コーディネーショントレーニングは、身体のさまざまな能力を向上させるトレーニング方法として、子どもに限らず大人でも注目を浴びているのをご存知でしょうか?
このトレーニングは定位能力、変換能力、連結能力、反応能力、識別能力、リズム能力、バランス能力の7つの重要な要素に焦点を当て、大人の方々にも健康とパフォーマンスの向上をもたらすと言われています。
本記事では、これらの能力の意義と、大人向けのコーディネーショントレーニング方法について詳しく解説します。
目次
コーディネーショントレーニングの「7つの能力」とは
コーディネーショントレーニングには、以下の7つの能力が含まれます。
- 定位能力:自分の身体の位置や周囲の状況を把握する能力
- 変換能力:異なる動きを組み合わせる能力
- 連結能力:複数の動きを一連の動作として行う能力
- 反応能力:動きを素早く反応する能力
- 識別能力:動きの違いを認識する能力
- リズム能力:動きにリズムをつける能力
- バランス能力:体のバランスを保つ能力
それぞれ詳しく解説します。
定位能力
定位能力は、身体の部位がどの位置にあるかを正確に把握し、コントロールする重要な能力です。
例えば、バスケットボールのフリースローシュートを考えてみましょう。フリースローラインに立ち、ボールを投げる際に、手と目の協調を使って正確な位置にボールを送り込む必要があります。
定位能力が高い人は、瞬時に手と目を調整し、ボールを正確な位置に届けることができます。スポーツだけでなく、日常生活でも歩行や階段の上り下りなどでも必要な能力です。
変換能力
変換能力は、異なる動きやポジションへのスムーズな移行能力を指します。
例えば、ヨガのワーリアポーズから三角ポーズへの移行を考えてみましょう。変換能力が高い人は、これらのポーズを滑らかにつなげ、筋肉や関節に無理な負担をかけずに運動を続けられます。
ダンスや体操の演技にも重要であり、柔軟性と力強さを組み合わせて効果的なパフォーマンスを実現します。
連結能力
連結能力は、複数の動きや動作を組み合わせて効果的な運動パターンを作成する能力を指します。
例えば、テニスのラリーを考えてみましょう。ボールが飛んでくるたびに、プレイヤーは走りながらボールに向かい、スイングし、正確なショットを繰り出す必要があります。連結能力が高い人は、これらの動きを効果的に連続させ、相手に圧力をかけることができます。
球技やコンタクトスポーツで特に重要です。
反応能力
反応能力は、外部刺激に対して素早く反応し、適切な動きを行う能力を指します。
例えば、バドミントンの試合中に相手のスマッシュを迎え撃つ瞬間を考えてみましょう。反応能力が高い人は、相手の動きを素早く読み取り、正確にショットに対応することができます。
スポーツだけでなく、日常生活でも急な危険に対処する際に重要です。
識別能力
識別能力は、身体の感覚情報を正確に認識し、運動に統合する能力を指します。
例えば、スキューバダイビングをする際、水中での身体の位置や周囲の状況を正確に感じ取ることが必要です。識別能力が高い人は、水中で安全に動き回ることができます。
水泳やサーフィンなどの水上スポーツにも関連している能力です。
リズム能力
リズム能力は、運動のタイミングやリズムを正確にコントロールする能力を指します。
例えば、ダンスのパフォーマンスでは、音楽のリズムに合わせて動きをすることが求められます。リズム感がある人は、楽曲に合わせて踊ることが自然とできるだけでなく、音楽の演奏や楽器の演奏にも関連しています。
バランス能力
バランス能力は、身体の安定性を維持し、異なるポジションでの運動をサポートする能力を指します。
例えば、ボードスポーツであるサーフィンやスケートボードでは、ボード上でのバランスを保つことが不可欠です。バランス能力が高い人は、波に乗ったり、トリックを決めたりする際に安定感を持ち、怪我を防ぎます。
ヨガやピラティスの練習にも重要な能力になります。
▼コーディショントレーニングについては以下の記事で詳しく解説しています
運動神経や運動能力の向上は可能なのか
コーディネーショントレーニングを行うことで、運動神経や運動能力の向上は大いに期待できます。
運動能力向上においては、以下の点について理解しておきましょう。
- 運動能力は後天的に身に付く
- 身体能力は遺伝が関わる
運動能力は後天的に身に付く
運動能力は、後天的に身に付けることができるという点を理解しておきましょう。
例えば、ランニングを始めたとき、最初は疲れやすく、速く走れなかったかもしれません。しかし、継続的なトレーニングと練習によって徐々にスピードと持久力を向上させることができます。
同様に、スポーツやフィットネス活動においても、定期的なトレーニングが運動能力向上の鍵です。
身体能力は遺伝が関わる
運動能力は遺伝的な要素も関与します。
生まれつき柔軟であったり、筋力が高いなど、遺伝的な特性が運動能力に影響を与えることもあるのです。ただし、遺伝的な要素が全てではありません。
トレーニングと練習を通じて、遺伝的な制約を克服し、自身の最大限の運動潜在能力を発揮できることもあります。
例えば、バスケットボール選手や陸上競技選手は、遺伝的な要素に加え、長年にわたるトレーニングで高い運動能力を獲得しています。要するに、運動能力向上には遺伝的な要素と努力の組み合わせがあってのことだという点を理解しておきましょう。
努力次第で、誰でも自身の運動能力を向上させることが可能です。
コーディネーショントレーニングは大人でも効果がある
コーディネーショントレーニングは、年齢に関係なく大人にも大きな効果をもたらすトレーニング方法です。
以下に、大人が受けることができる効果について詳しく説明します。
- 危険予測や回避行動を取りやすくなる
- 関節の連動性が高まり、スムーズに強調して運動できる
- 怪我をしにくくなる
危険予測や回避行動を取りやすくなる
大人は、コーディネーショントレーニングを通じて、危険な状況に対する予測力や適切な行動を取る能力を向上させることが期待できます。
例えば、歩行中に障害物を見逃しにくくなり、転倒事故を防ぐことができます。
また、スポーツやアウトドア活動においても、突然の状況変化に対して迅速に対応するための反応力が向上します。
関節の連動性が高まり、スムーズに協調して運動することができる
コーディネーショントレーニングにより、関節の連動性が高まるのをご存知でしょうか。
例えば、ゴルフのスイングやテニスのストロークなど、複雑な運動において、身体の異なる部位がスムーズに協力して動く能力が増します。
これにより、スポーツやフィットネス活動において技術向上が期待できるのです。
また、日常生活においても、階段を上り下りしたり、物を持ち上げたりするときに、身体の協調性が高まり、効率的に動きやすくなります。
怪我をしにくくなる
大人がコーディネーショントレーニングを継続的に行うと、筋肉のバランスが整い、関節の安定性が向上します。
結果、怪我や捻挫などをしにくくなることが期待できるのです。
健康的な生活を維持するのに役立ち、特に高齢者にとっては、骨折予防にも寄与します。
大人にとってコーディネーショントレーニングは、健康と生活の質を向上させるための効果的な手段であり、年齢を問わず積極的に取り入れるべきトレーニング法の1つと言えるでしょう。
大人向けのコーディネーショントレーニング方法
大人向けのコーディネーショントレーニングは、日常生活に取り入れやすく、効果的な方法があります。
具体的なトレーニング方法として、以下をご紹介します。
- シャッフルタップ
- ベクターボールトレーニング
- ヘコスティックストレーニング
それぞれ解説します。
シャッフルタップ
1つ目はシャッフルタップです。
シャッフルタップは、コーディネーショントレーニングの一部として行われる運動の一つで、足の反射神経や協調性を向上させるためのエクササイズです。
準備姿勢
まず、立ってリラックスした姿勢をとります。足は肩幅程度に開き、腕は自然に垂直に下げます。
シャッフルの開始
まず、片足をわずかに持ち上げ、反対の足で地面を軽くタップします。体が少し横にシフトします。
タップと同時にスイッチ
タップした瞬間、反対の足を持ち上げて前の足に交換します。体が反対側にシフトし、反対の足でタップ。この動作を繰り返します。
リズムを保つ
シャッフルタップはリズミカルな動きが重要です。タップの間隔やスピードを一定に保ち、スムーズなリズムを作ります。
方向転換
運動をより効果的にするために、前進・後退や左右方向へのシャッフルを組み合わせることもあります。方向転換を取り入れることで、運動のバリエーションを増やし、コーディネーション能力を向上させます。
シャッフルタップは、初心者から上級者まで誰でも取り組むことができるトレーニングであり、コーディネーションや運動能力の向上に寄与します。
ベクターボールトレーニング
2つ目は、ベクターボールトレーニングです。
脳を鍛える革新的なトレーニングで、あらゆるスポーツのパフォーマンス向上が期待できます。
ボールがランダムに色を変化させる特徴を持っており、以下はその詳細です。
衝撃で色が変わる
ベクターボールは短い光を発し、ボールに衝撃を与えるとボールの色がランダムに変化します。
視覚情報処理と脳の協調を鍛え、運動動作に迅速に反映される能力を向上させます。
目と脳を鍛える
ランダムな色の光を発するベクターボールを使用したトレーニングは、視覚情報を活用して脳を鍛えます。
これにより、運動中に視覚情報を効果的に処理し、正確な動作を実現する能力が高まります。
優れた耐久性と防水性
ベクターボールは耐久性に優れており、壁に投げたりバットで打てるようになります。
また、防水性を備えているため、水中でのトレーニングにも適しています。
あらゆるスポーツで使用可能
ベクターボールは野球、ソフトボール、ラクロス、サッカー、バスケットボール、バレーボール、フットボール、ホッケー、テニス、クリケット、ボクシング、総合格闘技など、多くのスポーツで利用されています。
スポーツ全般のパフォーマンス向上に貢献する多目的なトレーニングツールです。
ヘコスティックストレーニング
3つ目は、ヘコスティックスを使ったトレーニングです。
ヘコスティックストレーニングは、Hand Eye Coordination(目と手の協応動作)を鍛える革新的なスポーツビジョントレーニングツールで、3色3又型のヘコスティックスからなります。
高度な運動能力を要求し、動体視力、視覚情報処理、軌道予測、正確な目と手の協応動作を向上させる効果が期待できるのです。ヘコスティックスは軽くて柔らかいEVAフォームで作られており、基本的な使い方は簡単です。
まず、特定の色を指定し、次にHECOstixを投げ、最後に指定した色のスティックをキャッチするのです。単純な動作のように見えますが、実際には非常に高度な運動能力が求められます。
まとめ
大人向けのコーディネーショントレーニングは、日常生活に取り入れやすく、効果的な方法があります。
お伝えしたトレーニング方法を継続的に取り入れることで、運動神経や運動能力を向上させ、健康的で活力ある生活を実現できるでしょう。
大人の方々にとって、コーディネーショントレーニングは年齢に関係なく、身体と心の健康をサポートする強力なツールと言えます。
ぜひ日常生活に取り入れ、その効果を実感してみてください。
▼こちらの記事も読まれています