- 子どものダイエットと肥満と痩せすぎについて
- 子どものダイエット方法について
- 肥満症と運動週間について
もしも、子どもの見た目が気になったとしても、小学生以上であれば成長期の本番に入るため、1日3食を食べてしっかりと睡眠を取っているのであればさほど心配はいりません。
しかし、中にはダイエットを検討しなければならない場合もあります。
ただし、極端なダイエットはこどもの心身のバランスを崩してしまう恐れがあるため、大人が見守りながら減量を進めていきましょう。
この記事では、こどもにはダイエットが必要かどうか、肥満もしくは痩せすぎのリスクや、肥満かどうかを判断するための計算方法、そして、こどもにおすすめするダイエット方法などを解説します。
目次
こどもにダイエットは必要? 肥満と痩せすぎのリスク
こどもの場合、ぽっちゃりしているからといって肥満であるとは限りません。
しかし、もしも肥満傾向にあると感じた場合は、肥満度を測って診断する必要があります。
その結果「肥満である」と診断されると、生活習慣改善の注意や指導が入ります。
また、メディアの影響などを受けたこどもが、特に太ってはいないのに「ダイエットしなきゃ」と考えてしまうことがあります。
特に女子に多く見られますが、痩せすぎも心身に大きな悪影響をもたらすことを周囲の大人が理解し、こどもにもきちんと説明することが大切です。
では、肥満と痩せすぎ、それぞれのリスクをみていきましょう。
肥満のリスク
こどもが肥満になるリスクには、以下の2つが考えられます。
- 健康障害を引き起こす
- からかいやイジメなどによって心が傷つく
健康障害とは、たとえば常に体がだるいと感じていたり、立ちくらみや頭痛、腹痛などが日常的に起こったりすることを指します。
睡眠中に呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群を引き起こすこともあり、寝ているつもりでも実際にはしっかりと眠れておらず、頭がぼーっとすることが増えます。
体がだるくてどこかが痛いため気分も晴れず、学校に問題がないのに不登校になる子も。
また、人よりも見た目が太いことをからかわれることも散見され、こどもの心が傷ついて落ち込んでしまう原因になります。
痩せすぎのリスク
一方、痩せすぎの場合にもこどもの心身には以下のようなリスクがあります。
- 栄養不足で成長障害を引き起こす
- ホルモンバランスが崩れる
- 精神疾患発症の可能性が上がる
こどもは細胞分裂が活発であるため、多くの栄養摂取としっかりした睡眠時間が必要不可欠です。
成長していく体に必要な栄養が取れないと、成長障害を起こす可能性が高くなります。
成長曲線から、体重や身長が大きく離れてしまうのですね。
ホルモンバランスが崩れ、骨が弱くなったり生理不順の原因になったりもします。
さらに、ダイエットが原因で心臓や肝臓を傷めてしまう子もいます。
精神的にも、極端なダイエットはよい影響を及ぼしません。
たとえば食べ物を食べられなくなる拒食症や、異常なほど食べて吐くを繰り返す過食症になることも。
栄養不足が原因でうつを発症してしまったり、不安障害に苦しめられたりする子もいます。
肥満と肥満症は異なる
肥満は「太っていること」で病気ではありませんが、肥満症は病気です。
なお、大人とこどもでは「肥満症」という言葉は同じでも、定義が異なります。
- 大人の肥満症:BMIが25以上、脂肪組織に脂肪が過剰に蓄積した状態
- こどもの肥満症:肥満度が20%以上で、体脂肪が優位に増加した状態
つまり、こどもの場合は肥満度が20%以上あっても、体脂肪率が低ければ「がっしりしている子」と判断します。
子どもが肥満かどうかの計算方法
こどもが肥満かどうかを測るには、幼児の場合は「カウプ指数」、児童と生徒(小学校〜中学校)の場合は「ローレル指数」を使います。
カウプ指数の計算方法
体重(kg)÷身長(m)の2乗
- やせ:13未満
- やせぎみ:13~15未満
- 正常:15~18未満
- 肥満気味:18~20未満
- 肥満:20以上
ローレル指数の計算方法
体重(kg)÷身長(m)の3乗×10
- やせ:100未満
- やせぎみ:100~115未満
- 正常:115~145未満
- 肥満ぎみ:145~160未満
- 肥満:160以上
参考:Ke!san「子供の肥満」
小児肥満だった人は成人肥満に移行することが多い
小学生のとき肥満だった人の約4割、中学生のとき肥満だった人の約7割が、成人肥満に移行するといわれています。
成人肥満になれば、その解消にはかなりの努力が必要です。
こどものうちに改善しておくことで、将来の生活習慣病のリスクを軽減できるため、早めにダイエットに取り組むようにしなければなりません。
こどもにおすすめのダイエット! 食生活と運動習慣
こどもが肥満だと診断された場合は、食生活の改善と運動習慣を身につけることで改善していきましょう。
大人と違い、こどもは成長に合わせて基礎代謝は高くなっていくため、大抵の場合は運動習慣を取り入れるようにするだけで肥満は改善できます。
食生活の見直し
食生活では、以下の項目を守るようにしてみてください。
- 間食を減らす
- タンパク質を多めに摂る
- 食事時間を決める
基本的に1日3食をちゃんと食べられていれば、間食は不要です。
摂るとしても夕方に軽いおやつを食べる程度にとどめるようにしましょう。
そして食事では魚や肉、卵、豆腐といったタンパク質を多めに食べられるようにし、できるだけ毎日の食事時間は合わせるようにします。
特に大切なのは、寝る前の2時間前には食事を終わらせていることです。
親にも都合がありますが、こどもの食事時間を親に合わせて遅くしてしまうと、寝ている間に消化することになるため体がしっかり休めません。
運動習慣の維持
肥満と診断されるこどもは、多くの場合、体を動かす機会が少ないと言われています。
たとえばスポーツ系の習い事をしていなかったり、休日も外にはいかずテレビ視聴やゲームをしたりすることが多いなどです。
そのため、以下の項目の実施を目指してみましょう。
- 休日は家族で公園などに出かける
- 運動の習い事を始める
- できるだけ歩かせる
もともと親がインドア派であったり、平日の疲れが残っていたりする場合、親が自宅でゆっくりすることが増えるとこどもの外出頻度も減ります。
心身の疲れは野外で体を動かすことによって、ストレス発散とともに解消できることも少なくありません。ぜひこどもさんを誘って、休日は家族で遊びにでかけてみてはいかがでしょうか。
こども本人が体を動かすことが嫌いでなければ、水泳や体操、サッカーなどの習い事を始めることもおすすめです。
また、学校の行きかえりだけでなく、習い事や買い物、友達と遊ぶときなども、できるだけ歩いたり、走ったりする運動をするようにしましょう。
歩行は、最も手軽で簡単な全身運動です。その影響は大きいため、しっかり歩くようになるだけで体重が減る子もたくさんいます。
運動習慣を身につけ、それを維持できるように大人がサポートしてくださいね。
こどもが「肥満」であればダイエットを検討しよう
もしもこどもの体形が大きくなってきたと感じ、さらに日ごろだるさが抜けないといったようなことを言うような場合は、肥満を疑ってみましょう。
基本的にはこどもにダイエットは不要ですが、こどもでも「肥満症」になることがあります。
大人と違いこどものダイエットは効果が早くでるため、肥満を疑うときには食生活や運動習慣について見直し、少しずつでいいので対応していきましょう。