 

対義語はアイソレーションエクササイズ

トレーニングにおけるアイソレーションとは「単独」という意味であり、ひとつの筋肉だけを刺激して鍛えることを言います。

たとえばバイセップカールは上腕二頭筋と肘の関節のみを使ってウェイトを持ち上げるため、上腕二頭筋のバルクアップには効果的です。

しかし上腕のみが刺激されるだけで、全体的な機能の向上にはなりません。

マシントレーニングも同じで、対象の筋肉は効率的に鍛えられますが、全体の動きをよくするためのトレーニングには向きません。

以下が、一般的な筋トレとファンクショナルトレーニングの違いです。

一般的な筋トレとファンクショナルトレーニングの違い
  • 筋トレ=筋肥大を目的に行う ボディビル選手など
  • ファンクショナルトレーニング=筋肉を上手に使うために行う 野球やバスケサッカー選手など

 

ファンクショナルトレーニングは球技で育成トレーニングに使われる

前述したように、ファンクショナルトレーニングはサッカーやバスケットボールを代表する球技において、特定のポジションの選手に必要な技術を習得させるためのトレーニングとしても利用されています。

通常、サッカーやバスケットボールなどの球技でよく見聞きする言葉は「コーディネーショントレーニングです。

どちらも「運動能力を向上させるためのトレーニング方法」ではありますが、ファンクショナルトレーニングとの違いは重視するポイントです。

ファンクショナルトレーニングとコーディネーショントレーニングの重視するポイント
  • コーディネーショントレーニング:運動神経を鍛えることを重視する
  • ファンクショナルトレーニング:実用的な動きに合わせて筋肉を鍛え、運動機能を向上させることを重視する

 

ファンクショナルトレーニングをおすすめしたい人とそのメリット

ファンクショナルトレーニングをおすすめしたい人とそのメリット

ファンクショナルトレーニングをすることによるメリットと、取り組みをおすすめしたい人について、解説します。

 

ファンクショナルトレーニングの代表的なメリット

ファンクショナルトレーニングに取り組むメリットは、以下の通りです。

ファンクショナルトレーニングとコーディネーショントレーニングの重視するポイント
  • 普段の生活の動きがスムーズになる
  • 関節の可動域が大きくなる
  • 姿勢がよくなる
  • 肩こりや腰痛などを予防できる
  • ケガを予防できる
  • 基礎代謝を向上できる

実生活においては、自分が持つ筋肉や関節を使わないと、体を支えたり手足を動かしたりができません。

日常生活の動きを楽にできるようにし、ケガのリスクを下げるために、ファンクショナルトレーニングを行います。

また、ファンクショナルトレーニングでまず鍛えられるのは体幹です。体幹を鍛えることで姿勢がよくなり、肩こりや腰痛を予防できます。

内臓をしっかり支えられるため内臓が正しい位置に戻り、正常に働きやすくなります。その結果、基礎代謝が向上して痩せやすい体になるのです。

 

ファンクショナルトレーニングをおすすめしたい人

ファンクショナルトレーニングは以下の方におすすめです。

ファンクショナルトレーニングをおすすめしたい人
  • スポーツで成績が伸び悩んでいる人
  • 何にもない平坦なところで足がひっかかる人
  • 体重増加に悩んでいる人
  • 下腹部が出てきた人
  • 肩こりや腰痛に悩まされている人

 

最も効果を感じられるのは、普段運動をしていない方です。

ちょっとした段差で躓く場合、全身の機能が低下していると考えてください。

ファンクショナルトレーニングに取り組み、体幹と動きを鍛えることで生活パフォーマンスが向上します。

 

ファンクショナルトレーニングの5大原則

ファンクショナルトレーニングの5大原則

ファンクショナルトレーニングは、以下の5大原則に基づいてトレーニングを行います。

ファンクショナルトレーニングの5大原則
  • 重力を利用する
  • 分離と協同
  • 運動連鎖
  • 3面運動
  • 力の吸収と力の発揮

 

重力を利用する

人は全生活において、重力の影響を常に受けています。

体が重いなと感じるときは、筋力が減って重力に耐えられなくなっているということ。

つまり、重力に耐えられる体を作るために体幹を鍛える必要があるのです。

重力を利用したトレーニングは、自重トレーニングと呼ばれるものですね。

腕立て伏せや懸垂などを正しいフォームでしっかりやり込むことにより、体幹が鍛えられます。

 

分離と協同

筋肉や関節にはそれぞれの役割があり、実際に動くときにはさまざまなものが「協同」して動きを支えています。

しかし、動く必要がない筋肉や関節までが動いてしまうと、動作が不安定になってしまいます。そのため、筋肉や関節を「分離」しなくてはなりません。

たとえば走っているとき、太ももやふくらはぎなど下半身の筋肉は協同しています。

しかしここで上半身の筋肉も連動すると、全身がぐらぐらと揺れ、不安定になって走れません。

そのため、体幹をしっかり固定したままで(胴体部分は固定したままで)他の筋肉を動かす(下半身の筋肉を動かす)トレーニングをする必要があります。

 

運動連鎖

人が動くためには多くの筋肉が連動しなければなりません。

そして筋肉が連動するためには神経や心肺機能、代謝機能などが協調して働くことが必要です。

そのため全身を使った運動に取り組み、実用的な体の使い方を強化していきます。

 

3面運動

体の動きは平面でなく、前後・左右・水平面の3面で考える必要があります。

人間が走っているとき、横から見ると腕と足だけを前後に動かしているように見えますが、前から見ると左右に体重移動しているとわかります。

トレーニングをする際にも、3面での動きを考えて取り組むことが大切です。

 

力の吸収と力の発揮

ジャンプをする際、ただジャンプするよりも、一度しゃがんでからジャンプする方がより高く跳べますよね。

大きな力を出すときは、一度力を溜めてから一気に解放する必要があります。

マシントレーニングでは身体を固定して一部の筋肉だけを動かすため、このような力の吸収からの発揮はできません。

一方で、ファンクショナルトレーニングでは、実動作に近い動きで筋肉を鍛えられます。

 

ファンクショナルトレーニングで全身の動きをスムーズにしよう!

ファンクショナルトレーニングに取り組むと、毎日の生活で使う動きが少し楽になります。

スムーズかつ思い通りに体が動けることは余計なストレスをなくし、生活の幸福度(生活の質)を上げることにもつながります。

必要な筋肉がしなやかについた体は、ケガのリスクも低いもの。ぜひファンクショナルトレーニングを始めてみましょう。


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