ストレスや冷えで体が縮こまり、呼吸が浅くなると腸の働きにも影響し、血流が滞りやすくなることで便秘が発生してしまいます。そこで近年人気が出ている「腸活」に注目しましょう。
腸内環境を整えることでわたし達はさまざまなメリットを受けられますが、数々ある腸活の方法の中で、おすすめしたいのがヨガです。深い呼吸と共に体をのばしたりねじったりすることによって腸を刺激すると、便通の改善や免疫力の向上などが期待できます。
この記事では、朝や夜に取り組んでほしい腸活にぴったりのヨガポーズをそれぞれ紹介します。ぜひ挑戦し、習慣にしてくださいね。
目次
腸は「第二の脳」! 腸活を行うメリットを紹介
腸活とは、簡単にいうと腸内環境を整えることです。食生活や運動によって腸内環境を整え、健康的な体を目指す一連の行動を指します。
腸は唾液や皮脂、血液などを通してあらゆる臓器とつながっているところで、全身の健康への影響がとても大きい器官。脳と腸は自律神経系やホルモンなどを介して双方向に影響を及ぼすため、腸は「第二の脳」とも呼ばれています。
腸活によるメリットは以下の通りです。
・便秘解消
・ダイエット
・免疫力向上
・肌質改善
・自律神経の整調
・睡眠の質改善
など
腸内環境を整えることで老廃物の排出がスムーズにいくようになるため、頭皮を含めた肌の悩みや冷えによる不快な症状などを改善できます。
参考:大正製薬ダイレクト健康お役立ち情報「体の中から健康に! 腸内環境を整える」
腸活にヨガが効果的な理由とは
腸活には食事やストレッチなどさまざまな方法がありますが、その中でもヨガがおすすめなのは、ヨガが持つ効果のためです。
腸を刺激するだけでなく、ヨガで内臓機能を高めたり血流を促進することで、腸の働きの活性化が期待できます。
また、ヨガは腹式呼吸が基本ですが、腹式呼吸ではお腹を大きく動かすため内臓の動きも活発化させられ、腸をしっかりと刺激できます。ゆったりとした深い呼吸は自律神経を整える効果もあり、まさに一石二鳥と言えるでしょう。
朝のヨガで蠕動(ぜんどう)運動を促そう!5分以内でできる腸活ヨガポーズ2つ
蠕動(ぜんどう)運動とは、消化管の筋肉をリズミカルに絞ってリラックスさせる動きのこと。消化した食べ物を腸内で移動させ、体外に排出する動きを指します。
では、ヨガの腸を直接刺激するポーズで排泄を促しましょう。こちらは朝食前の空腹時に行うのがおすすめです。
- ラクダのポーズ(ラシュトラーサナ)
- 半分の魚の王のポーズ(アルダマッツェーンドラーサナ)
ラクダのポーズ(ラシュトラーサナ)
ラクダのポーズで体の前面を深く伸ばし、お腹の血流促進や腸の動きを活性化させましょう。背中や太ももの前面もストレッチできます。
【ラクダのポーズのやり方】
- ヨガマットの上に膝立ちになり、両ひざは腰幅に開く。
- 足先を床に立てて親指の付け根で床を押し、両手をお尻に当てる。
- 息を吐きながら鎖骨を開き、肩と肘を背中側へ寄せ、両手でお尻を押し下げて足の付け根を前に突き出す。
- 両手でお尻を押し下げながら、胸を天井方向へ持ち上げる。
- 体の前面を伸ばしたまま、お尻から片手ずつ手を放してかかとをつかむ。
- そのままじっくりと呼吸を繰り返す。
腰を無理に反らせると痛める原因になるため、注意しましょう。初心者の方は、下半身をしっかり安定させて胸を引き上げるようにすることで、背筋が自然に収縮して後屈しやすくなります。
半分の魚の王のポーズ(アルダマッツェーンドラーサナ)
半分の魚の王は姿勢改善、骨盤調整、代謝アップなどの効果があるポーズです。上半身をねじることで腸へ刺激を与えましょう。
【半分の魚の王のポーズのやり方】
- 両足を前に伸ばして座り、背骨を真っ直ぐに伸ばす。
- 左膝を立て、右足は膝をまげてかかとを左脚の付け根あたりにつける。
- 左脚を右膝の外におき、右肘を左膝にかけ、右手で左足の甲をつかむ。
- 左手は体の背中側へ回し、右の腰をつかむ。
- 目線を体の後ろ側へ向け、呼吸を止めないようにしながら上半身を左後ろへひねる。
- そのまま5回ほど呼吸を繰り返す。
- 左右を交代し、同様に行う。
体が硬く左手を背中に回せない場合は、左手は体の後ろで床について構いません。上半身と顔、目線はしっかり左後ろを向いて体をねじりましょう。
夜はヨガで心身をリラックス! しっかり伸びる腸活ヨガポーズ3つ
一日を終えて自宅に戻ってきたら、リラックスしながら腸を刺激するヨガポーズを行いましょう。紹介するポーズは、寝る前のストレッチとしても優秀です。内臓機能を高め、腸内環境の改善につなげてください。
- 真珠貝のポーズ(クルマーサナ)
- ガス抜きのポーズ(パヴァナムクタアーサナ)
- 屍のポーズ(シャバーサナ)
真珠貝のポーズ(クルマーサナ)
真珠貝のポーズを行うことで股関節周辺の筋肉をゆるめつつ、足の付け根をしっかりのばします。脳の鎮静作用や目の緊張を和らげる効果も期待できますよ。
【真珠貝のポーズのやり方】
- あぐらの姿勢から足裏同士を合わせる。
- 両手をふくらはぎの下を通して出し、足の甲を手のひらで包むようにする。
- 息を吸いながら背筋を伸ばし、息を吐きながらゆっくりと上体を前へ倒していく。
- 無理のない範囲でおでこをかかとに近づけて、5回ほど呼吸をゆっくり繰り返す。
あぐらでかかとを合わせられない方は、イラストのようにかかとを自分の体から遠ざけてやってみましょう。
ガス抜きのポーズ(パヴァナムクタアーサナ)
ガス抜きのポーズでは太ももでお腹にほどよい圧力をかけ、血流を促進しながらお腹の張りや不快感を和らげるポーズです。疲労回復や心身のリラックス効果も期待できます。
【ガス抜きのポーズのやり方】
- ヨガマットの上に仰向けになり、両ひざを曲げて両手で膝を抱える。
- 肩から背中全体を床につけ、肩が床から浮かないようにする。
- 5回ほどゆっくりと呼吸を繰り返す。
ガス抜きのポーズには流派によっていくつか工程があります。片足ずつ胸に引き寄せてから脱力してから、最後に両ひざを一緒に引き寄せるやり方もあるので、心地よいと思えるやり方で実践してみましょう。
屍のポーズ(シャバーサナ)
屍のポーズは完全に脱力し、脳もやすめる究極のリラックスポーズです。ただ寝転んでいるようですが、腹式呼吸で穏やかに全身を休めましょう。
【屍のポーズのやり方】
- ヨガマットの上に仰向けになり、脇の下に拳1つ分のスペースを開けて両手を体の横で伸ばす。
- 手のひらは天井に向け、両足は腰幅程度に開く。
- 肩の力を抜いて顎を軽く引き、目を閉じる。
- 目や指、内臓からも力を抜くイメージで全身から力を抜く。
- 自然な呼吸を繰り返し、脱力したまま5分ほど過ごす。
脱力しにくい場合は、足首などの関節を揺らすと力を抜きやすくなります。試してみてください。
腸活ヨガですっきり爽やかな毎日に!
腸活ヨガで、体をねじることによって腸やその周辺の内臓を物理的に刺激し、血流を促進して全身を温めましょう。
朝に行うことで老廃物の排出を促し、すっきりと一日を始められます。そして夜はリラックス効果もあるヨガを行うことで、睡眠の質を上げて内臓機能を休めましょう。
どのポーズも、体によいからと無理はしないようにしてください。自分ができる範囲のままで構いませんので、ゆっくり呼吸を繰り返しながら取り組むことが大切です。
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