ダイエット中、頻繁に見聞きする言葉に「脂肪燃焼」があります。
体内に蓄積した脂肪を燃やすということは漢字からイメージできますが、具体的にはどのような過程を経て脂肪がエネルギーに変わるかをご存じでしょうか。
この記事では、脂肪燃焼とは何かについて解説します。
脂肪が燃焼する仕組みやそのために必要なこと、運動・食事・その他の生活習慣について説明しますので、ぜひ参考にしてください。
▼以下の記事で皮下脂肪が落ちる期間と効果的な筋トレメニューについて解説しています。
目次
脂肪を減らすには脂肪燃焼が大切
体内に蓄積された脂肪は「燃焼」してエネルギーに変え、消費することで減らせます。
そもそも脂肪が体内に溜まるのは、エネルギーが不足したときに「脂肪の貯蔵庫」から取り出してエネルギーに変換するためです。
お腹やお尻、二の腕などには脂肪の貯蔵庫が多く存在するため、脂肪がつきやすくなります。
脂肪燃焼の仕組み
すぐに使えるエネルギーが枯渇すると、脳内で脂質動員ホルモン(ノルアドレナリンやアドレナリンなど)が分泌され、リパーゼと呼ばれる脂肪の代謝や分解に関わる酵素が活性化します。
リパーゼは脂肪を脂肪酸とグリセロールに分解し、血液中に放出。脂肪酸が全身の筋肉に運ばれることで、運動をする際のエネルギーとして消費されます。
脂肪は2種類ある
体脂肪とざっくり呼ばれていますが、脂肪には次の2種類があります。
- 内臓脂肪
- 皮下脂肪
内臓脂肪は腸間膜(小腸を包み込む膜)など、内臓周辺につく脂肪のことで、エネルギーの一時的な保存として使われます。
脂肪が蓄積するスピードも、消費するスピードも早いことが特徴です。
女性に比べ男性につきやすく、メタボリックシンドロームの基準にも使われます。
そして、皮下脂肪は皮膚のすぐ下にある皮下組織に蓄積する脂肪のことです。
下腹や太もも、お腹などにつき、指でつまめます。
男性に比べて女性につきやすいのですが、その理由は子宮を衝撃や冷えから守ったり、授乳期に栄養を蓄えたりする役割があるためです。
特徴は、一度つくとなかなか落ちにくいこと。蓄積に長い時間がかかりますが、消費にも長い時間がかかります。
脂肪燃焼には運動が必要
エネルギーが枯渇すると脂肪が使われるため、運動してエネルギーを使うことが「痩せる」ためには大変有効です。
運動の種類は次の2つがあります。
- 有酸素運動:酸素を体内に取り込みながら、比較的軽い動きを長時間続ける運動のことで、ウォーキングや水泳などが代表的です。長めに時間をかけて行うためゆっくり分解代謝されるため、主に脂肪と糖質を利用します。
- 無酸素運動:酸素を体内に取り込まず、負荷が強い動きを短時間で行う運動のことで、筋トレや短距離走などが代表的です。瞬発的に大きなエネルギーを必要とするため、常時筋肉に蓄積されている糖質を主に使います。
上記の通り、脂肪を主なエネルギー源とするため、痩せるには有酸素運動が有効です。
ただし、無酸素運動である筋トレを行うことで体内の筋肉量が増え、それによって基礎代謝が向上する結果、安静時でも脂肪燃焼効果が高まります。
したがって、有酸素運動だけでなく、無酸素運動も同じく取り組む方がダイエットには効果的です。
有酸素運動は、1日の合計が20分以上になるかどうかを目安にしましょう。
注意点としては、運動時間は1度に20分である必要はなく、10分のウォーキングを朝晩で2回や、5分のさまざまな運動を4回でも構いません。1日の合計でみましょう。
▼以下の記事で自宅ダイエットの脂肪燃焼筋トレメニューを解説しています。
運動は無酸素運動から有酸素運動の順で取り組む
運動する場合は、まず無酸素運動をしてから有酸素運動の順番で取り組むと効率的です。
無酸素運動をすると、体内で大量の成長ホルモンが分泌されます。
成長ホルモンにはさまざまな作用がありますが、その中のひとつに「体脂肪を分解する」作用があります。
分解された体脂肪はエネルギー源として活用可能になるため、次に取り組む有酸素運動で利用すると、より脂肪燃焼効果を高められるのです。
また、疲労度の問題もあります。
先に有酸素運動をしてしまうと全身の筋肉が疲労し、筋トレに必要な瞬間的なパワーが出せません。
十分なパフォーマンスができなければ、筋トレ効果(脂肪燃焼、筋肉量の維持・向上)は期待できなくなってしまいます。
まずは無酸素運動で強い負荷をかけてしっかり筋肉を刺激し、その後、有酸素運動でじんわり体脂肪を燃やして汗をかくことが大切ですよ。
▼以下の記事で筋トレと有酸素運動の違いや取り組む順番について解説しています。
運動初心者はいきなりハードな運動をしないようにする
有酸素運動ではジョギングやマラソンが代表的な種目ですが、今まで運動をしてこなかった人がいきなり走り込むことはおすすめしません。
慣れない運動は体への負担が高く呼吸が浅くなるため、肝心の酸素がうまく取り込めなくなるからです。また、体も傷める可能性が高いでしょう。
目安は「運動をしながら会話ができる程度の負荷」。まずはウォーキングや水中ウォーキングから始めることがおすすめです。
ちなみにマラソンやジョギングで30分走るためには、同じ時間歩けるかどうかが基準となります。
▼運動と健康については以下の記事で詳しく解説しています
できると思っていても、実際に歩くと20分間の歩行でも疲れ切ってしまう方がいるため、先に歩いてみることが大切です。
無酸素運動も同じく、経験のない人が重いダンベルなどを持ちあげたり強度の強いトレーニングをしたりすると、ケガのリスクが上昇します。
まずはマシンや筋トレアイテムは使わず、自分の体重を利用した「自重トレーニング」に取り組むようにしてみましょう。
特におすすめなのはスクワットです。大きな筋肉が集まる下半身を集中的に鍛えられますよ。
▼以下の記事でTRXについて解説しています。自重トレーニングにはTRXも最適ですので、参考にしてください
食事で摂りたい脂肪燃焼に効果的な栄養素
食事は1日に3食しっかり摂り、食事を抜くといったダイエットはしないようにしましょう。
これは、体がエネルギーの不足した飢餓状態であると脳が判断すると、返って脂肪をためやすい体になるためです。
食事はバランスよく食べることが重要ですが、中でも以下の栄養素は積極的に摂るようにしてください。
- タンパク質
- ビタミンB群
タンパク質
タンパク質は筋肉を構成する材料で、筋肉量を増やしたり維持したり、修復したりするのに必要です。
動物性タンパク質なら牛肉・豚肉・鶏肉や魚、卵。
植物性タンパク質なら大豆や落花生(ピーナッツ)、アスパラガス、ブロッコリーなどがあります。
参考:森永製菓「植物性タンパク質が含まれる食品を紹介。野菜など大豆以外の食品も紹介!」
ビタミンB群
ビタミンB群は、補酵素として糖質・脂質・タンパク質の代謝を促す働きがあります。
不足するとエネルギー代謝がスムーズに行われにくくなるうえに、疲労感や倦怠感を感じやすくなるため、意識的に摂取しましょう。
ビタミンB群は、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの全8種のビタミンの総称です。
ビタミンB群はお互いに助け合って働ける状態になるため、できるだけ一緒に摂取することが大切ですよ。
豚肉やレバー、にんにく、貝類などに豊富に含まれます。
参考:わかもと製薬株式会社「ビタミンB群とは?効果や豊富に含まれる食べ物、不足・過剰で起こること」
脂肪燃焼を促す生活習慣
水を飲む女性 水分補給の写真素材 [86617218] – PIXTA
基礎代謝が向上すると脂肪燃焼効果が高くなるため、基礎代謝を上げる生活習慣を心がけるようにしましょう。
具体的には、以下の3項目を実践してください。
- 寝る2時間前までに湯舟に浸かる
- 十分な睡眠を取る
- こまめな水分補給
1日の疲れを湯舟で取り、筋肉を弛緩させましょう。十分な睡眠を取ることで成長ホルモンが分泌されます。
また、こまめな水分補給も大切です。
水分をしっかり摂ることも基礎代謝向上につながりますが、過剰に飲む必要はありません。1日2リットル程度を目安にしましょう。
脂肪燃焼効率をアップさせよう! 生活習慣を見直してスッキリした体に
脂肪燃焼とは、酵素で脂肪を分解してエネルギー源にすることを指します。
運動することでエネルギーはすぐに使われるため、痩せるには運動が必要と言われるのですね。
そのほかにも、整った生活習慣が基礎代謝を向上させ、脂肪燃焼効率を上げます。睡眠・運動不足を解消し、バランスの整った食事をきちんと食べるようにしましょう。
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