- 有酸素運動と無酸素運動について
- 生活習慣病と基礎代謝の向上について
- 有酸素運動と無酸素運動によるダイエットについて
健康や体型維持、ダイエットのために運動をする方が多いかと思いますが、運動と一口に言ってもさまざまな方法があります。
代表的な運動方法としてあげられるのが、有酸素運動と無酸素運動の2つではないでしょうか。
有酸素運動で有名なのはジョギングやサイクリング、エアロビクス。無酸素運動は筋トレが代表的なものとして挙げられます。
それぞれの運動に特徴がありますが、有酸素運動と無酸素運動は一緒に取り組むことで多くのメリットが得られることはご存知でしょうか。
この記事では、有酸素運動と無酸素運動について、運動方法の違いや一緒に取り組む方法、目的に合わせた運動時間の配分などを紹介します。
上手く運動を組み合わせて効果的に健康促進やボディメイクをしていきましょう。
目次
有酸素運動とは
有酸素運動とは、体内に酸素を十分に取り込みながら、軽度から中程度の強度が筋肉にかかる長時間継続する運動のことです。
有酸素運動では、体内の酸素がエネルギーとして使用され、主に脂肪や糖質の燃焼されます。そのため、心肺機能の向上や脂肪燃焼、持久力の強化に効果的です。
また、血流が促進されることで、心臓病や高血圧などの生活習慣病の予防にもつながります。
有酸素運動の種類
代表的な有酸素運動には、ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳などが含まれます。
ウォーキング
ウォーキングは、酸素を体内に取り入れながら低度から中強度の運動を継続的におこなうため、誰でも簡単に取り組むことができます。
ウォーキングでは以下の効果が期待できます。
- 心肺機能の向上
- 体脂肪の燃焼
- リフレッシュ
ジョギング
ジョギングはウォーキングよりも少しだけ強度の強い運動になります。
駆け足で走り、息が少し切れながらも会話ができる程度の運動で、有酸素運動の中でも代表的な運動です。
- 心肺機能の向上
- 体脂肪の燃焼
- 下半身の筋肉(太もも、ふくらはぎなど)の強化
- 骨密度の強化
サイクリング
サイクリングは自転車やバイクマシンを利用して運動します。
サイクリングはウォーキングやジョギングよりも、膝や足首などの関節への負担が少なく、怪我をしにくい運動でもあります。
またバイクマシンを利用することで、天候に関係なく屋内で実施することができ、習慣化しやすいメリットもあります。
- 心肺機能の向上
- 体脂肪の燃焼
- 下半身の筋肉(大腿四頭筋、ハムストリングス、ふくらはぎなど)の強化
- 生活習慣病の予防
有酸素運動はFITTを設定する
有酸素運動をする際には、どの運動を、どの程度の強度で、何時までやるのかを設定しておくことで、効果的に運動を実施することが、これらの設定をFITTと呼びます。
FITTとは、運動処方に大切な4つのポイントのことで、Frequency:運動頻度、Intensity:運動強度、Time:運動時間、Type of exercise:トレーニングの種類を示します。
引用元:運動強度とは | 健康長寿ネット
つまり、このFITTを設定することで「なんとなく運動している」から「しっかり運動をする」というように意識を傾けることができます。
運動は強度や時間、動かす(鍛える)部位を意識しながら行うことで、より効果を高めやすくなります。
今後、運動をする際はぜひFITTを設定して、意識して取り組んでみましょう。
無酸素運動とは
無酸素運動とは、短時間で筋肉に高負荷をかけ、大きな力を発揮する運動を指します。
無酸素運動とは無呼吸でおこなう運動と思われがちですが、実はそうではなく、力を発揮する際の筋
筋肉に蓄えられたエネルギー源(アデノシン三リン酸、クレアチンリン酸、グリコーゲン)を瞬時に利用するため、酸素を使わずに短期間で強い力を発揮します。
無酸素運動の種類
無酸素運動で代表的な運動は以下となります。
筋力トレーニング(筋トレ)
筋力トレーニングとは、鍛えたい筋肉へ高強度な負荷をかけて、筋肉を刺激し身体を引き締めたり、さらに太く強靭な筋繊維にする運動です。
- 筋力・筋肉量の増加
- 基礎代謝の向上
- 骨密度の向上
- メンタルヘルスの向上
ダッシュ(短距離走)
ダッシュも筋トレと同様に高強度な運動です。
ジョギングやランニングとは異なり、全速力で走りるため瞬発力が最も必要となる運動です。
そのため酸素を消費せずに、大きな力を一気に発揮するため無酸素での運動となります。
- 瞬発力と筋力の向上
- 心肺機能の強化
- 脂肪燃焼と体脂肪の減少
- 筋肉の引き締めと代謝の向上
HIIT(高強度インターバルトレーニング)
HIITは短時間集中型トレーニングで、高い脂肪燃焼効果のあるトレーニング方法です。
HIIT(ヒット / ヒート)は「高強度の負荷のかかる運動と休憩を短い間隔で繰り返すトレーニング方法(High Intensity Interval Training)」のことです。
無酸素運動によって体を限界まで追い込み、体脂肪を燃やしやすい状態にすることを目的としています。
HIITは普段運動されている方から、運動経験のない方、あるいはリハビリをしている方まで幅広く導入されているトレーニング方法です。
HIITの運動メニューによって強度が違いますが、自分に合ったメニューを選べるのもHIITのメリットです。
有酸素運動と無酸素運動は何が違う?
「健康には運動がよいとは聞くけれど、筋トレと有酸素運動の違いとは何だろう」と悩んだ方もいるでしょう。
そこでまずは、筋トレと有酸素運動の違いについて述べていきます。
筋トレは短時間に強い負荷をかけるハードな運動
筋トレは「筋肉のトレーニング」の略語で、無酸素運動の一種です。
特定の筋肉に強い抵抗をかけるため「レジスタンス(抵抗)運動」とも呼ばれています。筋トレに取り組む目的は、筋肉量の維持・増量や筋力の持久力向上です。
人は筋肉が増えると基礎代謝量も増えるため、日常生活で消費されるカロリーがアップし、太りにくく痩せやすい体質になります。
また、筋トレをすることによって体脂肪の分解を促す作用を持つ成長ホルモンが分泌されるため、より体脂肪減少に効果的です。
筋トレでは、エネルギーを消費するときに酸素を消費しません。そのため無酸素運動と呼ばれますが、無酸素運動には筋トレの他に、短距離走や相撲、ウエイトリフティングなどがあります
有酸素運動は長時間比較的軽い負荷をかける緩やかな運動
有酸素運動は筋トレに比べて筋肉への負荷が比較的軽い運動のことです。筋肉を動かす際に取り込んだ酸素を使って体内の糖質や脂質をエネルギー源へ変えるため、有酸素運動と呼ばれます。目的は体内に蓄積された脂肪燃焼や心肺機能の強化です。
また、脂質異常症の予防や改善、高血圧、糖尿病の改善にも効果的。全身を使う有酸素運動には心肺持久力の向上効果もあるため、体のスタミナや粘り強さの向上も望めます。
有酸素運動には、ウォーキング、ジョギング、サイクリング、ハイキング、エアロビクス、水泳などがあります。筋トレに比べ、長時間取り組める運動ですね。
筋トレ・有酸素運動に取り組む際の順番とその理由3つ
筋トレと有酸素運動は組み合わせることで、さらに運動効果が高まります。
その際の取り組む順番としては、筋トレをしたのちの有酸素運動がおすすめです。理由は以下の通り、3つあります。
- 筋トレで収縮した筋肉を有酸素運動でストレッチできるから
- 筋トレで分泌された成長ホルモンが有酸素運動の脂肪燃焼効率をアップさせるから
- 筋トレには集中力が必要であるから
ただし、ごく軽い有酸素運動であれば、筋トレ前に行うとウォーミングアップになって筋肉が温まり、ケガのリスクが減少するのでおすすめです。
たとえば、ジムまで徒歩でいく、筋トレ前に10分ほど走る、などは積極的に取り入れてみてください。
筋トレで収縮した筋肉を有酸素運動でストレッチできるから
筋トレでは一般的に、筋肉を収縮することで強い刺激を与えて筋線維を傷つけ、その修復過程でより強靭で太い筋線維に変えていきます。細かった筋線維が太くなるに従って、全体の筋肉量が増すわけです。
それに対し、有酸素運動は全身の筋肉を収縮させて伸ばす動きが多く、ストレッチがかかることで血流が促進されます。
筋トレで収縮した部位は修復のために豊富な血液や栄養分が必要なため、筋トレ後に有酸素運動をすることによって大量の血液が循環し、修復しやすくなります。
筋トレで分泌された成長ホルモンが有酸素運動の脂肪燃焼効率をアップさせるから
筋トレで筋肉に強い負荷をかけるとき、脳では成長ホルモンが分泌されます。成長ホルモンは脂肪分解を促す作用があるため、その後に脂肪燃焼効果の高い有酸素運動を行うと、より効率的に体脂肪を燃焼できます。
筋トレだけ、または有酸素運動だけ、という場合に比べ、脂肪燃焼率が上がって痩せやすくなります。
筋トレには集中力が必要だから
筋トレでは小さな筋肉も含めて特定の部位に強い負荷をかけるため、筋肉が疲労しやすいという特徴があります。特に重い重量を使う場合は安全のために集中力が必須ですが、先に有酸素運動をして筋肉が疲労していると、筋トレで集中力を保てずケガのリスクが増してしまいます。
ところが、有酸素運動は同じ動きを長時間繰り返すため、集中力は筋トレほど必要とされません。先に集中力が必要な筋トレをしたのちに、さほど集中力が必要とされない有酸素運動をする方が、合理的です。
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有酸素運動と無酸素運動を同時におこなえるトレーニング
有酸素運動と無酸素運動を同時に行うことで、高い脂肪燃焼効果があり、ダイエットをしている方はよく一緒に取り入れて運動をしています。
その有酸素運動と無酸素運動を同時に行なえる運動で代表的な運動方法を以下に解説していきます。
バトルロープ
バトルロープは重量のあるロープを全身の筋肉を使って振ることで有酸素運動と無酸素運動を同時に短時間で行うことができます。
- 上半身(肩、腕、背中)や体幹、下半身の筋肉の向上
- 心肺機能の向上
- 体脂肪の燃焼
バトルロープの方法
ボクササイズ
ボクササイズはボクシングの動きを取り入れたエクササイズで、ミットやサンドバック、またはシャドウボクシングでパンチやキックなどフットワークを交えた運動を行います。
- 全身の筋力向上
- 体脂肪の燃焼
- 心肺機能の向上
- 姿勢改善と体幹強化
ボクササイズの方法
バーピー
バーピーはプッシュアップ(腕立て伏せ)、ジャンプ、スクワットの動作を組み合わせた運動です。
流動的に交互に動作をすることで、有酸素運動になりつつ、ジャンプやプッシュアップなどで一気に体を引き上げることで無酸素運動も同時に行います。
- 全身の筋力向上
- 体脂肪の燃焼
- 心肺機能の向上
- 基礎代謝の向上
- バランス力と体幹力の強化
バーピーの方法
有酸素と無酸素を組み合わせはダイエット効果が高い
これまでダイエット効果が高いと期待できる有酸素運動と無酸素運動の組み合わせた運動を取り組むこともおすすめですが、有酸素運動と無酸素運動をそれぞれ別で取り組みたい方は運動時間の配分を「有酸素運動 20分 + 無酸素運動 20分 + 有酸素運動 20分 」にすることがおすすめです。
有酸素運動を先におこない脂肪を燃焼効果を高めて、無酸素運動で大きな筋肉を刺激していきましょう。
下半身や背中など大きな筋肉を鍛える無酸素運動を集中して行うことで、成長ホルモンの分泌を促進することができ、筋肥大の効果も期待できます。
その後、ジョギングやフィットネスバイク、水泳などの有酸素運動を40分程度行うことで、全身の筋肉をしっかり刺激し脂肪を燃焼させるのです。
このときのポイントは、有酸素運動では息が上がるほど強度を強くしないこと。息が上がるほどの強度では返って無酸素運動になるため、呼吸は普通にできる程度の負荷にしましょう。
参考サイト:WORLD+「有酸素運動と筋トレ」
筋肥大(筋肉量増加・筋持久力向上)目的
筋肉量をアップしたい、筋肉(体)を大きくしたいという方は、「無酸素運動40分+有酸素運動20分」がおすすめです。
大きな筋肉、インナーマッスル、小さな筋肉をしっかり鍛えて刺激し、その後、ウォーキングやフィットネスバイク、縄跳びなどを20分程度行います。筋トレで力を出し切ったあとに、有酸素運動で呼吸を整えつつ血流促進しながら汗をかく配分です。
このときの筋トレでのポイントは、短いセット数で力を出し切ることです。10回×3セットではなく、1セットで完全に力を出し切り、2セット目にはもう少し重量を下げ、また力を出し切るという風に取り組みましょう。
▼インナーマッスルを鍛えるにはTRXがおすすめです!
トレーニングは継続が最も大切
運動やトレーニングで最も大切なことは、継続することです。
隙間時間をみつけ、1回10分でもいいのでトレーニングの習慣をつけるようにしましょう。1年後の自分が理想の体形になっていることを想像しながら、細くても長く続けてください。
たとえば全然運動をしない方であれば、まずは1日10分のウォーキングから始めてみてはいかがでしょうか。家にいる方の場合、下半身の大きな筋肉を鍛えるスクワットを毎日10回でいいので取り組むようにしてみましょう。
10回のスクワットが普通にできるようになったら、さらに縄跳び10分を増やすのです。少しずつ運動時間を増やし、筋トレと有酸素運動に触れていきましょう。
筋トレと有酸素運動は相性抜群! 健康と理想の体形を手に入れよう
筋トレと有酸素運動にはどちらにもメリットがありますが、組み合わせることでより効率的・効果的にメリットが得られるようになります。
脂肪燃焼して体を引き締め、生活習慣病の予防などをしたいのであれば、筋トレは短めで有酸素運動は長め。美しい体形を得ながらも体を強くしたいのであれば、筋トレが長めで有酸素運動は短めがおすすめです。
いずれにせよ、運動・トレーニング中はしっかり呼吸を行い、ケガをしないよう集中して取り組んでくださいね。