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健康や美容、ダイエットのすべてに密接な関わりがあるのが「呼吸」です。
人間は呼吸を自然に行うため、呼吸について深く学んだことがある方は少ないかもしれません。
しかし、もしも呼吸が浅くなっていて肋骨が開いたままだと、健康や美容に関してさまざまなデメリットを受ける可能性があります。
そこでここでは、肋骨を使った呼吸法について解説します。
肋骨を締めるとはどういうことか、肋骨と呼吸の関係や、肋骨(胸式)呼吸方法、ヨガで胸を使った呼吸を行う流派があることなどについて、一緒に確認していきましょう。
深い呼吸を意識的に行う練習をして、健康や美容のよい効果を受け取ってくださいね。
目次
ウエストのくびれや美尻を作る肋骨(胸式)呼吸とは?
肋骨呼吸は、一般的にはバレエダンサーがしている呼吸法として知られています。
肋骨の間にある肋間筋という筋肉を、閉じたり開いたりして呼吸する方法です。
息を吸ったときに胸が膨らんで肋骨が広がり、息を吐いたときに肋骨が閉じて狭まります。
呼吸時に肋骨を大きく動かすため体幹や背中の筋肉を刺激し、さまざまな健康・美容効果が期待できます。
以下は、肋骨呼吸の代表的なメリットです。
- 姿勢改善
- 美尻
- くびれ作り
- 心肺機能の強化
- 免疫力の強化
- 体幹の安定
- 代謝の向上
など
病気に強く、痩せやすい体質になれるうえに、見た目も姿勢よく引き締まります。
肋骨呼吸と胸式呼吸の違い
肋骨呼吸も胸式呼吸も、胸部分を使った呼吸法という点では同じです。
そのため、肋骨呼吸と胸式呼吸は同じものとして扱う人もいます。
ただし、細かい点での違いは、呼吸が行われる際の状態です。
肋骨呼吸は肋骨を広げることで胸郭の面積を増やし、肺に呼吸を送り込む方法です、安静時によく行われます。
一方、胸式呼吸は主に胸の上部を使ってする呼吸法で、胸を上下に動かすことで肺に空気を送り込みます。
筋肉をよく動かす活動時の呼吸に適しており、ピラティスや一部のヨガで利用されています。
「肋骨が開いている」かどうかをチェックしよう
肋骨は通常、何もしていないときは「閉じた」状態です。
肋骨が開いたままになっていないかを知るために、以下の項目をチェックしてみてください。
当てはまった数が多いほど、肋骨が開いている可能性が高くなります。
- □反り腰である
- □猫背である
- □眠りは浅い方だ
- □息を8秒以上続けて吐けない
- □ストレス過多でよく緊張している
一般的な肋骨が開いているかどうかの基準は、肋骨下角(みぞおち辺りの左右肋骨のなす角度)が90度以上開いているかどうかです。
肋骨を締めるとは、この角度を90度以下にすることを指します。
肋骨と呼吸の関係
人が呼吸をする際には、肋骨の可動性が大きく影響します。
息を吸ったり吐いたりしているとき、通常、肋骨も動いて開いたり閉じたりしています。
しかし何らかの原因で肋骨周辺の筋肉や関節が硬くなっていると、正しく深い呼吸ができず呼吸は浅くなってしまいます。
肋骨周辺の筋肉や関節が硬くなる理由の代表的なものは、以下の2つです。
【姿勢の悪さ】
猫背や反り腰は正しい筋肉のバランスを崩すため、さまざまな筋肉部位が衰えてしまいます。
その結果、正しく胸を閉じられなくなります。
息をしっかり吐き切ることができず、吸い込んだ際に肋骨を開いたままで維持してしまう状態です。
【ストレスによる緊張】
緊張しているとき、人は酸素を求めて息を吸いがちになります。
呼吸をしっかり吐き切ることで肋骨は閉じますが、呼吸が浅く吐き切れないため閉じられず、そのまま固くなってしまうのです。
肋骨が開くことによる悪影響
肋骨が開いたままになることによる代表的な悪影響は、以下のようなものがあります。
- 横隔膜の機能の低下
- 肩こりや首こりの発生
- 姿勢の悪化
- 腰痛や膝痛の発生
- ぽっこりお腹
- 体幹安定性の低下
見た目にも大きく影響を及ぼすため、肋骨を閉じられるよう、周辺の筋肉を刺激していきましょう。
肋骨を締める機能を持つ筋肉の種類
肋骨を締める際には、人は複数の筋肉を利用しています。
- 腹直筋
- 内腹斜筋
- 外腹斜筋
- 腹横筋
- 内肋間筋
- 最内肋間筋
- 肋下筋
- 胸横筋
- 下後鋸筋
以上の筋肉は、通常の呼吸では動きません。
ただ息を吐くだけのことに筋機能は必要ないのですが、意識を向け努力して息を吐くことで収縮させられます。
ぜひ、肋骨呼吸を練習してください。
肋骨(胸式)呼吸のやり方:立ち・寝バージョン
立って行う呼吸方法と寝て行う呼吸方法、両方のやり方を紹介します。
しっかり胸を開け閉めして呼吸を深くし、さまざまなメリットを受けましょう。
立ちバージョンの肋骨(胸式)呼吸のやり方
- 真っ直ぐに立ち、両手を肋骨の下部分に当て、お腹に軽く力を入れて凹ませる。
- 鼻から息を10秒かけてゆっくりと吸いながら、肋骨が左右に広がるのを感じる。
- 口から息を10秒かけてゆっくりと吐きながら、肋骨が中央に狭まっていくのを感じる。
- 5回繰り返す。
仰向けバージョンの肋骨(胸式)呼吸のやり方
- 床の上に仰向けに寝る。
- 両膝を立てて、両手を肋骨の下部分に当て、お腹に軽く力を入れて凹ませる。
- 鼻から息を10秒かけて吸いながら、肋骨が横に広がるのを感じる。
- 肋骨を狭めるイメージをしながら口からゆっくりと息を吐き、同時に両膝を持ち上げて胸に引き寄せる。
- また、息を吸いながら肋骨を広げていき、同時に足は床にかかとがつく直前まで下す。
- かかとが床に着く前に、再び息を吐きながら両膝を胸へ寄せる。
- 吸って吐いてに膝の動きをつけ、5回繰り返す。
ヨガにも肋骨(胸式)呼吸を取り入れる「アシュタンガヨガ」がある
ヨガでの呼吸は基本的に腹式呼吸ですが、アシュタンガヨガでは胸式呼吸のひとつである「ウジャイ呼吸」を行います。
アシュタンガとはヨーガスートラで書かれている八支則のことです。
アシュタンガヨガは通常のヨガのポーズより運動量が多く、静止ポーズがないために、最初から最後まで動きっぱなしという特徴があります。
胸式呼吸と連動させ、流れるように決められたアーサナ(ポーズ)を行います。
アシュタンガヨガの目的は、心身の浄化です。
アーサナ(ポーズ)ごとに視線を固定する・体内エネルギーを外に逃がさないため筋肉の締め付けに意識を集中させる・体内で熱エネルギーを上げるなどの決まり事があります。
ウジャイ呼吸(肋骨・胸式)は交感神経を活性化させるため、アーサナと共に行うことで血行がよくなり、集中力が非常に高まります。
アシュタンガヨガの代表的なものには、太陽礼拝があります。
太陽礼拝にはAとBの2つがあり、いずれも朝起きて取り組むことで、その日が活動的に行動できる効果が得られますよ。
▼以下の記事で太陽礼拝(AとB)について詳しく解説しています。
呼吸で肋骨を締めて健康的・美容的効果を得よう!
呼吸の浅さや普段の姿勢は、健康的・美容的トラブルを引き起こす原因となってしまいます。
問題の改善には「締まった肋骨」が大切ですが、浅い呼吸を繰り返すうちに肋骨が開いたままになり、意識しないと閉じなくなってしまうことも。
今回紹介した呼吸法で、しっかり肋骨を閉じるようにしてください。
呼吸は、人が唯一コントロールできる自律神経です。意識的に深い呼吸をして、全身によい影響を与えていきましょう。
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