この記事でわかること
- バルクアップの種類と栄養について
- 筋肉増量期は何を食べたら効果的なのか
- PFCバランスと低GI値について
筋肉を増やすために行うのが「増量(バルクアップ)期」ですが、ただ体重を増やすために闇雲に食べてしまえば、筋肉とともに脂肪もついてしまいます。
できるだけ脂肪を増やさず筋肉をつけたいという方は、増量期の食事についてしっかり知識をつける必要があります。
この記事では増量期の食事について、3種類の増量方法やおすすめの方法、そして増量期の食事において注意すべきポイントなどを解説します。
増量期が失敗に終わらないよう、必要なことを覚えていきましょう。
目次
3種類のバルクアップ
筋肉を増量することを、英語でバルクアップと言います。バルクアップの方法は3種類あり、それぞれに特徴が異なります。
【ダーティーバルクアップ】
食べるものを何も制限せず、ジャンクフードや揚げ物、甘いものでも食べ、ハイカロリーな食事によってハードな筋トレに耐えられるようにするバルクアップです。
体を素早く大きくできますが、脂肪も増えやすいため減量は大変です。
【クリーンバルクアップ】
タンパク質・脂質・糖質の三大栄養素のバランスを重視し、摂取カロリーを増やすバルクアップです。
食事内容にこだわり、胃腸に負担をかけないようにしながら筋肉を増やしていきます。
【リーンバルクアップ】
クリーンバルクアップとほぼ同じですが、摂取カロリーは消費カロリーに500kdcal程度増やすだけにするバルクアップです。
必要最小限のカロリーだけ増やすため、筋肉は付きにくいが脂肪もつきにくいという特徴があります。
バルクアップするには増量期でもなるべく脂質は控える
今までのフィットネス業界では「増量期はとにかくカロリーを大量に摂取すべきで、脂肪がつくかどうかをあまり気にする必要はない」と考えられてきました。
そのため、増量ではダーティーバルクアップが主流でありましたが、最近はクリーンバルクアップかリーンバルクアップがメインで行われています。
それは、脂肪だけを落とすことはとても難しいことが明らかになったためです。
ダーティーバルクアップで脂肪もたくさんつけてしまうと、減量期に非常にハードな思いをするうえに失敗するケースも多いため、増量期でも大幅なカロリー摂取は避けることが大切であるとなってきました。
現在の主流は、闇雲なカロリー摂取はやめ、栄養バランスに配慮してできるだけ脂肪をつけず筋肉を増やすべきという考えです。
胃腸に負担がないうえに減量期のつらさを減らせる、クリーンバルクアップかリーンバルクアップをおすすめします。
増量期の食事で注意すること
増量期の食事で注意することは、次の4つです。
- カロリーコントロールをする
- 空腹状態をなくす
- PFCバランスを守る
- 低GI値の食品を優先する
カロリーコントロールをする
増量期に摂取すべきカロリー量は「やや高カロリー」程度を目指しましょう。
目安は消費カロリー+ 10〜20%の範囲内でカロリー摂取することです。体重増加のペースは、1カ月で2㎏程度がよいでしょう。
厚生労働省や日本医師会では、18歳以上の成人が1日に必要とするカロリーを「基礎代謝量」×「身体活動レベル」で算出しています。
性別・年齢・体格(筋肉量)・どのくらい体を動かしているかは人によって異なりますが、ざっくりと数字を出すと以下のようになります。
成人・男女別 基礎代謝
- 成人男性:約1,500kcal
- 成人女性:約1,200kcal
身体活動レベル
- 低い(レベルⅠ / 1.5をかける)
- 生活の大部分を座って過ごし、普段あまり体を動かさない。
- 普通(レベルⅡ / 1.75をかける)
- 座って仕事をするが通勤、家事、買い物、軽いスポーツなどを行っている。
- 高い(レベルⅢ / 2.0をかける)
- 移動や立っての作業が多い、頻繁に運動を行う。
たとえば35歳男性で外回りの営業職をしている方の場合、1日に最低でも摂取すべきカロリーは以下です。
1,500(kcal)×2.0(高い活動レベル)=3,000kcal
そのため、その量プラス20%のカロリーを増量期には摂取するように目指しましょう。
▼男性、女性の基礎代謝については以下の記事で詳しく解説しています。
空腹状態をなくす
増量期の成功には、筋肉の合成時間をできる限り長く維持することが大切です。
そして筋合成がされやすいのは、体の栄養状態が良好のとき、つまり空腹ではないときを指します。
通常、1回の食事は食後2〜3時間で消化されるため、1日3回の食事では空腹期間が生まれてしまいます。
そのため、増量期には間食を増やし、朝昼晩の食事量を少し減らしてバランスを取り、1日5食を目安に食べるようにしてください。
PFCバランスを守る
PFCとはタンパク質(P)、脂質(F)、炭水化物(C)の三大栄養素のことです。
目標や体質によって個人差はありますが、増量期のPFCバランスは次を目安にして栄養を摂りましょう。
- タンパク質:30%
- 脂質:20~30%
- 炭水化物:40~50%
トレーニング時のエネルギーとなる糖質を半分程度とし、タンパク質を積極的に摂取するよう心掛けます。
低GI値の食品を優先する
GI値とは、血糖値の昇降に関わる数字です。
糖質が多い食品は高GI値食品と呼ばれ、摂取すると血糖値を下げるインスリンというホルモンを大量に分泌させます。
その結果、体に脂肪を溜め込みやすくなってしまうため、低GI値(GI値が55以下)の食材の活用を優先することがおすすめです。
代表的な低GI値の食材は、以下のようなものがあります。
【穀物】そば、押し麦、春雨 など
【果物】りんご、いちご、みかん、グレープフルーツ など
【野菜】葉物野菜、ピーマン、ブロッコリー など
【乳製品】牛乳、チーズ、ヨーグルト など
参考:健康管理食ジョイント「低GI値のおすすめ食品一覧。血糖値を緩やかに上げる食事のポイントと効果について」
増量期の食事におすすめなスタイルは「定食」+「プロテイン」
主食、主菜、副菜がバランスよく食べやすいのは「定食」スタイルの食事です。
特にカロリーが高くなりやすい外食では、和定食を選ぶと間違いありません。
トレーニングの栄養源として、白米はお茶碗に大盛りでもOKですが、GI値を下げるため、メニューに玄米があれば玄米に変更することをおすすめします。
肉や魚をしっかり食べる必要がありますが、動物性タンパク質は腸内を悪化させる原因にもなります。
キムチや漬物、味噌汁などの発酵食品を一緒に食べることで、腸内環境の悪化も防ぎましょう。ヨーグルトや乳酸菌飲料もおすすめです。食物繊維と水分も、多めに摂取してください。
運動前後にはおにぎりやバナナといった軽いものやプロテインを摂り、寝る前にもプロテインやヨーグルトなどを摂るようにして、栄養補給します。
なお、体に不要な負担をかけないよう、増量期でも以下の食品は食べないようにしましょう。
- ファストフードやジャンクフード
- スナック菓子
- パン
- 揚げ物
- 加糖ジュース
- アルコール
いわゆる「体に悪いもの」は筋肉ではなく脂肪を増やし、体を冷やします。
増量期のはPFCバランス重視の食事をこまめに食べること
増量期の食事でも、何でも食べてOKというわけではありません。
きれいに筋肉を増やしたいのであれば、脂肪はできるだけ増やさないようにしながらしっかりと食事を摂ることが大切です。
一般的に体によくないと言われる甘いものや添加物がたくさん入ったものは避け、タンパク質・脂質・糖質のバランスを考えながら、食事回数を増やすことで増量していきましょう。
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